吾の娘の面影は12歳で止まっている。
どんな仕事に就いているのだろうか.....。
心に決めた人はいるのだろうか.....。
結婚して家庭を築いているのだろうか.....。
どんな容姿になっているのだろうか.....。
街で擦れ違って、娘だと気付くのだろうか.....。
娘の情報は一切入って来ない。
吾は、元嫁サイドの家族親戚からは「甲斐性無しの人でなし」となっているらしい。
何処からそんな札付きの悪にされてしまったのだろうか。
有る事無い事.....否、無い事ばかりの悪評を立てられているのかも知れぬ。
家庭の崩壊は一夜にして起こる。
家庭は砂上の楼閣である。
ほんの少し、砂が崩れ始めると、あっという間に崩壊する。
築くのに数十年掛かるが、崩壊は一夜である。
結婚してから50年も続くおしどり夫婦だと自慢しても、次の日には離縁したというのもよく聞く話である。
まるで実体の無い仮想の様なものである。
此の世は不確かなもので成り立っているので、確かなものは一切無い。
凡てがアンバランスで、首の皮一枚で繋がっている状態で我々は生きている。
「一寸先は闇」とは先人の言葉は真理である。