ときめ句ノスタルジッ句昭和親父の温故知新

思うままに、俳句と唄を、昭和の匂いをぷんぷんさせて。

浦島太郎や雀は蛤に

2019-10-20 | 俳句
何とも不思議な季語です。晩秋の頃、雀が海に行き蛤になるなんて。ふと、これまた不思議な浦島太郎が頭に浮かびました。


     


     雀は蛤に誰もゐない海


     雀蛤にスーパーのパックに


 さて、和歌山の海に実際に行って来ました。浜辺には誰もいなくて浦島太郎さんとも出会いませんでした。(当たり前ですが)雀がいるかと歩いてみたけど。「雀だ。」と駆け寄って見ると、それは茶色い石ころでした。でも、振り向いた松林の中から雀たちの鳴き声が楽しそうな鳴き声が聴こえて来ました。おにごっこでもしてるみたいに飛び上がったりして楽しそうに遊んでる姿が見えました。それでそっとそちらへ行ってみました。だけど、行きついてみるとともう雀たちの鳴き声も姿も、どこにも見ることはできませんでした。ところが、松の根元を見て驚きました。そこにはいくつもの蛤が転がっていたのです。先ほど飛び上がった数を思い浮かべてみたけどそれと同じ数の蛤でした。僕は一つ手に取りました。すると、小さく、チュンチュンと鳴き声が聴こえたのです。空耳かと思い、今度は耳に当ててみました。でももう何も聞こえませんでした。
 ベンチでうとうとしてた僕はそこで目が覚めました。「何だ。夢だったのか。」と思いました。だけど、夢で見た通りそこには松の根元に蛤が、夢の中で見た雀の数だけあったのです。ためしに耳に当ててみました。でも、何も聞こえませんでした。
僕はおばあさんにいいお土産が出来たと、転がってる蛤を拾って帰りました。おばあさんも僕も蛤のお吸い物が大好きなんです。不思議な不思議な良い一日でした。明日の朝おばあさんとさっそくいただくことにします。
                おわり





     


     雀蛤にその手は桑名かな



     


     雀蛤に「チュン」とお吸い物




文字数も多いし、こういう季語は難しいですね。でも楽しい。




振り向けば誰もゐなくて金木犀

2019-10-19 | 恋の句
     


     


     木犀の香りのなかへ帰りゆく


     木犀や褪せても恋の懐かしく


     遠き日の恋のかをりや金木犀


     懐かしき人の気配や金木犀


     


     湯上りの纏ふ香りや金木犀


     


     木犀の香の誘ひたる旅心


     


     木犀やローカル線の停車の間


     ドア開けば香り入り来る金木犀


     


     木犀に合はせし色の帽子かな


     色合はせ街ゆく帽子金木犀


     木犀の香り沁みゆく老いの肌


     


     歯科出れば歯にかをりたる金木犀










火恋し

2019-10-18 | 恋の句
     


     夕暮の駅のホームや火恋し


     雑踏に嗅ぐ君の香や火恋し


     雑踏の孤独ぽつんと火恋し


     


     火恋し遠く消えゆく電車の音


     電車の灯り見送れば火恋し



     



     沈みゆく陽に映ゆ雲や火恋し




「火恋し」は4文字なのに、なぜ5文字として使われるのか、ナゾでわかりませんでしたが、なるほど、そういうことか。と口に出して言ってみて納得しました。
そろそろ火が恋しい頃となって来ました。今朝も明け方はだいぶ冷え込みました。





懐メロの老いのギターや秋うらら

2019-10-18 | 老いの俳句
     


     秋うらら老いの楽団コンサート


     一心に指揮する翁や秋うらら


     


     どら猫に邀えられたる秋うらら


     


     秋うらら朝の目覚めのモダンジャズ


     秋うららモンクの帽子また違ふ


     秋うららチョコとナッツとコーヒーと


     秋うらら二度寝三度寝やっと起く




このごろは早く起き出してコーヒーを淹れる楽しさから遠ざかっています。床に就くのは早いけど数時間で目が覚めるようになったため、朝のリズムが狂いがちです。何とか体調は維持してますが。
今朝も遅い朝食とコーヒーでした。今朝は久しぶりに、チョコを味わいつつコーヒーを飲みました。どちらもブラックです。「明治ブラックチョコレート「26」これだと一口サイズで摘まみやすいし食べ過ぎることはないので。抑える気持ちは要りますが。これを含んでブラックコーヒーです。ブラックチョコレートと言っても甘さはあるので丁度良いのです。そこへナッツを噛むとまた香ばしいハーモニーが広がります。チョコはカカオポリフェノールがいっぱいです。やって来る冬に備えて体調管理をしなければと。





笑うこと忘れた君へ泡立草

2019-10-17 | 野の花俳句
     


     


     青空と生く背高泡立草


     


     生きてゆくこと背高泡立草


     生きる意味とか背高泡立草


     


     曲がっても心まっすぐ泡立草


     


     あわだちさう老いても夢の数多かな


     


     あしたへスイングスイング泡立草


     楽隊のごと背高泡立草


     前向きにどんな場所でも泡立草


     


     折られても泡立草の黄の明さ


     


     素顔見せない道化師や泡立草


     


     自由ってなに背高泡立草