コーラスのメンバーと、伊丹市のアイフォニックホールへ。
我が郷土出身の田尻洋一氏によるピアノコンサート鑑賞です。
行き帰りのバスは楽しいものです。
おしゃべりに夢中です。
それはさておき、よく存じあげていませんでしたが、
田尻氏は、すごいピアニストでした。
わたしのような素人にも分かるように解説付きでした。
トーク&ピアノ第60回記念コンサートでした。
ベートーベン:エリーゼのために
ベートーベンをめぐる女性の一人”テレーゼ”のために書かれた曲
モーツアルト:ピアノソナタ 第14番 ハ短調 K457
モーツアルト作品には珍しく悲劇的な情感で貫かれています。
ショパン:ノクターン 第9番 op.32-1
穏和で美しいノクターンですが、途中何度も甘い思い出を断ち切られ、
突然の苦悩の告白で曲が終わります。
ショパン:練習曲 第3番「別れの曲」 op.10-3
若きショパンが故郷を懐かしんで書いた切なく美しい曲です。
ショパン:練習曲 第4番 嬰ハ短調「プレスト」 op.10-4
荒々しい息を吐きながら怒涛のごとくに疾走しています。
リスト:スペイン狂詩曲
スペインへの演奏旅行中に地元で仕入れたメロディーを元に書かれています。
というように、わかりやすく解説されました。
・・・・・・休憩・・・・・・
次は本日のメインであるベートーベンの不屈の魂を描いた音楽史上に燦然と輝く
大作「ハンマークラヴィーア」ソナタです。
ベートーベン:ピアノソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」 op.106
49歳に完成されたこの大曲は、その後に書かれた「第九交響曲」
「荘厳ミサ」と並んで ベートーベンの3大最高傑作とされています。
30代に描いてきた理想の世界を悠々と闊歩する英雄とは正反対の
悲惨な現実を直視している生身の人間が不屈の精神で、戦いつづけている姿が
刻まれています。
ぐちゃぐちゃしていて訳が分からない曲だと田尻氏はおっしゃっていました。
もちろん、わたしたちにも分かりません。
しかし、ピアニストの指の動きを見ていると、そのすばらしさが伝わってきます。
アンコールの2曲を入れて、全曲2時間半、それはそれは圧巻の演奏でした。
お天気も最高で、生き返った一日でした。
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