彼女は一気ににドライマティーニをのみほすと
ふっ と息を吐き出しながら俺に聞いた。
「いつたつの?」
「半月後」
「そう、じゃぁ、それまでにまた会えるわね。
忙しいでしょうけど、それくらいの時間とってね。
あなたの送別会…歓送会なんだから。」
そう言いながらグラスから手を離し
「今日は悪いけど…明日の朝の会議の資料をまとめなきゃならないから。
忙しいからって、無理しちゃダメよ。」
と、続けて立ち上がった。
ハートブレイクの俺は顔を上げられないまま
「あぁ…」
と、やっと応えた。
うしろで彼女がコートを着る気配がする。
バーテンが突然、俺の前、
バーテンの背後の壁際に並ぶ酒のボトルを
片づけ始めた。
なんとなく顔をあげ、バーテンが目で指し示す
目の前の壁をみると…
開けた壁にかかったパブミラーに映っていたのは
ハンカチで涙をおさえながら
うつむき、足早に店を出ていく彼女の姿だった。
その姿を見たとたん、俺は理解した。
ドライなんてとんでもない。
彼女はいつだって精一杯の意地を張って、
俺に向かっては笑顔を向けながら背中で泣いていたんだ!!
俺は思わずバーテンの顔を見た。
バーテンは「そうですよ」とでも言うように
静かに微笑みながらうなずいた。
「マスター!」
「お代はこの次で。それより早く行っておあげなさい。」
俺はマスターのおだやかな声を背に聞きながら
ポケットの指輪をきつくにぎりしめ
夜の町に飛び出した。
ーーーーーーーーーー終。
空より(あとがきのような…)
意地を張って、素直になれない女性っていますよね。
でも、そんな気持ちをちゃんとくみ取って、わかったうえで
さりげなくフォローできる、
女性のそういうところを可愛く思える。
そんな、スマートな男性になりたいものです。
…鈍感な空には夢のまた夢ですが…
ふっ と息を吐き出しながら俺に聞いた。
「いつたつの?」
「半月後」
「そう、じゃぁ、それまでにまた会えるわね。
忙しいでしょうけど、それくらいの時間とってね。
あなたの送別会…歓送会なんだから。」
そう言いながらグラスから手を離し
「今日は悪いけど…明日の朝の会議の資料をまとめなきゃならないから。
忙しいからって、無理しちゃダメよ。」
と、続けて立ち上がった。
ハートブレイクの俺は顔を上げられないまま
「あぁ…」
と、やっと応えた。
うしろで彼女がコートを着る気配がする。
バーテンが突然、俺の前、
バーテンの背後の壁際に並ぶ酒のボトルを
片づけ始めた。
なんとなく顔をあげ、バーテンが目で指し示す
目の前の壁をみると…
開けた壁にかかったパブミラーに映っていたのは
ハンカチで涙をおさえながら
うつむき、足早に店を出ていく彼女の姿だった。
その姿を見たとたん、俺は理解した。
ドライなんてとんでもない。
彼女はいつだって精一杯の意地を張って、
俺に向かっては笑顔を向けながら背中で泣いていたんだ!!
俺は思わずバーテンの顔を見た。
バーテンは「そうですよ」とでも言うように
静かに微笑みながらうなずいた。
「マスター!」
「お代はこの次で。それより早く行っておあげなさい。」
俺はマスターのおだやかな声を背に聞きながら
ポケットの指輪をきつくにぎりしめ
夜の町に飛び出した。
ーーーーーーーーーー終。
空より(あとがきのような…)
意地を張って、素直になれない女性っていますよね。
でも、そんな気持ちをちゃんとくみ取って、わかったうえで
さりげなくフォローできる、
女性のそういうところを可愛く思える。
そんな、スマートな男性になりたいものです。
…鈍感な空には夢のまた夢ですが…
私も好意があるのに、素直になれない所があるかもしれない。(^^;
あなたはいつも私はいいからって言ってるね。って言われた事がありました。
もっと素直に自分の気持ちをストレートに出さなくちゃって思います。
でも、じーんとくる素敵なお話でしたね。
おもしろかったです。
みさりんさんも素直でないとき、あるんですか。
でも、そういう女性って可愛いと思いますよ(^^)
それに、誰だって意地を張らなきゃやてられない
時だってありますよね。
彼が彼女に追いついて…ハッピーエンド、いや、
ハッピーな二人のスタートがきれたらいいな。って思います。
文を書くのは好きですが上手くないので読みにくかったでしょ?
がまんして読んでくださってありがとうございました。
空さんが、男性とはっきり分かったので、大丈夫ですよ
これからも・・・宜しくお願いします
読ませて頂いて・・・今日は、何だか私もウルウルしてしまいました!
おそらく今の私なら、彼女のように強がって素直になれなかったかも・・・です
夕美は、こんなに凛とした女性じゃないですけど、でもやっぱり”行かないで”って泣けないです・・・。
泣いて縋って、そういうかわいい女性に憧れますが、でも相手の負担になりたくない・・・
きっと彼女もそう思ったはずです
深夜ドラマを見ているような世界・・・
空さんの世界、いいなです。
空の拙い文、読んでくださってありがとうございます。
この話しは…実はleccaの「For You」の一節、
「痛くて 苦しくて 泣いたことないのに
あなたを思うと涙があふれて
本当はさみしいよって 言えるわけないから
笑って?送り出すよ」
を聞きながら思いついたんです。
男性もなかなか、
「別れたくないから 君が必要だから
一緒に来てほしい」
って言い出せないんですよ。
きっと。別れたくない同士なのに…そこですれ違ってしまう。
そんなことってあるのでしょうね。
どっちかが、相手の気持ちに気づけば…でも、
自分の想いでいっぱいいっぱいでそんな余裕がなくって…
このバーテンのように誰かがきっかけをつくってくれればよいのですが…
まぁ、やっぱり女性の気持ちを読むのが男性の役目だと想います。
やっぱ、女性に悲しい思いをさせちゃいけないと想うのです。
気づいて・・・
気づかなかったら・・
1番好きな人とは結ばれず、恋をするたび、心の中で、ずう~と想い続けることになるんですね・・・
そうですよね。バーテンさんに拍手ですね。
相手を思う余りに自分の気持ちをだせずにいた二人。
自分の気持ちだけを自由につらぬいたタコ
さて、どちらがしあわせなのでしょう。
でも、人を思う気持ちは美しいですね。
これで終わりだったのですね・・・
この続きがてっきりあるのかと思って、楽しみしてきたところです。
でも、きっと二人は、言葉もなく抱きあったはずです・・・
どちらかが相手の気持ちに気付いたとしても、
素直になれないとダメですね・・・
ただ素直に泣ければ、思いが伝わるはずなのに・・・
人を愛するって、痛くて、遠いものなのですね
彼女さんとってもかわいいですね
女心むずかしい
こちらはハッピーエンドを予感させる終わり方
になってます。
バーでの一場面って設定なので…
空が彼に言わせるプロポーズ、聞きたかったですか?
このシチュエーションで夕美さんが一番、
聞きたい言葉を想像してください。
彼はきっと、その言葉を言ったと思いますよ。
次回作もバーでの一場面(の予定)です。
期待しないで待っててください。
読んでいただいてありがとうございました。
女心…ホントに謎です。
すごい難問なうえに、ひとによって正解が違うんですから。
でも、きっと、みんなヒントを時々出してくれてるんですよね。
それに、ことごとく気づかない空です。
ごめんなさい(^^;;