今話題の、というか前回の第一次安倍内閣時代からまたもやゾンビのように復活してきた残業代ゼロ法案、いわゆるホワイトカラーエグゼンプションですが、実は俺、実際に残業代ゼロ制度が導入された職場で働いてたことがあります。
と言っても、ブラック企業でよくありがちな「会社がしらばっくれて残業代を払わなかった」わけではなく、一応「裁量労働制度」の職種だったからです。今導入が画策されている「ホワイトカラーエグゼンプション」に近い形で働いていたと言えます。
で、皆さんが最も知りたいであろう、「残業代ゼロになると早く帰れるのか?」という質問につきましては、はっきりと自信を持って「帰れません!」と言うことが出来ます。
ホワイトカラーエグゼンプションとは何か?といえば、つまりは「サラリーマンのパケホーダイ化(サラリーマンの定額労働制)」です。
ケータイのパケホーダイと同様に、「どうせ定額なら、社員を長時間たくさん使わなきゃ損!」という意識が上司や経営陣に出てくるので、いずれ必ず長時間サビ残無間地獄となります。
なにしろ、「時間ごとに割増賃金(残業代)を払う必要が無くなる」ことによって、経営者・管理職に社員を早く帰らせるインセンティブが存在しなくなるので、どうせタダなら使わにゃ損損とばかりに、社員には長時間残業を強いることになるわけです。
もともとの企業風土として、「仕事は結果がすべて!長時間ダラダラ会社に居残って仕事している奴は無能!」というコンセンサスがあるような職場ならば別にいいのでしょうが、中途半端に旧来の年功序列や団塊的な価値観(会社は家族、部下が上司より先に帰るのは失礼、長時間会社に居残って残業する奴が偉い、……等)が残っているような古い体質の企業が、形だけ残業代ゼロ制度(ホワイトカラーエグゼンプション)を導入すると、悲惨なことになります。
朝早く出社して、夜遅くまで(たとえ自分の作業が何もなかったとしても)会社に残って残業している(残業のフリも含む)ヤツが偉いのだ、という価値観から脱却できていない経営者や上司のいる会社では、いろいろとおかしなことが起きてきます。
単に仕事が遅いために、仕方なく朝早く来て夜も遅くまで会社に残っているような社員が、経営者や上司からは「よくがんばっている」などと評価される一方、仕事をぱっぱと早く片付けて定時に帰るデキル社員が「やる気が無い」「他人への思いやりが無い」などとこきおろされる。
もちろん、いくら長時間残業しても残業代はゼロなのですから、この「よくがんばっている」は、早く帰る社員へのあてつけです。
立場の弱い若手社員は、仕事を早く片付けても、他のメンバーの仕事が遅れている分や翌日以降の仕事が回される、単なる雑用を押し付けられるなど、どうせ早く仕事を終わらせても早く帰れないことが分かっているので、日が出ている間は(定時の間は)ダラダラ仕事をして、残業時間になってから(終電に間に合うように)本気出して仕事をするようになります。
会社の外に居場所のない社員(主に高齢管理職)が、部下や若手社員を道連れにいつまでも会社に居残ってサビ残しているという構図になる。
もちろん、そんな空気なんかものともせずに、一応は存在する終業時間が来ると、とっとと帰る人もいましたが、そういう人は下手な管理職よりも実績を上げているにもかかわらず、最低の評価のままで昇進しないまま、さっさと転職していきました。当然だよね。
早く帰ればサボリ・手抜き扱い、「冷たいやつ」「出来ない奴」の評価。いくら夜遅くまで残業しても給料は完全に定額……。
何も感じていなさそうなのは、年功序列に乗ったおかげで既にそこそこの地位と給与を手に入れており、かつ家に居場所のないバブル新卒組以上の世代だけ……。
当然ながら、職場にはどんよりとした退廃的な空気が漂っておりました。
こんな会社では、「デキル人からさっさと転職」「若者は30秒フラットで即、逃げろ」ということになりますので、もしかしたらホワイトカラーエグゼンプションを導入しちゃうのも企業をぶっ壊すことにつながるのでいいことなのかもしれません。
もちろん俺も逃げました。ティヒヒ。
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と言っても、ブラック企業でよくありがちな「会社がしらばっくれて残業代を払わなかった」わけではなく、一応「裁量労働制度」の職種だったからです。今導入が画策されている「ホワイトカラーエグゼンプション」に近い形で働いていたと言えます。
で、皆さんが最も知りたいであろう、「残業代ゼロになると早く帰れるのか?」という質問につきましては、はっきりと自信を持って「帰れません!」と言うことが出来ます。
ホワイトカラーエグゼンプションとは何か?といえば、つまりは「サラリーマンのパケホーダイ化(サラリーマンの定額労働制)」です。
ケータイのパケホーダイと同様に、「どうせ定額なら、社員を長時間たくさん使わなきゃ損!」という意識が上司や経営陣に出てくるので、いずれ必ず長時間サビ残無間地獄となります。
なにしろ、「時間ごとに割増賃金(残業代)を払う必要が無くなる」ことによって、経営者・管理職に社員を早く帰らせるインセンティブが存在しなくなるので、どうせタダなら使わにゃ損損とばかりに、社員には長時間残業を強いることになるわけです。
もともとの企業風土として、「仕事は結果がすべて!長時間ダラダラ会社に居残って仕事している奴は無能!」というコンセンサスがあるような職場ならば別にいいのでしょうが、中途半端に旧来の年功序列や団塊的な価値観(会社は家族、部下が上司より先に帰るのは失礼、長時間会社に居残って残業する奴が偉い、……等)が残っているような古い体質の企業が、形だけ残業代ゼロ制度(ホワイトカラーエグゼンプション)を導入すると、悲惨なことになります。
朝早く出社して、夜遅くまで(たとえ自分の作業が何もなかったとしても)会社に残って残業している(残業のフリも含む)ヤツが偉いのだ、という価値観から脱却できていない経営者や上司のいる会社では、いろいろとおかしなことが起きてきます。
単に仕事が遅いために、仕方なく朝早く来て夜も遅くまで会社に残っているような社員が、経営者や上司からは「よくがんばっている」などと評価される一方、仕事をぱっぱと早く片付けて定時に帰るデキル社員が「やる気が無い」「他人への思いやりが無い」などとこきおろされる。
もちろん、いくら長時間残業しても残業代はゼロなのですから、この「よくがんばっている」は、早く帰る社員へのあてつけです。
立場の弱い若手社員は、仕事を早く片付けても、他のメンバーの仕事が遅れている分や翌日以降の仕事が回される、単なる雑用を押し付けられるなど、どうせ早く仕事を終わらせても早く帰れないことが分かっているので、日が出ている間は(定時の間は)ダラダラ仕事をして、残業時間になってから(終電に間に合うように)本気出して仕事をするようになります。
会社の外に居場所のない社員(主に高齢管理職)が、部下や若手社員を道連れにいつまでも会社に居残ってサビ残しているという構図になる。
もちろん、そんな空気なんかものともせずに、一応は存在する終業時間が来ると、とっとと帰る人もいましたが、そういう人は下手な管理職よりも実績を上げているにもかかわらず、最低の評価のままで昇進しないまま、さっさと転職していきました。当然だよね。
早く帰ればサボリ・手抜き扱い、「冷たいやつ」「出来ない奴」の評価。いくら夜遅くまで残業しても給料は完全に定額……。
何も感じていなさそうなのは、年功序列に乗ったおかげで既にそこそこの地位と給与を手に入れており、かつ家に居場所のないバブル新卒組以上の世代だけ……。
当然ながら、職場にはどんよりとした退廃的な空気が漂っておりました。
こんな会社では、「デキル人からさっさと転職」「若者は30秒フラットで即、逃げろ」ということになりますので、もしかしたらホワイトカラーエグゼンプションを導入しちゃうのも企業をぶっ壊すことにつながるのでいいことなのかもしれません。
もちろん俺も逃げました。ティヒヒ。
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