「ＴＨＥ 有頂天ホテル」の話

映画「ＴＨＥ　有頂天ホテル」をＴＶで観ました。
ＤＶＤ発売時に購入しようとも思ったのですが、他に欲しいＤＶＤタイトルが同時期に数本発売されていたので諦めた作品なのです。


THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション TDV-16175D


あらすじ
大晦日、ホテルアバンティでは１年を締めくくるカウントダウンパーティを控え副支配人・新堂（役所広司）をはじめとするホテルマン一同様々なお客が起こすトラブルに振り回されていた。
マスコミに追われる国会議員・武藤田（佐藤浩市）、その元愛人で客室係のハナ（松たか子）、夢だったミュージシャンの道を諦めたベルボーイの憲二（香取慎吾）、大物演歌歌手の徳川（西田敏行）、新堂の元妻・由美（原田美枝子）ら、宿泊客・従業員が入り乱れて年は明けていく。

「ラジオの時間」「みんなのいえ」の三谷幸喜監督・脚本作品です。
まあ、たくさんの役者を使っています。
上記以外にも、浅野和之、麻生久美子、石井正則、伊藤四朗、オダギリジョー、梶原善、角野卓造、川平慈英、唐沢寿明、近藤芳正、篠原涼子、津川雅彦、寺島進、戸田恵子、生瀬勝久、堀内敬子、ＹＯＵ、と豪華キャストです。
存在感のある役者さんを揃えたかなという感じがします。
舞台をホテル内に持ってくる事でロケを失くし、その分俳優にお金を使えたのかな？

「ラジオの時間」「みんなのいえ」も観ましたが、三谷幸喜作品はどうも面白い寸前という感じがあって、個人的には今一歩ですかね。
感想としては、話が複雑に絡み合っている分、多少無理やりだなと思う所はありましたが最後まで楽しく観れました。
ただ三谷監督映画作品の中では一番面白かったかな。
個人的に好きな所は、逃げ出したアヒル絡みの一連のシーンです！

評価７０点：

・「ＴＨＥ　有頂天ホテル」公式サイト


ラヂオの時間 TDV-2581D



みんなのいえ TDV-2634D

「恋に唄えば♪」の話

映画「恋に唄えば♪」は以前から見たいなとは思っていたのですが、当たり外れがありそうだったのでＴＶ放映されるまで待っていました。


恋に唄えば DSZS-7010

あらすじ
人生で最高の日々を送っていたユミ（優香）は、ある日最愛の恋人・サトル（玉山鉄二）から別れを告げられてしまう。
人生最悪の奈落の底にまで落ち込んだ由美は、ある日一つだけ願いを叶えてくれると言う大きな壺から出てきた壺男（竹中直人）と出会う。
ユミは壺男を伴ってオーストラリアへとサトルの後を追い旅立つ。

監督が金子修介氏だったとは思わなかった。
出来が良いのはそのせいかも知れないなんて思いながら、ミュージカルかよと少し突っ込みを入れてたりして…。

感想は、主演の優香が可愛かった！
竹中直人が面白かった！
長老役の古田新太の踊りが妙にキレていてめだった！

ミュージカルと聞くと何か歌や踊りのシーンが邪魔くさいというイメージを持ちますが、この映画に限っては適度に入っていて問題は無いかな？
素直にコメディーとラブストーリーを楽しめた良作ですね！

評価８０点：

・「恋に唄えば♪」東映公式サイト

「ドッペルゲンガー」の話

地上波で放映、録画されていたのを見ました。これは、ホラー？サスペンス？何？


ドッペルゲンガー ASBY-2458


あらすじ
メディカルサイテック社の研究者・早崎道夫（役所広司）は体が不自由な障害者や高齢者の為の人工人体の製作に生き詰まっていた。前の大ヒット作・血圧計から１０年、周囲からの期待と催促がプレッシャーとなりストレスを貯めこんでいた。
そんなある日、助手の高野（佐藤仁美）から友人の永井由佳（永作博美）の弟の話を聞く。その弟はドッペルゲンガーを見た為に死んだのだと。
その時は興味の無かった早崎だったが、ある日自分がドッペルゲンガーを見てしまう。

監督は「回路 Pulse」「アカルイミライ」の黒澤清。

主人公のエリート研究者・早崎道夫を役所広司。
弟のドッペルゲンガーに悩まされる女性・永井由佳に永作博美。
ドッペルゲンガーの連れて来た男・君島をユースケ・サンタマリア。
その他、助手の高野に佐藤仁美、同じく助手の青木に戸田昌宏、友人でよき理解者である部長の村上に柄本明らが出演。

ホラーっぽいが、サスペンスなのかな？先の読めないストーリー。こんな方向に向うとは観る前は思いませんでした。
作品中で自分のドッペルゲンガーを見たものは死ぬと言っている割に全然死なない主人公。
しまいにはドッペルくんが一緒に研究を背後から手伝ってくれたりして。
研究者らしく神経質で真面目な早崎と違って、ドッペル早崎は言葉巧みに女性を口説き、眉一つ動かさず人を殺すような男です。

ネタバレ
不思議と面白かったのがドッペルゲンガーが死んでも死体が残る事。消えないんだという感じは斬新に思えました。由佳の弟のドッペルゲンガーの死体が出てきたら混乱するだろうなと、それでも死体が出てくることはありませんでしたが…。
最後に現れた傷だらけの早崎が、果たして本体かドッペルかと思っていたのですが、どうも合体作のようですね。
研究成果も金も捨て、全てから解放された早崎と由佳がいったい何処へ向うのか、それで終わる所が渋いですね！

評価（６０点）：


楳図かずお恐怖劇場「蟲たちの家」「絶食」 DA-756



アカルイミライ 通常版 ZMBZ-1539



カリスマ KIBF-55



大いなる幻影 BWD-1257



ドレミファ娘の血は騒ぐ PIBD-7072



地獄の警備員 PIBD-7073

「船を降りたら彼女の島」の話

以前から観てはみたかったのですが、ソフトを買ったり、レンタルしたりするほどではなかったんです。ＮＨＫ-ＢＳで放送されていたのを録画、このほどやっとこさ観ました。

船を降りたら彼女の島 TDV-2745D

あらすじ
海辺の廃校となった小学校を改築し民宿を営んでいる元教師の周三とその妻・泰子。
娘の久里子は、２年ぶりに故郷の「瀬戸島」に帰ってきた。
突然の帰郷に、娘に東京で何かあったのではと心配するが口には出せない父親。
両親に結婚を決めた事を言えない娘。
上京する前の自分の荷物をしていた久里子は、鶴姫の鈴を見つけ幼い日の初恋の事や祖母と行った三つ首の祠の事を思い出す。
瀬戸内を舞台に九里子の思い出探しが始まります。

監督は「がんばっていきまっしょい」「群青の夜の羽毛布」「解夏」「雨鱒の川」の磯村一路。
押尾コータローが音楽を担当しており、映画の中での独特の世界観を醸し出しています。
原案となったサキヒトミさんの漫画「カントリーパラダイス」は、公式サイトで読むことができます。（下のリンク参照）

主人公の河野久里子に木村佳乃、父・周三をベテラン大杉漣、母・泰子を大谷直子が好演。
その他に九里子の幼馴染み・健太役で照英、兄・創平を佐々木蔵之介、高校の同級生・美香を小山田サユリ、等が出演しています。

基本的にアルタミラピクチャーズの作品が好きなので磯村監督の上記の代表作も全てＤＶＤソフトを持っています。
しかしながら「群青の夜の羽毛布」が良くなかった事もあってこの作品は購入を控えていました。
いかにも地味な内容ですし…。

以下、ネタバレ含みます。
感想は、どこか昔ながらの日本映画を引きずっているかなと。
鶴姫、初恋、三つ首、両親への結婚決意表明という４つのテーマから成り立っています。
このうち三つ首はどうしてか解明されませんでしたね。
最初、カットされたのかなとも思ったのですが、どうも本当に無かったようです。
九里子の思い違いなのか、本当にあったのか気にはなりましたね。

幼馴染みで九里子に気のある健太は可哀想ですね。
はなからその気が無い事を九里子が言わないものだから、結局良いように使われて、自分の立場に置き換えてみると受けなくて良い心の傷を深く負ったように思います。
そういう意味では九里子は嫌な奴ですね！

終盤の婚約者の登場の必要性については多くの方が疑問を持っているでしょうね。
海の見える丘の上に建っていた自宅が好きだった九里子。
そこに現れた婚約者は、九里子の性格形成の説明をさせる為か、あるいは九里子の代弁者として父・周三と話させたかったのか。
私は最初は一人で帰ってきた九里子が島を出る時には、婚約者と２人で旅立って行く、別れのシーンを演出したかったのかなと思います。
島を出る時は、もう私の島では無い、そんな事を言いたかったのかなと。
健太の漁船が互いに気付かずに九里子の乗った船とすれ違うのが、もう別々の道へ走り出したのだと表わしていたのではないでしょうか？

・アルタミラピクチャーズ・船を降りたら彼女の島公式ＨＰ

評価（５０点）：

雨鱒の川ファースト・ラブ スペシャル・コレクターズ・エディション PPF-111135



解夏 TDV-2865D



群青の夜の羽毛布 PCBE-50521



がんばっていきまっしょい コレクターズ・エディション PCBG-50806



目を閉じて抱いて ニュープリント・デジタルニューマスター版 TBD-1087

「容疑者 室井慎次」の話

「踊る」のスピンオフ映画第２段です。
過去の映画に比べると非常に評判が悪かった作品でもあります。
理由は簡単で、アクションがない、笑いが少ない、話の展開が遅い、主役が室井という事でセリフすら少ない、こんな所でしょう。
しかし、最初から分かって観ていればそれなりには楽しめる作品だとは思います。


容疑者 室井慎次 スタンダード・エディション PCBC-50931


あらすじ
室井慎次（柳葉敏郎）が本部長を務める殺人事件の取調べ中に、被疑者の警官・上村誠一郎は逃亡し車にひかれ死亡してしまう。
刑事告訴・逮捕された室井の弁護を受け持つ事になったのは新米弁護士・小原久美子（田中麗奈）。
東京地方検察庁の検事・窪園行雄（佐野史郎）や灰島法律事務所の弁護士・灰島秀樹（八嶋智人）が正義の名の下、室井を追いつめて行く。

色気が無い映画ですね。
女性の登場人物は、室井の弁護士・小原久美子役の田中麗奈がメインで、管理官・沖田仁美役の真矢みき、あとはMOVIE1でも出演していた桜井杏子役の木内晶子くらいです。
深津か水野がせめて出ていれば良かったのにねぇ。

見所はいくつかありますが、まずは新宿の通りを再現したセットですね。
映画を楽しむ為に予備知識をなるべく得ないで観たので、それがセットだと気が付きませんでした。どうやって撮ったんだろうなと…。
行った事がある人なら良く出来ているのが分かると思います。
それから「踊る」ファンとして嬉しいのが、いままで語られなかった室井の過去が明らかになる事です。
なぜいつも苦虫を噛み潰したような表情をしているのかとか…冗談です！でも室井の性格が作られた一端が語られています。
柳葉と哀川翔（刑事課強行犯係・工藤敬一役）の絡みの部分も楽しいですね。
やはり役者として互いに勝負している部分はあるのでしょう。
そして何より、スリーアミーゴスとの戦い。
スリーアミーゴスのアドリブ攻撃に笑いを必死でこらえているギバちゃんが最大の見所かも！

特典ディスクで亀山＆君塚＆柳葉が対談で語っていた内容は少し面白かったですね。
一部を要約すると、青島の次に決まったキャラクターは、いかりやさんで、青島を白人にすると黒人役のお爺さんのバディが良いねという事で決まった。
その後、室井は最初は堅物の官僚の敵役として設定された。が、最初は青島のやり方に反発するも、やがて理解するようになる役になってしまった。
バリバリの官僚が一番似合わないけど年齢的に一番良い役者という事で柳葉に白羽の矢が立った。
柳葉は当初から室井という役にストレスに近い物を感じていてテレビ版２話目位に亀山に殉職させてくれと申し出ていた。（笑いも無い、動きも無い部分がストレスだったのでしょうか？）
とりあえず出来上がった物を見てくれと言われ、３話目位までのＶＴＲを見て本人は納得した。
辞めたいと思っていたというのが面白いですね。かつて柳葉はとあるドラマで台本の出来の悪さに降板したとの話（真偽は分からないが）を聞いた事があるが、この時も確か死んでたような…。

まとめると、この映画で本当に嫌な奴として描かれている灰島がスピンオフになる「踊る」は凄いなと思いますね！（何じゃそりゃ！）

評価（７０点）：

スピンオフはもう良いからさ、本編やってくれよ！
やっぱり織田裕二とギバちゃん仲悪いってのは本当なのかな？


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「ＡＬＷＡＹＳ 三丁目の夕日」の話

第２９回日本アカデミー賞１２部門で最優秀賞を受賞した作品です。


ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 VPBT-15325

あらすじ
昭和３３年、東京タワーが建設される中、東京の下町夕日町三丁目には明日を夢見る人々が暮らしていた。
鈴木則文（堤真一）が経営する鈴木オートに集団就職で上京した星野六子（堀北真希）は、想像していたのとは違う小さな自動車修理工場に落胆していた。
一方で鈴木オートの向かいにある駄菓子屋を営みながら売れない小説を書いている芥川竜之介（吉岡秀隆）は、飲み屋の美人おかみ石崎ヒロミ（小雪）から身寄りのない少年・古雪淳之介（須賀健太）を押し付けられてしまう。
そんなある日、鈴木則文の家にテレビがやってきた。

原作は西岸良介のコミック「三丁目の夕日」。
監督は「ジュブナイル Juvenile」「リターナ Returner」の山崎貴。この作品では脚本・ＶＦＸも担当。

日本アカデミー賞・総なめにしただけあってとても完成度の高い作品です。
一番の観るべき所はその素晴らしい世界観を醸し出しているＶＦＸですね。
昭和３３年の東京を忠実に再現したであろうそのＶＦＸに年配の方達も魅入られたと思います。
とにかくＶＦＸと実写の継ぎ目が分からないんです。
東京タワー、機関車、電柱や高いビルの無い広い道幅の町並み等々とても良く作られています。
またそれだけでなくセットや小道具も見事に再現していますね。
こだわりの高さが評価に繋がる一因だと思います。

役者の演技も素晴らしいものでした。
ベテランから若手・子役まで、そつの無い演技をこなしています。
堤真一が昔は確かにいた豪快な親父さんを演じています。どこか可笑しくて、どこかホッとするそんな親父さん。この人はこんな役出来たんだという印象！
妻・トモエ役の薬師丸ひろ子は、身勝手な旦那に振り回されながらも家族を愛する芯のある昔のお母さんを作り上げています。
子供のような性格の竜之介を演じているのが吉岡秀隆です。彼は自分の方に役を引き寄せるのが上手いですね。
芥川が惚れる飲み屋の美人おかみ・ヒロミは、影の部分を持つ難しい役だと思います。演じているのは小雪。
彼女だけが残念ながら最優秀主演女優を受賞出来ませんでした。ですが、選定委員が若い人だったらどうなったか分からないと思います。
集団就職で田舎から出てくる女の子・六子役の堀北真希です。正直アイドルの感じは受けませんでした。彼女無くしてこの映画は成り立っていませんね。
子役の２人。鈴木一平役の小清水一揮（「いま、会いにいきます」「神はサイコロを振らない」）と古雪淳之介役の須賀健太（「雨鱒の川」「人にやさしく」「喰いタン」）がまた上手くて。最近の子役は末恐ろしい物があります！
何か褒めちぎっていますが、素晴らしい作品と言う事でしょう！

この映画のキャッチコピー。
『携帯もパソコンもＴＶもなかったのに、どうしてあんなに楽しかったのだろう。』
答えは現代には薄れてしまった下町の人情や未来への夢や、そして物語がそこにあったからなのではないでしょうか！？
どこか懐かしい世界に連れて行ってくれる家族で見られる映画です！

評価（８０点）：

「亀は意外と速く泳ぐ」の話

く・くだんねーす！
それはかつてテレ朝系で放送されていた「時効警察」を初めて見た時と同じ感想なのです！
何故なら監督が三木聡さんだからです！


亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 GNBD-1124


あらすじ
単身海外赴任中の夫が残していったペットの亀と毎日がごく普通の生活を送る片倉スズメ（上野樹里）は、ある日スパイ募集の張り紙に気付く。
超強力幼馴染みのクジャク（蒼井優）に振り回されながらも立派な某国のスパイとなるべく奮闘する？

主役を演じるのは今ブレイク中といっても華厳の滝でもない過言でもない上野樹里です。主婦（片倉スズメ）役です！
「スウィングガールズ」で女子高生やってて、いきなりです！
「ジョゼと虎と魚たち」で女子大生やってた時もビックリしたが、仕事を選ばない所は素晴らしいと思います！
幼馴染みのクジャクを演じているのが、こちらも旬の実力派若手女優・蒼井優です。
妙な魅力を持つ役者さんですね！顔が良い訳ではないのですが、とても目立ちます。
大まかにスパイの話と、このクジャクの話が２本立てみたいな感じになっています。

岩松了、ふせえり、松重豊、村松利史、緋田康人、要潤、森下能幸、松岡俊介、水橋研二、温水洋一、岡本信人、嶋田久作、伊武雅刀。
個性的な役者陣を起用しています！
やはり「時効警察」とも繋がっていますね、特に頭の２人は！

つまり「時効警察」が好きな方にはお奨めでしょう！あと、「下北サンデーズ」とか…。
ハチャメチャで、緩くて、ぬるくて、ツッコミ所満載過ぎてツッコミたくなくなる感じ？
卑怯なお笑い？笑撃の問題作？ルール無視？
「ありえねー！」とか「くだんねー！」とか叫びつつ観て下さい！
ホントにくだらないですから！

評価（７０点）：

「青空のゆくえ」の話

「Love Letter」のプロデューサーで「はつ恋」では脚本を担当。
長澤監督の「卒業」が好きなのでこの作品を購入しました。


青空のゆくえ ZMBJ-2577

あらすじ
中学のバスケ部でキャプテンをする高橋正樹（中山卓也）は、夏休みを最後にアメリカへ転向する事を皆に告げた。
女子バスケ部のキャプテンでライバル的存在の蓮見有美（森田彩華）。
正樹以外の友達が無く男勝りの鈴木貴子（結城早矢）。
勉強熱心で頭が良く委員長の高橋亜里紗（黒川芽以）。
帰国子女で正樹とはメールを使っての相談相手の市田尚子（西原亜希）。
そして生まれた時からの幼馴染の河原春奈（多部未華子）。
５人の女の子はそれぞれが正樹に対する思いをつのらせる。
そして正樹にはアメリカに発つまでにしなければならない事があると言う。

不思議な魅力を持った映画ですね。特にここが良いとかは無いのですが、良い映画だと思います。
胸がキュンとするようなとか、昔を思い出して熱くなるとかはありませんし、何か大きな事件が起こる訳でもない。
普通の中学生のお話なんですよ。
事件と言えば主人公の転校くらい！
序盤では正樹が好きなのが誰か分からない。
（やはりこの子なのかなと思った子でしたが…）
最終的に５人の女の子の内、３人は正樹が好きで、１人は好感を持っていて、１人は良くわかりません。
こんなモテモテのだったら人生楽しいだろうなとは思います。

監督は「ココニイルコト」「卒業」「１３階段」の長澤雅彦。
挿入歌は山崎まさよしさんの「僕らは静かに消えていく」です。

森田彩華は国民的美少女コンテストの出身でドラマ「エースをねらえ！」「アタックNO.1」に出演。
結城早矢や西原亜希と共にドラマ「ダンドリ」にも出ています。

その結城早矢は「Sh15uya-シブヤフィフティーン-」で主役の男の子を務め、ドラマ「がんばっていきまっしょい」にも出演してていました。
髪が短いボーイッシュな役の多い彼女がこの映画では男勝りながらもちゃんとした女の子の役を演じています。

西原亜希は「花より男子」に出演。この映画では帰国子女のおとなしい女の子の役を演じています。

多部未華子は「HINOKIO」に主演。長澤監督の次回作「夜のピクニック」では主演を務めます。

黒川芽以は、数々の映画やドラマに出演する、同年代の出演者の中では多少別格なのかなと思います。

男の子達は際立った出演作などは見当たらない、ニューフェイスの子達ですね。

正樹がやり残した事は徐々に明らかにされますが、これは主題では無いと思います。
もっと大きく取り上げれば意味はあるのかも知れませんが、
作者の意図もあるのかも…。
でも私には読み取れなかったかな？

評価（８０点）：

この映画はそうとうな邦画好きか、長澤監督作品が好きな人でないとちょっとキツイかも知れませんね。


ココニイルコト BCBJ-1062



ソウル PCBG-50319



13階段 PCBG-50447



ピクニックの準備 BIBJ-6770



WAY TO THE 青空のゆくえ～映画「青空のゆくえ」メイキングDVD～ ZMBH-2397

「天使」の話

フカキョン天使がふわふわ浮いてます！猫みたいで可愛くて変な天使なんです！


天使 スタンダード・エディション BIBJ-6508

あらすじ
ある日、天使が空から降りてきた。天使（深田恭子）はコンビニ店員のカトウ（内田朝陽）に付きまとうようになる。
吉川（長瀬正敏）は娘のちい（森迫永依）と恋人のカスミ（永作博美）の間で悩んでる。
母親を嫌い、ある日学校では友人達に除け者にされてしまう中学生・みづほ（小出早織）。
姉妹で一緒に暮している姉の奈津（西田尚美）よ妹の恵美（小林明実）。
猫を探している美帆（佐藤めぐみ）。
多くの猫が居る通称”猫屋敷”で暮している猫おばさん（鰐淵晴子）。
天使が何かを変えていく。


原作は桜沢エリカの「天使」「天使の巣」。
監督はこの作品が初の長編映画になる宮坂まゆみ。
主題歌は大竹佑季「天使が舞い降りてくる日」。本作でユミ役をしています。
（ドラマ「赤い疑惑」「赤い運命」の主題歌を担当。）
脚本は「学校の怪談」「コンセント」「魔界転生」の奥寺佐渡子。

ＶＦＸは良くできています。
天使役の深田恭子さんは一切しゃべりません。
何故かジンライムが好きなのが、身近に思わせて良いですね。
特に凄い奇跡とかを起こす訳ではなく、ほんの少し背中を押すだけ。
勇気を少しだけ貰うといった感じでしょうか？
深田天使はまるで猫のようでかわいいです。
いつも来るなと思うと、ある日パッタリ来なくなる。
見える人と見えない人がいるのも面白いですね。
奇跡を与える人、与えない人もいる。
あんな猫みたいな天使だったら一人欲しいですね。

天使役の深田恭子がふわふわ浮かびながらカトウに付きまとうシーンが好きです。
特に歩いているカトウの頭を抱きしめたりするシーン。
後は、中学生の女の子にやはり付きまとうシーン。
カトウが無視してるのに対して、この女の子は嫌でしょうがない感じなのが笑えて良いですね。

評価（８０点）：



深田恭子「天使」になる方法 BIBJ-5884



コンセント ※再発売 ASBY-2644



魔界転生 ★ DSZS-7011

「深紅」の話

この作品のタイトル「深紅」とは、人の血の色なのでしょうか？それとも唇の色なのでしょうか？あるいは引き継がれるべき罪の色なのでしょうか？（う～ん、カッコ付け！）


深紅 ASBY-3239

あらすじ
小学校の修学旅行中、秋葉奏子の家族全員が都築則夫に殺害されてしまう。それから８年後、未だに心に大きな傷を負いながらも奏子は、自分と同い年の犯人の娘・未歩に会ってみたいと思うようになる。正体を隠し未歩に近づく奏子。そんな中、都築則夫の死刑が確定する。

原作・脚本は野沢尚。
代表作の「眠れる森」「氷の世界」「砦なき者」は全部好きです。
非情に繊細なサスペンスを書かれる方だと思います。
この「深紅」が野沢尚氏から我々への最後のプレゼントとなってしまいました。残念！

監督は「白い犬とワルツを」「I am 日本人」の 月野木隆。

家族を殺された主役の秋葉奏子を内山理名（小中学生の頃は堀北真希）。
その加害者の娘・都築未歩を水川あさみが演じています。

内山理名さんは映画「卒業」でやはり主演をされていましたが、私は最初で最後の主演だと思っていました。（ごめんなさい!）
「深紅」のＤＶＤを購入したのは、野沢尚さんの影響も大きいのですが、内山さん主演の「卒業」がとても好きな映画だったせいでもあるのです。
相手役の水川あさみさんは、この映画の中で十分に実力を発揮されていて、存在感では一番でしょう。
見所の一つである２人のキスシーンですが、おそらく鏡で自分の顔をみたら、さぞやもの欲しそうな顔をしていただろうなと思います。（いやらしくなくキレイです。）

今をときめく堀北真希ちゃんの演技も良かったと思います。少し静かすぎると思われている方もいるかも知れませんが、オーバーな演技を抑えた演出を評価したいですね。
殺人犯の都築則夫役・緒方直人さんや殺された奏子の父親役の小日向文世さんは、上手いを通り越して凄いですね。
他に内田朝陽、塚本高史、南野陽子、小倉一郎などが出演。

最初観た時点では物足りない感が残り、とても満足のいく作品ではありませんでした。
野沢尚さんの意志がもう少し明確に反映されていたら、もっと良い作品になったはずだと思っていました。
今でもその思いは残りますが、ＤＶＤ特典映像の水川あさみさんのインタビューを見て、自分が思い違いをしていた事に気が付いてから少し見方が変わりました。
その事は、いくつかの映画のサイトの書き込みとかでも間違って捉えられていたりして、正解と思える物が書かれていなかったりして…。

ネタバレ!
未歩が奏子の正体を気付くのはどの段階か、というものなのですが。
最後に未歩は奏子の顔写真入りの新聞か何かの切抜きを持っていますが、これは原作には無い部分だそうです。
結論から言うと、２人が味噌汁だかを飲んだ後では無いかと思います。（あるいはこの時か）
旦那に殴られて血だらけになった未歩のもとに、住所を知らないはずの奏子が駆けつける。
未歩が不信に思わないはずは無い。そしてこの時点で未歩が気が付いていたとしたら、間抜けな質問ですよね。
さらにこの直後から未歩の行動や言動に変化が見られる点を考えて。

奏子の顔写真入りの新聞は最初から未歩が持っていたんですかね？
もちろん最初から持っていて気が付いたという事も考えられなくは無いですが、あるいは不信に思って調べていて手にしたとも。
手に入れたとしたら誰から、いかにもボロボロの切り抜きなので父親の弁護士さんは考えられます。
ここからは私の勝手な推測ですが、奏子の彼氏が渡していたとしたら面白いかも。
奏子に過ちを犯させないようにと、未歩に会わないまでも新聞受けに投函するとかありそうな気がします。
彼氏の行動を見てるとそう思うんです！どうでしょう？
そうだとしても、そうでなかったとしても、答えを明確に知っている人間はもういないのかも知れませんが…。

最後の疑問は２人のキスシーンに何か深い意味はあったのかという事ですね！？

評価（７０点）：



青い鳥 BOXセット PCBX-60002



眠れる森 DVD-BOX PCBC-50692



砦なき者 TBD-5610



その男、凶暴につき BCBJ-135