スポイチ編集長日誌

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「正社員化」を進める企業の狙いとは

2014年04月24日 | 社会
近ごろ、従業員を数年で使い捨てにすることに対して批判されてきた一部のブラック企業の間で「労働者の正社員化」を表明する動きがある。

だが、これもまたブラックの経営者的な視点に立てば自然な流れである。

なぜなら、今や少子化で若年労働者の供給は無尽蔵ではない上、移民受け入れ政策も遅々として進まず、また学生を採用選考研修過程を経て戦力化するにしても、やはりそれなりの時間とコストがかかるからだ。

そこで、「2、3年で使い捨てる」よりも、今後は「5~10年程度のスパンで使い捨てる」方向にシフトしたほうが合理的、ということになってくる。

ところが、ブラックな環境ではまともな労働者は数年も待たずに逃げ出してしまうため、「5年以上も居てもらう」ためには、何らかの幻想(ファンタジー)を労働者に見せておくことは必須となる。

これまでは、「夢」や「やりがい」という言葉で、まさに若者に夢を見させてきたわけだが(いわゆる「やりがい搾取」)、そろそろこのレトリックも通用しなくなってきた。

そこで、「夢」や「やりがい」に代わって持ち出されてきたのが、「正社員化」という名での「身分や将来の保証」という空手形や、「頑張れば報われる」というストーリーだ。

このタイミングでまたぞろホワイトカラーエグゼンプション(WE)導入計画、つまりサラリーマンのパケホーダイ化プランが復活してきたのも、正社員化によるコスト増を抑えるためには必須のものだからだ。

前回(第一次安倍政権)の時と同じく、またまた一部の「経済学者」や「人材コンサルタント」らの有象無象が、「WEが適用されるのは年収1000万以上の人だけ。普通の人には関係ない!」とまくしたてているようだが、「まずは普通の層が反対しなさそうな先っちょだけ挿れたら、後は法改正改正改正!の連打でいつの間にやらズッコンバッコン」というのはいつものやりかたである。
変化の早いこの時代にもかかわらず、経済学者や人材コンサルの言うことが十年一日って、あのひとたち、まるで成長していない…。

どうせ、労働者パケホーダイ化プランの次には、批判を受けて「一家団らん法」と言い換えたり、またまた懲りずに「サビ早出強制制度」としての「サマータイム導入」をゾンビのように持ち出してくるのだろう。


もっとも、極度のブラック企業以外であれば、ある程度は大切にされる新卒処女以外の、中途採用市場における労働環境は、多くの場合、既にとっくの昔にこのようになっており、「辞めざるを得なくなる前に、いかに多くのモノ(ノウハウ、人脈、取引先、機材等)を会社からかっぱらっておくか」が重要である。

もしも、その会社が労働者の健康・金・時間・将来を奪うことのみに経営努力を傾注しており、逆に労働者が会社から奪えるものが何も無いのであれば、10日ですらそこに居るのは長すぎる、ということになる。



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