おも〜か〜じ(面舵)‼︎

高揚感が無い、年末年始

街は年末年始の高揚感に包まれている。

今日も愛車で街を疾走していると、周りの車のドライバーの高揚感のせいか、車自体も浮きっているのがよく解る。

車の流れが速い。

高揚感は全てのものに伝染する。

だが、吾の心は高揚感が無いのか、ウキウキする心境にならない。

心の片隅に影を潜めて大人しくしていた漠然とした不安感が頭を擡げて来た。

此処最近、其れに苛まれる事が無くホッとしていたのだが、いきなり襲って来た。

心をクリアにしようと思い、此の寒空の下暗くなってからウォーキングに出掛けた。

当然ながら、此のクソ寒い夜の時間帯に歩く者など居ない。

此の不安感をどうにかしようと思った訳ではない。

ただ歩く事で気を逸らしたかった。

歩いていると、後方から郵便配達のドライバーさんが追い抜いて行った。

「こんなに暗くなっても配達されている。本当にお疲れ様だなぁ」

と独り感服していた。

ウォーキングをしていると各家庭の部屋の灯りが煌々と灯っていた。

殆どの人が休暇で家族団欒なのだろう。

皆、どんな一年を過ごしたのだろうか。

吾の場合は、部外者扱いされた事や、実は職場の皆から嫌われていた事が判った年であった。

吾は今迄其れに全く気付かず過ごして来た。

或る意味、鈍感だった。

此の鈍感力のせいで、家族や友人、他人の心情を理解する事が出来なかった。

などとあれこれ思い巡らせながら歩いていた。

来年はどんな一年になるのだろうか.....。

もっと楽になるのだろうか。

いや、職場での立ち位置は変わらぬだろうし、皆が心良く接してくれる事も無いだろう。

今気付いてももう遅い。

何年も気付かずに来たのだから、此処らで改心してももう遅い。

定年を迎える迄は、此の儘部外者扱いで過ごして行くしかない。

皆との関係改善を図る気力が吾にはもう無い。

今、吾は己の不甲斐なさに呆れている。

他人の事をああだこうだと責めた事も在ったが、自分自身を顧みる事が無かった。

職場は仕事の出来、不出来は一切関係無く、人の好き嫌いで成り立っている。

吾は余程性格が悪く他人を不愉快にさせていたのだろうか。

「婆さん、俺はそんなに嫌味な人間だったのか?」

高揚感に包まれた街の中で、高揚感に伝染する事もなく、抑鬱感に手足を抑えられるばかり。

来年はどんな一年にしようかと、気を奮い立たせるが、一向に起き上がって来ない。

先日入ったボーナスと云うか、寸志も支払いに消えた。

此の間無理して買ったETC車載器の支払いにも回っている。

此れからは積極的に外に行動範囲を広げようと思っていたが、此れではそうも行かぬ。

貧すれば鈍すとはよく云ったものである。

心や財布が貧すれば、行動が鈍る。

友人と呼べる者が1人も居ないと云うのは人生途上に於いて大きな損失なのだろうか。

其れすらも解らない程に心が麻痺しているのであろうか。

喫茶店やイートインのベーカリーショップに行くと、2人や3人連れで年配の客が楽しそうに歓談しながら過ごしている。

仕事や趣味、家の事を笑いを交えながら楽しそうに話している。

今後、吾が友人等と楽しく歓談する時はもう来ないだろう。

今更、新たな友人を作る気にもならない。

人生途上に潤いを齎す女性との交際などと云うものも、具現化しないだろう。

人脈も人望も皆無の吾の人生は、しくじりの人生なのだろうか。

いつの間にかこんなに詰まらぬ人間になっていたようだ。

悪戯に齢を重ねるばかりで、人として全く成長していなかった事も解った一年でもあった。

其れにしても年末年始の、あの高揚感は何処へ行ってしまったのか。

と、目の前で揺らぐストーブの炎を見詰めて独り回想している。




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