プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

鳳山丸

1918-05-30 | 日本滞在記
1918年5月30日(旧暦17日)

 よく眠れなかった。船室が狭いからだ。なにしろ四人部屋にプラス子供二人鳳山丸は2340トン、速度12ノット。海は穏やかで、霧が深い。オホーツク海からの冷たい海流が、黒潮の暖流と交わり、そこから蒸気がたちのぼっているのだ。そのため気温が一日のうちに、冷涼から温暖へと瞬く間に変わった。夕方にかけての変化は素晴らしかった。暖かく、上天気になった。暖かい海に入ったのだ。

 気分がよく、夢見るようだ。夜は物語の結末を考え、星を眺めた。

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