若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

半落ち 横山秀夫

2004年09月01日 | 読んでる十四代目


講談社

半落ち
 
『このミステリーがすごい!2003年版』(宝島社)と『傑作ミステリーベスト10』で第1位を獲得、40万部を超えるベストセラーとなってたこの作品ですが、僕は横山作品は初めて読みました。

なぜ最近になって手に取ったのかというと、「骨髄バンク」がキーワードになっているからです。今年の6月に(社)浮羽青年会議所で「骨髄バンク支援事業」をしました。その事業のあと僕もドナー登録をしたのですが、そのときに調べた「日本骨髄バンク」のネットにあった「バンクニュース(23号)」でこの作品を知ったのでした。

物語は…妻殺しで自首した元警部が自供をするが、ある2日間だけその行動を黙秘し続ける。なぜ彼は事件に直接関与しない2日間について頑なに自供を拒むのか…、といった内容です。完全自供の「完落ち」に対して一部自供を取れない状態を「半落ち」というのですが、その2日間を巡っての人間模様を描いたミステリーというよりは社会派小説ですね。面白かったですよ。

実はこの作品、第128回直木賞の候補になってたのですが落選しました。落選の評を巡って横山氏が「直木賞決別宣言」をしたことでも話題になったもの。その経緯のほうが面白かったりして…。