スポイチ編集長日誌

最近はGTAオンラインの攻略ばっかりです。
日付そのままで修正・追記したりします。

例の「ヤバい本(校正的な意味で)」についての考察

2013年05月01日 | 社会
これは……氷山の一角ッ!!(えー)

同僚が買った本がヤバい(校正的な意味で)

校正的な意味でヤバい本の名前を調べてみた

学研ムック「自然農法で野菜づくり」の中身がかなりヤバかったので販売中止へ

これ、なんでそうなるの?ってレベルの表記間違いの多い商業出版物が「発見」されたというネタなのだが、コメントなどでみんなが思ってる「なぜ?」という部分の疑問の答えを推測してみる。
まあ、数日内に版元が自分で説明するかもだが。


●校正者は一体何やってたの?校正ケチったの?
ケチったというか、たぶん、最初から校正者(校正だけを専門にする人)が居なかったのかと。当然、査読もしてない。
理由は、予算削減・制作期間短縮・再販制度あたりがヒント。さらに該当の本は雑誌記事をまとめ直したムック本なので「著者」も居なかったのがさらに致命的だったと思われる。


●編プロ丸投げだったの?
その可能性はある。さらに、編プロと版元の編集部がお互いに「校正はそっちでやってるかと思ってた」という可能性もある。


●校了分と作成中のデータを取り違えて印刷した?
たぶんそれはない。だったらゲラ刷りの時点で修正してる。


●これって初校レベルだよね?
初校なら「もっと」ひどいはず。


●印刷所は印刷時に中身見てないの?
技術的な問題(CMYKとか、ノドの幅とか)ならともかく、普通は内容までは見ません。というか、編集側がよこしたゲラと同じに出力するのが仕事なので、「ゲラ通り」であれば直さない。
というか、版元が印刷所に対して、本の内容のミスについて「なんで気づいてくれなかったんですか~」などと言うのは恥ずかしい。


●出版元は刊行後に気づいてなかったの?
予算とスケジュールに追われて「出した本より次の本」で、気づいてなかったか、いくつかは把握していたが「増刷時に直せばいいや」と思っていたかも。もっとも、あのレベルなので出版元に直接クレームを入れた読者が何人か居てもおかしくない。一応、一部は2刷で直ってるっぽい。


●この本だけが特別に酷いの?
たぶんみんなが気づいてないか、スルーされてるだけで他にもあるはず。
「書評 誤字脱字」とか、「Amazon レビュー 誤字脱字」とかで検索すればいっぱい出て来る予感……。


●これ医療系の本だったら人死ぬね!
その通り。医療とか試験関係は内容にミスがあると、間違った記述を信じて人が死んだり試験に落ちたりするおそれがあるからマジでやばい。


●表記の混在っていけないことなの?
「()」と「()」や、「…」と「‥」の不統一とか、数字やアルファベットの縦中横の混在とかは、普通の人はあんまり気にしないかも。


●ここに文章が入りますここに文章が入ります……はないだろ!?
ダミーテキストは「読めちゃう文章」だと結構気づきにくい。大量の写植記号(マンガの宇宙人のセリフとかで使うアレ)とかにしておくと割と目立つので、そのまま印刷まで行っちゃう事は少なくなる…はず。


とはいえ、今回の誤植は酷いといっても、扱ってる内容の間違いよりも単純な誤字脱字が中心なのが救いですかね。いややっぱりだめですけど。

「電子出版は編集を中抜きできるからマンセー!」みたいな意見をよく見かけますが、編集も校正も居なければ、本なんて簡単にこのレベルになります。
でも実はこれが近未来の出版物の標準レベルだったりして……。(((( ;゜Д゜))))ガタガタブルブル



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日本エディタースクール出版部


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