群生の冬木の奏づシンフォニー 2019-12-27 | 冬の俳句 裸木の風と奏でるシンフォニー 吠ゆるごと枝はらはれし冬木かな 裸木の空掃き終えし如くかな 裸木の枝は千本のアンテナ 裸木の堂々とした幹廻り 耳を当て裸木の温もりを聴く 裸木の肌に仏の浮かびたり 裸木に人の集ひし古墳かな
萱野茂に会いたかった柳葉魚買ふ 2019-12-26 | 冬の俳句 ししゃも付く入院食や酒の欲し ほんとの柳葉魚ではありませんね。ほんとの柳葉魚はスーパーでもめったに見かけません。その昔、アイヌの神様が柳の葉を魚に変えたとこからこの名が付いたそうです。北海道にはアイヌ語の名がたくさん残されていますね。僕は小学校の高学年の時に、佐藤さとるの「だれも知らない小さな国」を読んでからアイヌに関心を持ちました。ちなみにこの本を読んだ後しばらくの間、コロボックルが部屋の中を素早く動いて隠れるのを見ました。はっきりとは見えないのですが素早く動くコロボックルが見えたのです。これは、この本を読んだ多くの子供たちが同じ経験をすることなんです。やがて、成長するにしたがって見えなくなってしまいました。 ししゃも焼く誰も知らない小さな国 ししゃも焼く煙の描くアイヌ模様 ししゃも焼く傍に猫来て待ちてをり コタンの口笛開きてししゃも食ぶ
クリスマス 2019-12-25 | 冬の俳句 洋菓子屋みちまで甘しクリスマス 人形のクマさん灯るクリスマス のら猫もカリカリ貰ふクリスマス 子と選ぶ百均のクリスマスグッズ クリスマスツリーの飾り欲しがる子
おでん 2019-12-24 | 冬の俳句 入院の夕餉のおでんにほっこり 路地裏に京のおでんのおばんざい 味しゅんで昭和の味のおでんかな 玉子のきみまで味のしゅんだおでん 一合が二合となりしおでんかな ちくわの何か言いたげなおでん酒 注ぎ合ふて別れの辛しおでん酒
ポケットから取り出しくれる蜜柑かな 2019-12-23 | 冬の俳句 明るさや入院食にみかん付く 密談のみかん剥く音かすかなり 丁寧にみかん剥きたる細き指 手のみかん嗅ぎ来て猫の顰め顏 子のいたずら掴めば皮だけの蜜柑 寝入る子の爪に蜜柑の香りかな