深紅 ASBY-3239
あらすじ
小学校の修学旅行中、秋葉奏子の家族全員が都築則夫に殺害されてしまう。それから8年後、未だに心に大きな傷を負いながらも奏子は、自分と同い年の犯人の娘・未歩に会ってみたいと思うようになる。正体を隠し未歩に近づく奏子。そんな中、都築則夫の死刑が確定する。
原作・脚本は野沢尚。
代表作の「眠れる森」「氷の世界」「砦なき者」は全部好きです。
非情に繊細なサスペンスを書かれる方だと思います。
この「深紅」が野沢尚氏から我々への最後のプレゼントとなってしまいました。残念!
監督は「白い犬とワルツを」「I am 日本人」の 月野木隆。
家族を殺された主役の秋葉奏子を内山理名(小中学生の頃は堀北真希)。
その加害者の娘・都築未歩を水川あさみが演じています。
内山理名さんは映画「卒業」でやはり主演をされていましたが、私は最初で最後の主演だと思っていました。(ごめんなさい!)
「深紅」のDVDを購入したのは、野沢尚さんの影響も大きいのですが、内山さん主演の「卒業」がとても好きな映画だったせいでもあるのです。
相手役の水川あさみさんは、この映画の中で十分に実力を発揮されていて、存在感では一番でしょう。
見所の一つである2人のキスシーンですが、おそらく鏡で自分の顔をみたら、さぞやもの欲しそうな顔をしていただろうなと思います。(いやらしくなくキレイです。)
今をときめく堀北真希ちゃんの演技も良かったと思います。少し静かすぎると思われている方もいるかも知れませんが、オーバーな演技を抑えた演出を評価したいですね。
殺人犯の都築則夫役・緒方直人さんや殺された奏子の父親役の小日向文世さんは、上手いを通り越して凄いですね。
他に内田朝陽、塚本高史、南野陽子、小倉一郎などが出演。
最初観た時点では物足りない感が残り、とても満足のいく作品ではありませんでした。
野沢尚さんの意志がもう少し明確に反映されていたら、もっと良い作品になったはずだと思っていました。
今でもその思いは残りますが、DVD特典映像の水川あさみさんのインタビューを見て、自分が思い違いをしていた事に気が付いてから少し見方が変わりました。
その事は、いくつかの映画のサイトの書き込みとかでも間違って捉えられていたりして、正解と思える物が書かれていなかったりして…。
ネタバレ!
未歩が奏子の正体を気付くのはどの段階か、というものなのですが。
最後に未歩は奏子の顔写真入りの新聞か何かの切抜きを持っていますが、これは原作には無い部分だそうです。
結論から言うと、2人が味噌汁だかを飲んだ後では無いかと思います。(あるいはこの時か)
旦那に殴られて血だらけになった未歩のもとに、住所を知らないはずの奏子が駆けつける。
未歩が不信に思わないはずは無い。そしてこの時点で未歩が気が付いていたとしたら、間抜けな質問ですよね。
さらにこの直後から未歩の行動や言動に変化が見られる点を考えて。
奏子の顔写真入りの新聞は最初から未歩が持っていたんですかね?
もちろん最初から持っていて気が付いたという事も考えられなくは無いですが、あるいは不信に思って調べていて手にしたとも。
手に入れたとしたら誰から、いかにもボロボロの切り抜きなので父親の弁護士さんは考えられます。
ここからは私の勝手な推測ですが、奏子の彼氏が渡していたとしたら面白いかも。
奏子に過ちを犯させないようにと、未歩に会わないまでも新聞受けに投函するとかありそうな気がします。
彼氏の行動を見てるとそう思うんです!どうでしょう?
そうだとしても、そうでなかったとしても、答えを明確に知っている人間はもういないのかも知れませんが…。
最後の疑問は2人のキスシーンに何か深い意味はあったのかという事ですね!?
評価(70点):
青い鳥 BOXセット PCBX-60002
眠れる森 DVD-BOX PCBC-50692
砦なき者 TBD-5610
その男、凶暴につき BCBJ-135