10月15日
吹田市茶花道会の当番釜が、M先生担当で開催されました。
10月になり、程よい気候にもなり多くのお客様にお越しいただきました。
名残りの風炉の時節ということで、侘びた破れ風炉に藁灰を敷き詰めるという裏千家流の趣向を十分に堪能させていただきました。
M先生はこの十月が当番に当たった四月からこの趣向を準備され、今では手に入りにくいワラを苦労して入手され、それを灰に焼き、前日の準備でこの風炉に据えられたとのことで、ご苦労がしのばれました。先生の客を思っての苦労を厭わない精神がお茶人の精神だと深く納得いたしました。
先生は、これらの作業はむしろ楽しいとおっしゃり、こうあらねばならないと思いました。
ただ、風炉中が電熱であったのが残念な思いでした。会場の都合とは申せ折角の趣向が十分に生かしきれなかった様におもいました。
本席は坐忘斎宗匠の一行もの、蔦の香合には鹿に紅葉の蒔絵、香は「寄せ香」という趣向で沈香や白檀など季節の香の残り物を寄せる趣向と二客様に教えていただきました。初めて聞く趣向でした。
釜は敬典の雲龍釜中置、運びの細水指、竹の蓋置(積應師花押)という軽快な取り合わせ。
皆様この風炉の名残りの趣向を十分堪能されたことと思われます。
M先生社中の皆さまありがとうございました。