山城知佳子  プカリー水辺の物語 ー

  YAMASHIRO Chikako
水面に漂う水草物語

「残傷の音」岩波書店

2009年07月13日 | アート活動速報
『残傷の音』アジア・政治・アートの未来へ
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0230260/top.html


 金曜から東京へ。岩波書店から出版された本「残傷の音」を記念して、また
アジア政治アートの最後の集まりとして、成蹊大学へ行き素敵な方々との再会。

いつも芯から光っているように見える李静和さんが笑顔で迎えてくださった。
abeさんshinnjyouさんがすでに沖縄から到着しててabeさん久しぶりでしたーいつも
高江での活動の情報が聴こえて来ていて、なかなかお会いできなかったので良かった。

DVDを編集したソニさんと今回は一番に会いたかった、大変な編集だったと思うのですが、
素晴らしい批評の言葉をもった映像だとたくさんの方の感想をもらっていたソニさんでした。


 3年間のプロジェクト、「アジア・政治・アート」。ここに来て私は実感したことがある。
沖縄で制作してきた私の作品はアジアという広がりとうねりの中で思索されるべき何モノかを抱え込んでいるのだと
知らしめてくれたのはこのプロジェクトで出会い言葉を尽くして書いて頂いたたくさんの方々だった。
 小さな島の中に閉じこもり、下手すると島特有の共同体に牙を抜かれ死んでいたかもしれない私に
声をかけてくれた。それはまた無意識にも意識的にも私の体が捉えた、土の中から水の中から穴の中から
死者が作品を通り過ぎていったからなんだろう。そうか、私は目に見えない数知れない死者達に抱かれて
生かされてきたんだと、いま素直に思う。
 アジアの空気を吸おうと思った。まだこの身体の隅々に沈殿するもの、この身体が吸い込むべきもの
が広がっていてへたってはいけないんだ。
「残傷の音」が聞こえるように。雑音を消して耳を澄まして。

◇籠を編む 最後まで編まない籠 いつからか編み込まれいつのまにか解けていく籠 形が出来て来てそして最後の欠片を残して魂の入り口 終わらないで続くし形も定まらず流れていく 呼吸ができる籠流れる籠  
(高橋悠治さんが泡盛を飲みながらお話していた) 
 魂の入り口