〔よしなしごと)『言葉の宝箱』《かくしごと》

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

よしなしごと〔心配いらない〕

2025-02-21 17:39:01 | 〔よしなしごと〕


国頭村辺土名

 



心を配る

心に配る

自分を配る
相手に配る

今日を
大切に

心を掛ける
心に掛ける

明日に
未来に

心を賭ける
心に賭ける

苛まれて
蝕まれて
力尽きて

心が欠ける
心に欠ける
心を欠ける

心配
いらない

心を配る
心に配る

自分を配る
自分に配る

心配
いらない






額賀澪【せめて自分で自分のことを満更でもないなと思えるように、生きていくしかないんだよ】

2025-02-21 17:30:44 | 額賀澪


『イシイカナコが笑うなら』額賀澪(角川書店2019/3/1)

どの生徒にも慕われ、保護者対策もぬかりなく、同僚にも羨望の眼差しを送られる有能教師の菅野だが、
内心はいつも虚しいものが渦巻いていた。
自分には教師に必要な他人への共感や思い入れが全く存在しないのに
天性の要領の良さだけで周りをたらし込み、日々を凌いでいるのだ。
そんな彼の前にかつての同級生の幽霊、イシイカナコが現れる。
「ねえ、イシイカナコの「人生やり直し事業」に参加しない?」
菅野は17歳の自分が生きる時間軸へと飛ばされたが、菅野本人ではなく、同級生の依田として。
イシイカナコの手違いに怒り狂う菅野(依田)だが、なんとか高校生の自分を説得して進路を変えさせようと試み始める。
同じクラスには生前の石井可奈子がおり、幽霊のカナコには別の思惑があった。
やり直しのきかない人生の生き方を問う物語。
『イシイカナコはやり直す』『塩原雪乃は告白する』『細谷宏一は甘酸っぱい』
『菅野京平は痛感する』『石井加奈子はもういない』『イシイカナコが笑うなら』6話


・大人ってのはな、納得できなくても理解するくらいできるんだよ P30

・言った言わないで揉めるなんて、一番不毛だ P35

・高校受験や大学受験みたいに、自分の置かれた環境をがらりと変えるチャンスが、大人にはない P46

・受験と就職と結婚なんだとさ(略)
何かあったときに振り返る人生の三大後悔ポイント P88

・優しさを振りまいているうちに、いろんなものが限界値まで行っちゃった P135

・自分がなりたかったものに絶対なれないって気づいたとき、
昔の自分を裏切ることになるのが、きっと一番辛いんだろうな。
人生間違ったな、みたいにさ P138

・せめて自分で自分のことを満更でもないなと思えるように、生きていくしかないんだよ P237

・やり直しなんてできないけど、失敗が許されないわけじゃないんだ P245



古内一絵【大人になった途端、魔法はあっけなく解けてしまった。宝ものだと思っていたものは、全部他愛のないガラクタに変わってしまった。大人になればなるほど、簡単には幸せになれなくなっていく】

2025-02-21 06:51:09 | 古内一絵


『キネマトグラフィカ』古内一絵(東京創元社2018/4/27)









『キネマトグラフィカ』古内一絵(東京創元社2018/4/27)

老舗映画会社に新卒入社した"平成元年組"六人の男女が2018年春、地方の映画館で再会する。
今はそれぞれの道を歩む同期の彼らが思い出の映画を鑑賞しながら26年前に起きた"全国フィルムリレー"に思いを馳せる。
映画がフィルムだった頃六人は自分の信じた道をそれぞれ必死に前に進もうとしていた。
フィルムはデジタルに、劇場はシネコンに。四半世紀の間に移り変わる映画の形態。そして映画と共に生きた彼らの人生もまた。
あの頃思い描いていた自分に今なれているだろうか。追憶と希望、働く人の心を熱くするエンターテイメント。


・自分に気のない異性を相手に独り相撲を取る虚しさ P87

・大人になった途端、魔法はあっけなく解けてしまった。
シンデレラの馬車がカボチャに戻ったように、
宝ものだと思っていたものは、全部他愛のないガラクタに変わってしまった(略)
大人になればなるほど、簡単には幸せになれなくなっていく P89

・やっぱり、違う。全然違う。
けれどどこへ行けば、“違わない”ものに出会えるのか、それがさっぱり分からない P90

・やりようがないのではなく、自分にはやれないのだ(略)
社会では、知識以上に、打たれ強さと、ある種の腕っぷしがものをいう。
自分には、それがない P123

・色々なことを棚に上げられるだけ上げて、
それでも最終的には、本当に世俗から切り離されるような生き方はできない P163

・長いものには巻かれればいいし、
強いものには逆らわなければいいし、
相容れないものとは関わらなければいい(略)
本当に好きなのは、優秀な人ではなく、己をおだててくれる人のはずだ。
だったらそこを擽ればいい。
それが一番簡単で有効な、楽して生きていくための方策だ P175

・楽して生きていくなんて、簡単だ。
すべてを建前と冗談で済ませればいい P194

・持ってる人はね、最初からなにも気づかないの。
奪うばかりで、奪われる人の気持ちを知ろうともしないんだよ P255

・昔を懐かしいって思えるのは、今の自分に納得してるからなんだよ P268

・頑張れば、努力さえすれば、決して仕事は裏切らない――。
ずっとそう思ってきたんだけど、どうやら、そうでもないみたい(略)
既得権を固辞し、規律が乱れることを恐れる人たちの多くは、
往々にして自分に馴染みのない新奇なものを嫌う。
だから、少しでも違和感を覚えるものが現れると、分かりやすい名目をさがして人まとめに括ろうとする。
そうしてしまえば、多少は安心してそれを扱えると思うのかもしれない P273

・お手軽で結構。
私は悟ったの。
理想通りのものなんて、この世界にはどこにもないって。
だったら加工して作ればいいじゃん。
そのほうが、違う、違うって、ないものねだりしてるより、精神的にも楽だし P281