プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

未完の作

2006-05-21 | プロコフィエフ短編
『誤解さまざま』の翻訳が終わり、日本滞在中に書いた最後の一作『許しがたい情熱』をこれから訳し始めるところです。この小説は「彼は言った…………」で終わっており、生前ついに完成することのなかった未完の作。プロコフィエフがどんな結末を用意していたのか、興味深いところです。

ところで、ロシア文学ご専門のN先生に翻訳済みの『ひきがえる』『彷徨える塔』を読んでいただいたところ、翻訳には及第点をいただけたのですが、「話の意味がよくわからない。何が言いたいのか??」とのご反応だったそう。

そうなのです! ことに『ひきがえる』はシュールでわかりづらいお話。ほかの作品にしても、大団円では終わらず、登場人物の落ち着き先がわからずじまいで、読者は「ん?」と放り出されるような一種独特の余韻があるのです。おまけに今回は未完の作とあっては、ゴールが見えず、またまた翻訳に手こずりそうです!
コメント (2)
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