明日また陽が昇るなら −カウンセラーもり あずさ(もるも)のブログ−

愛する女性に送るエール -B'z "New Message"より-

久々にB'zの歌詞分析をします。

 

ブログ1周年の記事でも触れた”New Message”についてです。

 

この曲は2003年に発売されたシングル"IT'S SHOWTIME!!"の2nd Beatですが

 

ファンの中ではかなり人気の高いB面の名曲です。

 

2008年に発売されたファン投票上位の曲を集めたベスト盤「B'z the Best -ULTRA TREASURE-」

に収録されるくらいの人気曲です。

 

その人気の高さは、おそらく”BROTHERHOOD”的な男の友情を歌った歌詞の内容と

 

それをミディアムテンポの明るいロックで盛り上げる演奏の質の高さにありますが・・・

 

今回よく歌詞を見直したら、これは「男の友情」では無いことに気づきました。

 

さよならって あなたは僕に手を振ってるけれど

 

友達に向かって「さよなら」って手を降る男性は、おそらくいません。

 

明らかに女性です。

 

しかも男友達に向かって「あなた」って言う男性もいません。

 

明らかに相手は女性です。(2回目)

 

紺碧の空映える 瞳に宿る炎は

今もなお朱く燃えてるだろう 僕は知ってる

 

これも、「巨人の星的」なメラメラ燃えている星飛雄馬の瞳を一瞬連想させますが

 

それだったら「瞳が」「朱く」燃えてるとか、「僕は」知ってるって言わないですよね。

 

「俺は知ってるぜ飛雄馬!お前の眼は赤く燃えている!!」って言いますよね。

 

稲葉さん歌詞の妙なのですが、こう言う細かい言葉の選び方一つひとつに

 

相手は女性なんだな、しかも相手の方が少し立ち位置が上の関係のようで

 

この主人公はお相手のことを尊敬しているから「僕」って言葉を使うんだろうな。

 

そんな二人の関係性が思い浮かびます。

 

そして、サビではそんな主人公の愛情がかなり遠回しに表現されます。

 

待ってるなんて言わないぜ もう子供じゃない

 

この歌詞を見て「さよならなんかは言わせない」を思い出しました。

 

愛情が溢れそうになると、急に子どもみたいな本心が顔を覗かせます。

 

本心では「待ってるよ。いつか戻ってきて!」って言いたいんでしょうね。

 

でも、相手の女性の瞳が朱く燃えて、夢に向かっていると知っているから

 

その本心はあえて

 

「言わないぜ。だって俺、子どもじゃないから君の気持ちわかるもん!」

 

なのです。

 

この主人公は、心からお相手のことが好きなんだなと思います。

 

好きだからこそ、相手の進む道を心から応援する。

 

相手のことを思い、後ろ髪を引く思いをさせたくないから「待ってるなんて言わない」

 

そんな愛情がにじみ出ています。

 

そう、何かを言うことだけが愛情表現なのではなく

 

「何かを言わないこと」も愛情表現なのです。

 

そういう言葉に出ないメッセージを伝えたい(と言うか、気づいてほしい)

 

だからこの曲のタイトルは”New Message”であり

 

サビの終わりは「メッセージよ届け」であり

 

曲の終わりは「ど真ん中に届け」なのです。

 

無言のメッセージに込められた深い愛情を、お相手の女性の心のど真ん中に伝えたいのです。

 

2番の歌詞ではこんなことも言ってます↓

 

どれだけ いっしょに過ごした恋人にも分からない

僕らの小さな共通項 そっと胸の底に沈めよう

 

おそらく部活か何か、共通の活動を二人はしていたのでしょうが

 

二人の心は恋人でも経験しないような強い共通点で繋がっていたようです。

 

でもさすがはこの主人公のお友達、女性は超ストイックでして

 

甘えすぎ許せない あなたは汗もぬぐわない

 

・・・汗もぬぐわないくらい、活動に熱心に夢中になる女性のようです。

 

だから主人公も惚れちゃったんですね。

 

でもそんな凛とした女性だから、安易に手を出すこともできず

 

共通の活動を通じた、少し距離を置いて尊敬し合う仲だったんでしょう。

 

そして2番のサビで、今度は主人公も自分の道を歩き始めることが分かります。

 

待っててなんて言わないぜ もう子供じゃない

 

相手の歩む道に敬意を払い、引き止めない一方で

 

自分自身を待っていて欲しい、と言うこともしないのです。

 

この主人公は、徹底してお相手を自由にしようとしています。

 

愛しているからこそ、相手を止める言葉を言わないし、待っていてとも言わない。

 

両方「言わない」なのにも関わらず、逆に愛情の強さがひしひしと伝わります。

 

そして最後には、そう言いつつもお相手の戻る場所をしっかり用意します

 

好きなだけ追い詰めて 自分を追い込んだら

本当にいつでもいいから 笑顔だけかわそう

陽のさすあの場所を 覚えてるだろう

 

ストイックなお相手が、自分自身を追い込んでしまって辛い時は

 

陽のさすあの思い出の場所を思い出して

 

お互い笑顔だけかわそう。

 

そう伝えることで「たとえ追い詰められとしても、心の拠り所はちゃんとある」と

 

お相手に伝えているのです。

 

またもや、主人公のお相手への奥ゆかしい愛情が炸裂しております。

 

これも”New Message”です。

 

いやー・・・

 

付き合ってもいないのに、いや、いないからこそ

 

こんな風に無言で愛情を伝えるんですね。

 

この主人公、本当に純粋で思いやりのある人だわー。

 

尊敬する女性が自分の道を歩む姿を心から応援するあたり

 

"LADY NAVIGATION"や"Easy Come, Easy Go!"などの初期の曲から一貫して

 

稲葉さんの歌詞は凛とした女性を崇め奉っていますよね。

 

私自身も自立した女性を目指して生きて来ましたので

 

こうした稲葉さんの歌詞に励まされた回数は数知れません。

 

でも、それでいても今回の”New Message”が愛する女性への応援歌だったことは

 

歌詞分析をしていて初めて気づきました。

 

新たな発見ができてよかったです。

 

また稲葉さんの歌詞で代表されるように、どうやら男性は言葉に出ないところで

愛情を表現する生き物のようですので

 

そういう愛情にももっと気づいて、受け取れるようになりたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日も素敵な1日を。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「B'z」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事