ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(The Fast and the Furious Tokyo Drift)は、2006年公開のアメリカ映画。ストリート・レースを題材にした映画・ワイルドスピードシリーズの第3作目。
本シリーズは、現在第5作目まで公開されており、現在第6弾が準備中の人気シリーズ。アメリカを舞台にゼロヨンレースを主な題材にとった作品群ですが、第3弾となる本作では日本を舞台にドリフトに焦点をあてた、シリーズ内でも異色の外伝的な内容になってます。また本シリーズは、アメ車や欧州車に混じって、日本車が多く登場することでも有名なシリーズです。
物語は、アメリカの高校生ショーンが、アメリカ本国でのストリート・レース中に事故を起こしてしまい、処分を逃れるために父親の住む日本へとやってきます。そこでドリフトキング“DK”や、DKの相棒ハンらと知り合い、ドリフトというテクニックがあることを知ります。ハンの手ほどきでドリフトを身につけストリート・レースをするショーンですが、そこに同級生のニーラやDKの叔父であるヤクザも絡んできてストーリーは展開していきます。
日本を舞台としていることもあり日本でロケが行われ、小錦や土屋圭一、日本人俳優などもカメオ出演しています。ショーンの友人であるトゥインキーは、バウ・ワウという有名な黒人ラッパー、同級生ニーラはペルー出身の女優さん、ライバル役であるDKやハンには韓国系のアメリカ人俳優、監督のジャスティン・リンは台湾系と、実に国際色豊かな布陣で作られています。
この映画をネタにしたのは、ハンの愛車FD3S RX-7-VeilSide Fortune Modelが、黄色(オレンジ)の車であり、黄色い車が準主役級の活躍をする作品だから。主人公ショーンの愛車は、シボレー・モンテカルロ→(東京に来てからは)赤いCT9A ランサーエボリューションIX→フォード・マスタング(ショーンの父親の車)へと変わっていきます。ライバル・DKの愛車は黒のZ33 フェアレディZ、ニーラの愛車は青のSE3P RX-8と車好きには見ているだけで楽しめる作品になっています。
主人公の車ではないのですが、一番印象的な活躍を見せるのが、黄色(オレンジ)いハンのFD3S RX-7-VeilSide Fortune Modelで、スチール写真でも前面に押し出されています。
元がRX-7とはわからないほどカスタマイズが施されており、ぱっと見欧州のライトウェイトスポーツっぽくてかっこいい。主人公の車でもないのに前面に押し出されているのは、この車が最も画面栄えするからだと思います。
もうひとつの見所が日本(東京)を舞台にしている点。地下駐車場に夜な夜な若者の集まるモーターサロンみたいな空間が出現し、そこで若者たちがパラパラを踊っていたり、そのまま地上までドリフトレースをしたりと、どこの異次元空間ですか?と言いたくなる様なネオ・トーキョーなハリウッド独特のニホンが出現しています。また前半のクライマックスで渋谷の交差点をドリフトで駆け抜けるシーンがあり、これは日本では撮れないためアメリカに日本の路上を再現した上で撮影するなど、アメリカ映画らしくとんでもなくお金がかかってます。
変な日本といえば、強力わかもとのネオン看板が流れるアジア系の混沌とした近未来を描いたブレードランナー(1982)。元ネタのメトロポリスにも歓楽街・吉原"YOSHIWARA"が登場します。
ブレードランナーの監督・リドリー・スコットが現代の大阪を舞台に撮ったブラックレイン(1989)。現代の大阪が、ブレードランナーみたいなスチーム感あふれるサイバー都市に。結局、これは監督の趣味(エイリアンの監督でもある)なんですな。
日本好きのクエンティン・タランティーノが撮ったキル・ビル(2002)。これは、確信犯ですね。サニー千葉と大葉健二(宇宙刑事ギャバン、バトルケニア)がいい味出しています。サニー千葉は、本作TOKYO DRIFTにも出演。
日本を舞台としたドリフトを題材の映画ということで、本物の“DK”ドリキン土屋圭一がドリフトシーンの監修とカメオで出演しています。90年代前半から、この2000年代中盤くらいまでにかけて、このような走り屋と呼ばれる独特のスタイルが人気でした。毎月、話題の新車を集めて筑波でバトルを展開していたベストモータリングも廃刊になったり、オートバックスにも走り用の改造パーツが少なくなってきたりと、段々と縮小してきてますな。
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTやワイルドスピードシリーズにも多大な影響を与えたと思われるイニシャルD。TOKYO DRIFTは、高校生が次々と高級なチューニングカーを乗りつぶすなど、ご都合主義のストーリー展開ですが、この世界観を実写化したものとも言えると思います。
FD3S RX-7-VeilSide Fortune Modelは、本当はオレンジの車ですが、スクリーン上では黄色にも見えます。視聴2回目以降は、ストーリー展開は気にならなくなりますので、CGを使わずすべて実写で行われたカースタントだけに絞れば、かなりよくできたなかなか楽しめる作品だと思います。
ということで黄色い(オレンジ)車の活躍する映画・ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTでした。
参考:Wiki ワイルド・スピードシリーズ、ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT、ジャスティンリン、リドリースコット、メトロポリス、キル・ビルの項、TOKYO DRIFT DVD/音声解説
エイリアン2、マッドマックス2など、スケールが大きくなった2作目が評価が高くなる作品は、確かに多いですね。旧スターウォーズ3部作も、2作目がマニア評価は高いようです。
イニDは、カプチーノが出てきたあたりまでしか読んでませんので、まだ続いていたのかと驚いたり・・・。
2作目は昔 子供と見に行きました・・・
連作ものの映画は数多くありますが 個人的には2作目までが作品的に良いものが多いような・・・
イニシャルDも連載されて20年近くなりますが、そろそろ拓海もハチロクじゃなくインプでのバトルもあってもいいかなって勝手に思ってますけど(笑)