偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

死体写真と裁判員制度

2008年06月10日 04時21分10秒 | ◎ツッコミ思案neo
 先週金曜日の「おもいッきりイイ!!テレビ」で裁判員制度についてやってたらしい。“らしい”というのはそれが映っているテレビの最後のほうだけ見かけた程度なので詳しくは全くわからない。

 でもその数分だけでも番組とゲスト弁護士のインチキ度最後は充分に伝わってきた。ついでに裁判員制度そのもののインチキ度についても…。

 ゲスト講師の弁護士がにしおかすみこ「“ブタ野郎”とか法廷で言ったらだめですよ」とふざけたことを言っていた。
にしおかは「(法廷どころか)この番組を通してもでそんな発言していないのに」とちょっと不快そうな顔をしていた。

“KYでワルノリ”
これはテレビに出る弁護士のお約束らしい。

 番組はQ&A形式で進行していたようでたぶんこのコーナーの最後のQだったのがこれ

「死体や血まみれの現場写真を見なければならないか?」

これに対しては
「代わりにイラストやCGを使った立証を積極活用する方針が決まった。」
というのが解答。

積極活用ってのはいろいろ頑張ってはみるけど基本的にはYES…ってことぢゃねーのか?
政治家の“前向きに善処”…みたいな

そもそも「現場写真」ってのはやっぱり“そのもの”を見る必要があるから証拠として提出されんぢゃねーの?
イラストやCGだと、記号化される過程でそこになんらかの意図が入ることはねーのか?

 これは個人的な経験だけどインターネットをはじめたころ死体写真だの手術の動画だの山ほど見たことがある。それらはブッシュの風刺パロディ画像やセレブたちのポロリ画像同様「ヘンなファイル」の1つとして、“こういうのがまさにインターネット”なんだってくらいにしか思っておらず大して衝撃を受けることもなかった。

 でもある時、日本人が中東のほうで誘拐され斬首殺害されてしまうという事件があった。また興味本位で動画を探しそして見つけた。いままでと全く変わらない軽い気持ちで当然のようにファイルを開いてみた。

 ところが今度ははどういうわけだかしばらく立ち直れなくなるくらい気分が悪くなってしまったのだ。なんだか知り合いが死んだような気分になってしまった。見なければよかったとはじめて後悔したほどだ。

 それまでネットで拾ったものはどこかウソくさいと信じていなかったのかもしれない。

 弁護士や医者というものは職業を選択するときに、それなりの覚悟してなるものだ。選択するにあたっては当然「向き不向き」という自己適正も考慮しているだろう。
 でもおいらたち一般市民は惨殺死体を見る覚悟などしたことがないのだ。

 それでもおいらなんかはまだ鈍感なほうかもしれない。世の中にはもっと過敏に反応するヒトがいるに違いないのだ。ヘタすりゃ一生心のトラウマになってしまうかもしれない。
 それは死刑判決にかかわるという重責についても同様だ。

 おいらは「死刑廃止論者」だから、万が一裁判員に選ばれたら、ひたすら「死刑は回避」で通せばいいなんて最初は思ったが、そんな簡単なハナシではないと気が付いた。
 だって現行制度の中では「死刑」という結論があると信じて疑わない被害者遺族もいるんだ。自分が恨まれるのもヒトを傷つけるのも耐え難いことだ。
 だからといってそれを避けたいがために「命」をタテにしたくはない。
「死刑は回避」で行くと腹をきめたとしても、今度は一人だけ反対してればいいのか?という疑問もある。
 あとになって他の裁判員を説得できれば「死刑」は回避できたのかもしれない…と結局悩むことになるかもしれない。


 話し合いといえばコーナーの最後の最後で観覧客の中にいたスーツのサラリーマン軍団の一人が質問した
「裁判員同士が行う話し合いの中では、声の大きなヒトの意見に左右されやすいって傾向があると思うんですけど…」

 すると弁護士センセー
「みなさん一人一人立場は対等ですので自信をもって発言を」みたいな内容のことを言いやがった。

答えになってなーい!


 どっちにしてもへらへらと笑いながら説明するようなことではないはずだ。

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