〔よしなしごと)『言葉の宝箱』《かくしごと》

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

近藤史恵【話すことができなければ、仲直りもできない】

2025-02-20 15:58:41 | 近藤史恵


『タルト・タタンの夢 ビストロ・パ・マル①』近藤史恵(創元推理文庫2014年4月30日)


・絶対に手が届かないとわかっているからこそ、
夢中になれるのかもしれないぞ P49

・料理が下手なのは仕方がないけれど、
きちんと手をかけて下ごしらえをしないのは、
愛情がないからP74

・人は楽しむためにも食べるが、
生きるためにも食べる P81

・妄想って、なんなんですか?
推理と言ってくださいよ P128

・話すことができなければ、
仲直りもできない P133

・いくら話しても、
聞いているふりをして聞いていない人には伝わらない。
自分が今まで伝わっていると思っていたことも、
なにひとつ伝わっていなかったのだとしたら P145




楡周平【できない理由を語るより、どうしたらできるかを考えたほうが、何倍も楽しいじゃないですか】

2025-02-20 10:02:34 | 楡周平

『サンセット・サンライズ』楡周平(講談社2022/1/24)


(講談社文庫15:2024年10月16日)

築9年、3LDK、家具家電付き――なのに家賃8万円!?
大手電気機器メーカー「シンバル」に勤務する西尾晋作は、海釣りが大好き。
コロナ禍でテレワークが当たり前になったことを機に、海に近い田舎に移住を考え始めると、
宮城県に家具家電付きの神物件を発見する。
家賃の安さに惹かれ、「お試し移住」を始め、夢のような山海の幸に大満足。
地域民とのいざこざを経験し、晋作はこの楽園で、ある新事業を思いつく――。


*アサップとは、
英語のアズ・スーン・アズ・ポッシブルの略で、
可能な限り早くを意味する P22(P29)

・長所、短所、両面あるが、決断、即実行、意思決定が早いのは、オーナー企業なればこそだ P28(P38)

・女の涙は、男を黙らせる最大の武器になる P122(P158)

・自分のことは自分で解決するしかないの。
巻き込む人が多くなればなるほど、ややこしくなる P161

*QOLとは“クオリティ・オブ・ライフ”の略で、
個々の人生における『生活の質』のことを意味する P219

・正論、定説、常識を疑え、それを覆してみせることができれば、大きなビジネスを摑める(略)
挑戦を嫌う人間は、新しいことをやろうとすると、まず最初に問題点をあげつらう。
しかし、それはどうすれば成功するかが分かっていることなんだ。
なぜなら、解決しなければならない問題は既に分かっているからだ P225(P290)

・できない理由を語るより、どうしたらできるかを考えたほうが、何倍も楽しいじゃないですか。
第一、仕事は楽しくなけりゃ苦痛になるだけですよ P227(P293)

・問題を問題として放置していたら、いつまでも解決できない(略)
どうしたら解決できるのか。そこに知恵を絞ってみよう P236

・チャンスってもんは、常に万人の目の前に転がっている(略)
人は成功者に対して、あの人は運を持っているとかいうけどさ、
それはね、気がつくか気がつかないか、
チャンスが来た時の備えができているか、できていないのかの違いでしかない P284(P365)

・家にとって、人は生きるエネルギー、命を与えてくれる存在なんですよ P303

・傷んだ場所を修理し、壁紙を張り替え、畳を入れ替えしていると、
家が息を吹き返してくる、喜んでいるような気がしてきて…… P304



近藤史恵【人が好きだって言う人でも、他人に優しくできない人もいるし、自分を好きになってもらうのが好きな人だっているよね】

2025-02-20 07:26:04 | 近藤史恵


『たまごの旅人』近藤史恵(実業之日本社 2021/8/5)

 

念願かなって、海外旅行の添乗員になった遥。アイスランドを皮切りに、スロベニア、パリ、西安で、
ツアー参加客それぞれの特別な瞬間に寄り添い、時に悩みながらも旅を続ける。
ところが2020年、予想外の事態が訪れる。
『たまごの旅人(アイスランド)』『ドラゴンの見る夢(クロアチア、スロベニア九日間)』
『パリ症候群(パリとイル・ド・フランス七日間の旅)』『北京の椅子(西安、北京六日間の旅)』『沖縄のキツネ』5話連作短編集。


・夢や目標って、いったいなんなのだろう P8

・はっきりものを言う人は、不快な気持ちを隠すこともしないのだ P24

・アイスランド人は『悪い天気なんてない』って言うんだ。
いつだっていい天気だ。
『悪いのはおまえの服装だ』ってね P27

・自分が当たり前だと思っていたことが、よその国では当たり前でないことを知らされる。
旅にはそんな瞬間が何度もある P33

・不安でいっぱいのとき、
「大丈夫」と言ってもらうと、
こんなにうれしいのだ P51

・旅行添乗員をはじめたとき、自分がたまごみたいだって思った(略)
旅行者って、そこに住んでいる人たちと、なにかが隔てられているでしょう。
近くにいるけど、違う世界にいるみたい(略)
まるでたまごの中から世界を見てるみたいだって。
しかも失敗ばかりして、ヒビが入って、傷だらけで(略)
でもさ、転がってヒビだらけになりながら、世界を見るのはわるくなかったよ P54

・誰かに喜んでもらうって、素敵なことだ P56

・夢なんて、そんなものかもしれない。
叶うときには叶うし、叶わないときには叶わないのだ P56

・主張したからと言って、すべてが思い通りになるわけでもないし、
フランス人は手強い P65

・添乗員にとっては、笑顔も仕事なのだ P82

・目をつぶっているのは、この社会と、社会を動かしている人なんじゃないかって(略)
少子化が大変だと言いつつ、母親だけに育児を担わせることをやめようとしない。
保育士の給料を上げることもしない。
若者が不安定な働き方と安い収入に耐えていることも、知らんふりを続けている P

・人と人にだって相性があるように、人と街にも相性がある。
だからこの街をそんなに好きになれなくたって仕方がない P129

・望んだものが、そのまま手に入ることなんて、たぶん簡単じゃない。
だが、望んでいなくても、素敵なことは転がり込んでくるかもしれないのだ P151

・「日本人は礼儀正しい」なんて言われることもあるけど、
いきなり人を怒鳴りつけるような人は他の国より多いと思う。
怒鳴りつける相手はたいてい、目下だと判断した人だ。
サービス業の従業員、若者、女性、外国人(略)
しかし、サービスは提供していても、使用人と主人という関係ではない P160

・言語は、まるで音楽だ。
そのリズムや響きだけがどこか馴染みがあるのに、意味は少しもわからない。
学習すると、少しずつ、音がことばに変わっていく P161

・人が好きだって言う人でも、
他人に優しくできない人もいるし、
自分を好きになってもらうのが好きな人だっているよね P177

・好きなことを仕事にするということは、好きなことの中に痛みや後悔が降り積もることなのだ。
好きなことを、好きなだけではいられないことなのだ P178

・大切なことに気づくのが遅くて、しくじってしまうことなんて、わたしにもある。
きっと性格やものの見方なんて、簡単には変えられない P197

・前の人に言えなくて、悔やんでいるありがとうを、
他の人に言ってみたらどうでしょう P198

・よその土地を訪れるということは、その土地のことが完全に他人事でなくなるということなのだ。
知っている人の話を聞くように耳を傾け、友達のことのように心配する。
住む人とは違うとしても、訪れる前とは確実になにかが変わる。
わたしは旅をすることで、自分がなにも知らないことを教わっている P227