映画やアニメなどのフィクション作品に銃が登場する機会は非常に多く、中でも「グロック」拳銃は世界中で採用している国・組織が多いことや、角ばったスライドや凹凸の少ないデザインのおかげで他の拳銃よりも描きやすいということもあり、いろいろな映画やアニメ作品に頻繁に登場します。
しかし、グロックシリーズには膨大なバリエーションがあり、スクリーンに映ったピストルが「グロック」であることはすぐにわかっても、果たしてグロックのどのモデルなのかを判別することはなかなか大変です。
今回は、数あるグロックシリーズの中でも、基本となるグロック17と、グロック17のコンパクトモデルであるグロック19、さらに小型化されたグロック26の3種類について、これらを一瞬で見分ける方法を紹介します。
■グロック17とグロック19とグロック26を見分ける方法
グロックのスライドのイジェクションポート(排莢口)の位置は、
・グロック17(フルサイズ)はやや後ろ寄り
・グロック19(コンパクト)はほぼ中央
・グロック26(サブコンパクト)は前寄り
になっています。
上から、グロック26、グロック19、グロック17
グロックは口径が同じモデルなら、スライドのブリーチ部分(イジェクションポートよりも後ろ側)の長さはどれも同じで、バレル長(銃身長)だけが違うので、スライド全体から見た時のイジェクションポートの前後位置がそれぞれ違います。
この特徴により、スライド上のイジェクションポートが見えているアングルがあれば、たとえ登場人物が握っていてグリップ部分がはっきりと見えなかったとしても、そのグロックがフルサイズ(グロック17系)かコンパクト(グロック19系)かサブコンパクト(グロック26系)なのかを瞬時に識別できます。
それでは実際に見てみましょう。
まずは実写作品の場合。
『エンド・オブ・ウォッチ』から。イジェクションポートが後ろ寄りにあるので、フルサイズモデル(グロック17、22等)だと分かります。
次にアニメ作品の場合。
『さばげぶっ!』から春日野うららのグロック。
イジェクションポートの位置がかなり前寄りなので、これはグロック26シリーズだと分かります。
こちらは『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』から、暁美ほむらが使用したグロック。
ほむらのグロックがグロック17か、グロック19なのかはほぼ結論が出たと思います。
アニメ作品の場合は、カットによっては作画がブレることがままありますが、実写作品ならばエジェクションポートの位置によって、グリップフレームのサイズを見るまでもなくそのグロックがフルサイズなのか、コンパクト系なのかをほぼ確実に識別することができます。
あとはグロック17とグロック22とか、グロック19とグロック23とか、グロック26とグロック27の違いとか、より大型の45口径のグロック21とか、口径による細かなバリエーションの違いになりますが、実際にアニメとかフィクション作品内で、わざわざ.45口径とか.40口径のモデルなんかを使っているという設定があるならば、おそらくは登場人物自身が「これは.40口径だ」などと説明してくれることでしょう。
ですので、とりあえずは基本型のグロック17と、グロック19およびグロック26の識別ができれば、まずは十分かと思います。
■グロックのその他の識別方法1:グリップのサイズ
グロックの識別法は他にもいろいろあります。
グロックのフルサイズとコンパクト系のモデルでは、スライド・銃身長以外にもグリップフレームのサイズが異なります。
写真で見ると大して差が無いようにも見えますが、握ってみるとサイズが結構違うため、登場人物の手の大きさとの対比で見分ける方法もあります。
たとえば、先にも挙げた『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』の場合、ほむらは劇中でデザートイーグルやH&K P7といった銃も使用していますが、それらを握っている時の手の描写を見る限りでは、ほむらの手は年齢の割にかなり大きめだといえます。
もしもあのくらいの大きさの手の持ち主がグロック19等のコンパクトモデルを握った場合、正面や右横からのアングルでは、グリップ下部やマガジンボトムは掌と指ですっぽり隠れて見えなくなるはずです。
では、フルサイズモデルを握った時の手とグリップの関係はどうなるでしょうか?
これは『アルドノア・ゼロ』から。
先に紹介したイジェクションポートの位置関係から言えば早速ブレが生じていますが、フルサイズのグロックを女性キャラが握った場合、だいたいこのぐらいグリップが手から余るように描写するのが適切なサイズということになります。
■グロックのその他の識別方法2:グリップ下部の切り欠き
グロック17とグロック19等のコンパクト系との識別箇所は、イジェクションポートの位置やサイズの他にもあります。
グロック17とGen2までのグロック19には、グリップ前方下部にマガジンを引っこ抜くための半円状の切り欠きがあります。Gen3(以降)のグロック19にはこの切り欠きはありません。
初期の実銃のグロックはマガジンの外装も樹脂製なので、弾を一杯に詰めるとマガジンも膨らんでしまい、この状態でマガジンキャッチボタンを押してもマガジンが抜け落ちにくくなるため、指で掴んで素早くマガジンを引っ張り出せるように、グリップ下部前側に半円形の切り欠きがあります。
Gen2モデルまではグロック19などのコンパクト系にもこの切り欠きがありましたが、Gen3以降のコンパクト系ではこれがなくなりました。
コンパクト系の短いマガジンではマガジンが膨らんで抜けにくくなることの問題が少ないのと、グリップの短いコンパクト系では、素手で握るとこの切り欠きに小指が挟まって撃つ時に痛いから無くなったとの記述をどこかで読んだ記憶があります。
グロック17(Gen2)
グリップ前部に切り欠きがあります。
グロック19(Gen3)
グリップ前方の切り欠きがありません。
グロック19(Gen2)
グロック19でもGen2までは17と同じく切り欠きがあります。ややこしい。
この切り欠きの有無もGen3以降のコンパクト系を識別するポイントになります。
とは言えアニメの場合だと、フルサイズのグロックのグリップ前側下部にある切り欠きなど、とくに動きのあるシーンでは描かれていないことのほうが多いです。
こちらは『ソードアート・オンラインII Phantom Bullet』からシノンのグロック18C。
これは珍しくグリップ下部の切り欠きがちゃんと描写してある例です。
これはおまけ。『Fate/Zero』から、綺礼に吹っ飛ばされる舞弥のグロック。
この時代にフィンガーチャンネルありのGen3?……ではなくてGen2にラバーグリップ(グリップスリーヴ)を装着したもの。ついでにマガジンバンパー付き。非常に細かく設定され作画されたグロックの例。
以上、グロックを見分けるにはイジェクションポートの位置に注目すると特定が早いというお役立ちネタでした。
しかし、グロックシリーズには膨大なバリエーションがあり、スクリーンに映ったピストルが「グロック」であることはすぐにわかっても、果たしてグロックのどのモデルなのかを判別することはなかなか大変です。
今回は、数あるグロックシリーズの中でも、基本となるグロック17と、グロック17のコンパクトモデルであるグロック19、さらに小型化されたグロック26の3種類について、これらを一瞬で見分ける方法を紹介します。
■グロック17とグロック19とグロック26を見分ける方法
グロックのスライドのイジェクションポート(排莢口)の位置は、
・グロック17(フルサイズ)はやや後ろ寄り
・グロック19(コンパクト)はほぼ中央
・グロック26(サブコンパクト)は前寄り
になっています。
上から、グロック26、グロック19、グロック17
グロックは口径が同じモデルなら、スライドのブリーチ部分(イジェクションポートよりも後ろ側)の長さはどれも同じで、バレル長(銃身長)だけが違うので、スライド全体から見た時のイジェクションポートの前後位置がそれぞれ違います。
この特徴により、スライド上のイジェクションポートが見えているアングルがあれば、たとえ登場人物が握っていてグリップ部分がはっきりと見えなかったとしても、そのグロックがフルサイズ(グロック17系)かコンパクト(グロック19系)かサブコンパクト(グロック26系)なのかを瞬時に識別できます。
それでは実際に見てみましょう。
まずは実写作品の場合。
『エンド・オブ・ウォッチ』から。イジェクションポートが後ろ寄りにあるので、フルサイズモデル(グロック17、22等)だと分かります。
次にアニメ作品の場合。
『さばげぶっ!』から春日野うららのグロック。
イジェクションポートの位置がかなり前寄りなので、これはグロック26シリーズだと分かります。
こちらは『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』から、暁美ほむらが使用したグロック。
ほむらのグロックがグロック17か、グロック19なのかはほぼ結論が出たと思います。
アニメ作品の場合は、カットによっては作画がブレることがままありますが、実写作品ならばエジェクションポートの位置によって、グリップフレームのサイズを見るまでもなくそのグロックがフルサイズなのか、コンパクト系なのかをほぼ確実に識別することができます。
あとはグロック17とグロック22とか、グロック19とグロック23とか、グロック26とグロック27の違いとか、より大型の45口径のグロック21とか、口径による細かなバリエーションの違いになりますが、実際にアニメとかフィクション作品内で、わざわざ.45口径とか.40口径のモデルなんかを使っているという設定があるならば、おそらくは登場人物自身が「これは.40口径だ」などと説明してくれることでしょう。
ですので、とりあえずは基本型のグロック17と、グロック19およびグロック26の識別ができれば、まずは十分かと思います。
■グロックのその他の識別方法1:グリップのサイズ
グロックの識別法は他にもいろいろあります。
グロックのフルサイズとコンパクト系のモデルでは、スライド・銃身長以外にもグリップフレームのサイズが異なります。
写真で見ると大して差が無いようにも見えますが、握ってみるとサイズが結構違うため、登場人物の手の大きさとの対比で見分ける方法もあります。
たとえば、先にも挙げた『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』の場合、ほむらは劇中でデザートイーグルやH&K P7といった銃も使用していますが、それらを握っている時の手の描写を見る限りでは、ほむらの手は年齢の割にかなり大きめだといえます。
もしもあのくらいの大きさの手の持ち主がグロック19等のコンパクトモデルを握った場合、正面や右横からのアングルでは、グリップ下部やマガジンボトムは掌と指ですっぽり隠れて見えなくなるはずです。
では、フルサイズモデルを握った時の手とグリップの関係はどうなるでしょうか?
これは『アルドノア・ゼロ』から。
先に紹介したイジェクションポートの位置関係から言えば早速ブレが生じていますが、フルサイズのグロックを女性キャラが握った場合、だいたいこのぐらいグリップが手から余るように描写するのが適切なサイズということになります。
■グロックのその他の識別方法2:グリップ下部の切り欠き
グロック17とグロック19等のコンパクト系との識別箇所は、イジェクションポートの位置やサイズの他にもあります。
グロック17とGen2までのグロック19には、グリップ前方下部にマガジンを引っこ抜くための半円状の切り欠きがあります。Gen3(以降)のグロック19にはこの切り欠きはありません。
初期の実銃のグロックはマガジンの外装も樹脂製なので、弾を一杯に詰めるとマガジンも膨らんでしまい、この状態でマガジンキャッチボタンを押してもマガジンが抜け落ちにくくなるため、指で掴んで素早くマガジンを引っ張り出せるように、グリップ下部前側に半円形の切り欠きがあります。
Gen2モデルまではグロック19などのコンパクト系にもこの切り欠きがありましたが、Gen3以降のコンパクト系ではこれがなくなりました。
コンパクト系の短いマガジンではマガジンが膨らんで抜けにくくなることの問題が少ないのと、グリップの短いコンパクト系では、素手で握るとこの切り欠きに小指が挟まって撃つ時に痛いから無くなったとの記述をどこかで読んだ記憶があります。
グロック17(Gen2)
グリップ前部に切り欠きがあります。
グロック19(Gen3)
グリップ前方の切り欠きがありません。
グロック19(Gen2)
グロック19でもGen2までは17と同じく切り欠きがあります。ややこしい。
この切り欠きの有無もGen3以降のコンパクト系を識別するポイントになります。
とは言えアニメの場合だと、フルサイズのグロックのグリップ前側下部にある切り欠きなど、とくに動きのあるシーンでは描かれていないことのほうが多いです。
こちらは『ソードアート・オンラインII Phantom Bullet』からシノンのグロック18C。
これは珍しくグリップ下部の切り欠きがちゃんと描写してある例です。
これはおまけ。『Fate/Zero』から、綺礼に吹っ飛ばされる舞弥のグロック。
この時代にフィンガーチャンネルありのGen3?……ではなくてGen2にラバーグリップ(グリップスリーヴ)を装着したもの。ついでにマガジンバンパー付き。非常に細かく設定され作画されたグロックの例。
以上、グロックを見分けるにはイジェクションポートの位置に注目すると特定が早いというお役立ちネタでした。
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やはり詳しい方が関わっていたからこそのあの描写だったんですね。
あの方の銃器の知識は恐るべきところがあるので、切り欠きが描写されていたとしてもなんら珍しいとは思いませんねwむしろあの方が監修なら当然であろうという考えです。
ただ、シーンによってはコンパクト系に見えるカットもありますね。