ウィンブルドンが始まりましたね!
芝のコートでのテニスを見ていると、先月のロランギャロスのクレーとあまりに違って、
戦っている選手はさぞかし調整が大変だろうなと思います。
さて、そんな中wowow中継のオープンニングゲーム?と思われる西岡vsティプサレビッチ戦。
ティプサレビッチを試合で見るのは久しぶりな気がします。元気でよかった。
まだ試合は続いていますが、興味深いのが西岡のプレー。
1stセットは、明らかにフォアハンドのスピンのタッチが合わず、短すぎるかアウトかに
なってしまってました。
またティプサレビッチのワイドとセンターに切れるスライスサーブにポイントを積み上げられ
1stセットを落としてしまいます。
2ndセットになると芝のコートに足が慣れてきて、ティプサレビッチのショットの
コースも読めるようにもなってきて、5-5のイーブンで迎えた西岡のサービスゲーム。
15-30と不利なポイントになり、1stサーブが入らなかった瞬間、彼は突如大声でこう叫びます。
「あ”ーっっ、もう何でサーブ入らない・・・*△◎$!!」
それまでサービスエースをバンバン決められても、アプローチしてパスを抜かれても、
冷静に耐え抜いていた小柄な彼が突如として出した大きな雄叫び。
英国のウィンブルドンで、日本語がわかる観客だけが理解できた心の底の声。
しかも、なんの捻りもない、真の心からの叫び。
素人の試合でさえ、ここまで正直な一言を試合中に叫ぶ人はなかなかいません。
自分も練習中にはこういうことをよくいいますが、試合中の、しかも1stサーブがフォルトした後に
言うなんてまずありません。
それぐらい、ものすごくわかりやすく、しかもわかりやすいが故になかなか聞く機会の無い一言です。
でもこの一言で、彼がどれだけこのポイントを、そしてこのゲームを大事に思っているかが
よく伝わってきました。
そして、これだけ大声で叫んでしまうとその後に調子を崩す選手も多いのですが、西岡は逆で
その後集中力を上げて粘り、ブレークポイントを凌いでゲームを取り切りました。
そして6-6のタイブレークではそれまでミスの少なかったティプサレビッチの方がライン際の
ミスショットを連発したり、ストレートのフォアハンドのスピンをスッポ抜かせたり、
最後のドライブボレーはほぼ雑なショットとも見える明らかなアウトなど、それまでとは
うって変わってミスの多いプレー。
結局、ティプサレビッチのミスに助けられて西岡が2ndセットを取りました。
このシーンから学んだことは、自分の中の負の感情が閾値を超えたら、とにかくそれを吐き出すこと。
しかも、西岡ぐらい素直に感じたままを吐き出すこと。
こうすると「自分の気持ちを自分が聞いてくれた」という安心感が自分に芽生え
その後に集中力や闘争心を取り戻せるのではないかと思います。
私自身も、試合でサーブが思うように打てなくてメンタルが崩壊しかかることがありますが
そんな時は一旦、西岡のように叫んでみようと思います。
また本題とはずれますが、西岡の効率的な身体の使い方はとても勉強になります。
ショットの威力と体格とは関係がないことを彼のテニスが体現してくれていますし、
どんな選手と対戦しても自然体な(ビビらない、引かない、虚勢を張らずに淡々と立ち向かう)
姿勢は、女性プレイヤーである自分が男性に立ち向かう時にぜひ参考にしたいメンタルの強さです。
この試合、ぜひ西岡に勝ってほしいですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
東京は湿度100%らしいですが、明日も身体は重くとも心は快適な1日を。