「おばあちゃんも超高齢で相当なお歳です。最期の日迄此方で過ごす事が出来ますが、ご家族の同意が頂ければと思ってますが、如何ですか?」
吾としては願ったり叶ったりである。
今居る医療院は、自力での食事が出来ず、投薬が必要な方が対象である。
容体が落ち着き、自力で食事が出来て、投薬が必要なければ、次の入所先を探さなければならない。
吾は結構此れがストレスであった。
仕事が忙しく、平日に休む事が出来ず、次の入所先への面談が出来ずにいた。
ソーシャルワーカーからは、入所手続きの書類を貰っていた。
昨日、医療院から提案されて吾は「是非」とお願いした。
吾は何やら、ホッとした。
毎日、程々に気を張っていたのだが、少し緩み過ぎてしまった様だ。
忽ち体調がおかしくなった。
気を張っていて、急にホッと緩め過ぎると体調を崩すと聞いている。
動悸気味になり、手足の指先が異常に冷たくなり、極度の緊張状態となってしまった。
ホッとすれば緊張が解れるんじゃないのかと思っていたのだが、一気に緩めると自律神経の均衡が崩れ、色んな症状が出る。
上記の症状以外に、頭痛、肩凝り、胃腸障害も起きる。
吾は此の凡てが襲って来た。
何だこれは.....。
吾は死ぬんだろうか.....。
此の状態が昨日の夕方から今日の昼まで続いた。
そうしていると、手足の指先がだんだんと暖かくなって来た。
其れに連れて、症状がスーッと引いていった。
胃腸に未だ違和感が在るが、随分と楽になった。
取り敢えず、いつもお世話になっている胃腸薬を飲んでいる。
改めて思う。
祖母の件で相当疲れた。
前回倒れた時も相当身体に堪えた。
正直疲れた。
若ければ何て事はないのだろうが、今となってはもう勢いで乗り切れるバイタリティは無い。
だが、漸く落ち着けそうである。
此れからはバタバタしたり、祖母の移転先に思い悩む事もない。
酷使と迄は行かないが、負担を掛けてきた吾の身体を食事や漢方薬、西洋薬で少しづつ整えてあげたいと思っている。
薬やサプリメントに頼らぬ事、まぁ其れに越した事はないが、衰えも併せ持っている我が身に、痩せ我慢はしないでおこうと決めた。
今回の決定は祖母と吾にとってもありがたい事である。
特に祖母にとっては、移転する事による環境の変化が相当のストレスとなる。
今は、医療院のスタッフから可愛がられているらしく、洗濯物を取りに行った時に担当の看護師さんや介護士さんが話してくれた。
祖母に残された日は短い。
栄養状態が余り良くは無いとの事だが、苦しい事もなく落ち着いて過ごしている。
祖母には是非、残された余生を穏やかに過ごしてもらいたい。
其れが吾の願いである。