雑談タイム❕

推しの話、日常の話など。

土曜夜10時半に鳴るLINEの通知

2023-05-27 01:41:00 | 日記
夜10時半、
「飲むぞ」
と、突如ラインが来た。
先週の土曜の話である。

アルファベットの、見慣れない差出人名に少し戸惑いながら、誰だっけ?と記憶をたどる。刹那、心臓が鳴る。


推 し だ ! !


断っておくが、別に私、浮気性なんかではない。ただ、現実に推しがたくさんいるだけ・・・

仮に、推し2号、としておこう。
2号はモテる。べらぼうにモテる。経験人数は実に20人超えである。
というのは、結婚前の話。結婚してからは家族第一に、せっせと働いていて、不倫とも無縁である。
彼はほぼ毎週のように、友人と呑んでいるようだった。
そこに私が呼ばれた。2回ほど、呼ばれた。


2度目の話をしたい。
2度目は、2ヶ月ほど前だっただろうか。夜10時半、突如送られてきたラインで、指定された居酒屋へ向かうと、もう皆出来上がっていた。彼の他にも何人か男性がいたけれど、合流した私にいち早く席を譲ったのはやはり彼だった。

それから2軒はしごした。皆千鳥足で2軒目のバーを出て、流れるように、隣のカラオケボックスへ向かう。
ソファに座る。私の隣には、もちろん彼である。
断っておくが、彼の方から私の隣に座ったのであって、決して私は、彼に対して何も望んでいない。

入室から2時間ほどが経過し、ここがどこなのか、何を歌っているのかもわからなくなった頃、左腕に重みを感じた。

ん…?

彼である。彼は、酔いが回った熱い頭を、私の腕に預けていた。

まあ、いいか。

私はそのまま、アルコールの蔓延る薄暗闇を漂うように、ユラユラした。カラオケ画面が明るい。体育座りになって、膝の上に顎を乗せる。
暫くすると、彼は頭を起こして、歌に参加し始めた。私は体を揺らしてリズムをとった。

うすーい、暗闇だなあ。

と思った。隣に誰がいたって、わからないだろう。
彼が同じ気持ちだったか、定かではないが、椅子の上、私の足の甲に触れて、そのまま暫く撫でていた。人差し指で、優しく、優しく。


酒の回った頭は、何も使い物にならない。
私はそのまま、酒のせいにして彼の手を握ろうとしたのに、出来なかった。
彼の奥さんも、子供も、どうでも良かった。彼の地位も、私の名誉も、どうでもいい。
酒飲んで酔っ払って、そのままカラオケに入ったんだから、いいじゃないか。

本当に使い物にならない、頭と体。
私は、足に宿る彼の手の感触を、出来るだけ詳細に記憶しようとしたけれど、酒が邪魔をした。






「飲むぞ」
と、ラインが来て、私は深呼吸した。
私は、本当に何も望んでいないのだろうか。
今一度自分に問いただす。彼のラインのアイコンは、家族写真だった。仲の良さそうな家族。彼だって、別に家庭を壊したいなんて思っていない。私も更々、思っていない。
ただ、禁断の恋愛というのは、いつの時代も燃え上がるもので・・・

と、そこまで考えて、私はメッセージを打った。
「明日早いのでやめときます!」

うん、これが正解。
推しは推しのまま、遠くに置いておくのが一番。きっと、そう。


お客さんと言われると悲しくなる

2023-05-27 01:33:00 | 日記
「今日もたくさんお客さんが来てくれているので」
「ステージからお客さんを見ると、泣いている人とか、一緒に歌っている人とかいて嬉しい」



なんてことを、私の推しはよく言ったりする。
嗚呼、なんて残酷な、愛すべきひと・・・

お客さん、って言われると悲しくなるのは、私だけだろうか?
たしかに、ライブに来る人全員がファンというわけではないかもしれないけど、それでも私は「お客さん」なんて、言われたくない。

だってそれって、お金払ったのでライブ来ました、みたいじゃん?
それって、お金払ってくれてるので精一杯歌います、みたいじゃん?



どちらにせよ、元々遠い存在である推しが、もっと遠い存在になってしまったような気がするのだ。

私の推しは元来、ファンとの間にわざと距離を置くタイプだ。
「沢山の人が応援してくれるようになった分、その人たちに流されないようにしている」という言葉を聞いた時は流石だと思ったが、だから、どんなに曲が売れても、結局4人で完結しているのだな、と思って少し寂しかった。


だから以前、深瀬さんが一人で出演した番組で、ライブ中ダンスを披露した映像が流れた時、
「こういうダークな演出はファンと楽しんでるって感じですね」
とはにかみながら言っているのを聞いて、少しだけ泣いた。(あまりにも限界オタクすぎる気はするが)



私たちは演者と客だけれど、演者と客だけの関係にはなりたくない。

「おれはあんまりそういうのが伝わりにくい人間だけど、みんなのこと大好きだよ」

と、推しが深夜に突然ツイートした時、ああ、応援してきてよかった、と思った。


もちろん、見返りを求めてファンをしているわけではない。中には、認知されたくて仕方がないファンや、本気で付き合いたいと思っているファンもいるだろうが、それはちょっと違うと、私は思う。

推しが私たちを「ファン」と呼んでくれた。ただそれだけで、心が通じ合ったような気がして、私はなんだか報われた気がするのだ。