偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

村上春樹、千葉景子、鶴瓶、桜井和寿、ビートたけし

2010年08月06日 06時23分00秒 | ◎ツッコミ思案neo

(あちこち飛びます。着地点はあさっての方角かも…誤字脱字はあとでチェックします)


今更だけど『1Q84』を読んだ。
図書館に予約しているのをすっかり忘れてたのが今頃きた。
それも1・2巻がほぼ同時に。
(2巻が先にこなかったのは幸い)

 実はおいら小説を読むのはめっぽう遅い。
ビジネス書や実用書の1.5~2.5倍の時間とパワーを要する。…多分
ここはあきらめて順番待ちをしている方々へ譲ろう…とも思ったけどつい魔が差した(笑)

 実はちょっと前、雑誌の書評を鵜呑みにして『螺旋』というスペインの小説をこれまたわざわざ予約して借りたんだけど、これが見事にスカされた(苦笑)
 遅読者にとって600ページはかなりのダメージだった。
だからその直後のオーバー1000頁というのはかなりの賭けともいえた(笑)

 で、賭けに負けた(笑)

 読み始めからなんとなく嫌な予感。

「謎の作家によるベストセラー」という『螺旋』との不吉な相似。


『螺旋』のほうはやや冗長だったもののオチでスカされるまでは途中はそこそこワクワクできた。
でも『1Q84』は序盤からいちいち「何んぢゃこりゃ」な感じ。


 ヒロインがなぜかストリッパー気取りで「お気の毒さま」
…って、どういうノリだよ。
吹き替え洋画のパロディか!
笑えないって意味ではなだぎ武を彷彿(失笑)
まさか終わりかけているお笑いブームに乗っかろうってか?

登場人物は皆、モンスターエンジンの神コントみたいな
似非哲学問答みたいなもったいつけた喋り方。
くりぃむしちゅー上田の喩えツッコミみたいなしつこいまでの比喩が出てくる。

これってやっぱ、お笑いリスペクト?(笑)

「どこの村にも灌漑の得意な農夫が一人くらいいるのと同じように、彼女は性交が得意」

って(爆)。

そもそも「灌漑」って一人でやるもの?

極め付けは

「ホットケーキのように作るそばから売れる」
…って。

確かに「sell like hot cakes」って英語で言うけど…
…上田晋也、なだぎ武、そしてタカアンドトシの見事な融合(笑)。


さすが“世界の巨匠”は翻訳を見越して文章を構築してるってか?

 そーいえば、『螺旋』でも「まるで、ドーナツのように売れた」なんて表現が出てきた。
こっちの作品も海外でも売れたいというスケベ心があちこちに見え隠れしてた。
強引に世界中のビール名の羅列が登場してその中に日本のアサヒだかキリンだったかもあった。
主人公の職場もやたらとアメリカ的。
夫婦関係も常に離婚の危機と背中合わせ。
ラテン系には似合わないどんよりムード。

でも「ドーナツ」のほうはまだイメージはわく。
ミスタードーナツもあるし。
それに引き替えパンケーキ屋売ってるスタンドはマクドナルドのようにガシュアルにはない。っていうか見たこともない。
日本人にとってホットケーキといえばホットケーキミックスか喫茶店やファミレスの皿にのったヤツ。

『1Q84』って登場人物がなぜかほぼみんな同じボキャブラリーで同じようなノリ。
まるで作者の操るひとり人形劇のよう。

ふかえりに至ってはまるで同人作家がオナニーのために描いた萌えイラスト。
「オハライ」って何?(笑)
「ニンシンしたくないから」だったのに
「しんぱいすることはない、わたしはニンシンしない」って

作者が書いてるうちにムラムラ勃起しちゃったんで書きました
…みたいな乱暴な設定と展開。
ついでにカキました…ってか?。
しまいには「ワタシ肉棒、スキ」とでもいうのかと(笑)。

ただただ気持ち悪い
東京都はハルキこそ規制するべでは?

数多の作家が言うところの書いているうちに「登場人物が勝手に動き出す」なんてことは起こってなさげ。
作者が神の視点から強引に駒を動かしているような様相。
因果の“果”だけがつなげられたいびつな双六。

ヒロインのまさかのあの“タイトルコール”はなんだったんだ?

「1Q84 私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう」

って…

 仮面ライダーの「ライダーキィーック!」の256倍は不自然。

そもそも『1Q84』って、ドクトル梅津のパクり。
だから余計に恥ずかしい。
わざわざ名前を付ける必要って?。
説明する相手もいなけりゃ、日記も記録もつけてないのに。

と思ってたら『1Q84』を使用する機会が(笑)
まさかのカルトのリーダー様からのタイトルコール
するとお豆さん
「それは私の作った言葉じゃないか」…って。

音声だけで「Q」と「9」の違いがわかった?
「Q」だけクリス・ペプラー並にドラマチックな発音だった?

そういえばその青豆さん、「電気オーヴン」ってしっかり下唇噛んでたっけ(笑)

あるいは選ばれしモノ同志はテレパシーで会話した?。

なるほどそれで牛河と天吾も…

そして彼は左右の人差し指を使って、地球が太陽のまわりをぐるりと回る仕草をした。

 ↑なんで地球と太陽を表してるってわかったんだろう?

牛河といえば外見の不細工さだけで友達なんかいないだろう…って酷い価値観。
やたらと登場人物を美人か不美人に分類するね。

リーダー暗殺の決行日、自分の痕跡を消すべく念入りに身辺整理してた殺し屋がコロンつけてくって何?
用心棒の二人の持ち物チェックの甘さも造物主たる作者様のおぼしめしか。
これが現実世界なら青豆と会う1年くらい前には他の誰かに殺害されていることでしょう(笑)

月が2つ見えた時になんで再び図書館に行かない?
今度は縮刷版をつぶさに閲覧するよりはるかに楽。
児童書コーナーで「うちゅう」とか見たらいい。
ここもハルキ神の都合で解決は阻止された?。

天吾は高校・大学と体育会で寮暮らしだったのにパジャマ着用の習慣とは軽く違和感。
ヘッドハンティングもうけた代ゼミの人気講師はかなりの高収入のはず。
「多額の収入とは言えない」のはこれまた作者の都合?。
ヘッドハンティングというワード自体に違和感。
84年といえばまさに予備校の名物講師の黄金時代。
人気講師が他校と掛け持ちなんてフツーにあった。

あえての専属契約ならそれこそ年収1千万はくだらない世界。

ほどよく町の塾講師ではだめだった?
 キャラ設定上数学的にも高みにいてほしかった?
そのわりには数学の位置づけが貧相な感じ。

でもでも実はやっぱり1千万以上稼いでいたのかも。
だって後のほうで「興信所に頼んでもそれほど高い料金も請求されないはずだ」なんて言ってたし。
あの青豆の見つからなさ加減なら最低でも100万円前後はかかるだろう。
それをさほど高くないと言い切れるんだから。

あるいは「年収の1千万=はした金」って芦屋育ちのベストセラー作家の感覚?

84年にペットボトルがありえないって話題になってたとか。
でも1.5リットルのペットボトルならぼちぼち出回ってたはずだよ。
おいらがまだ見ぬ3巻にはペットボトル入りのお茶が出てくるらしいけどそれならアウト。
伊藤園の缶入り煎茶の当時の売り文句といえば

「不可能といわれていた煎茶の缶詰に成功!」
だもの。

それよりも病院でミネラルウォーターを飲むシーン。
容れ物がどうこうぢゃない。
ミネラルウォーター持ち歩いて飲んでること自体に違和感。
ミネラルウォーターの当時の用途といえば水割りやチェイサー用。

単品で飲むような売り方はヴィッテルとかエヴィアンの海外勢くらい。
ペリエとかと並んでレストランのメニューには確かにあった。

この小説のノリからしたらそのどちらかだったらブランド名で書いてるはず。
でもヴィッテルとかエヴィアンだとしてもやっぱりアウト。

1Q84ドクトル梅津×浅田彰&evian&六本木WAVE



だって当時、この2つは王冠式。

当時、これらを飲食店以外で飲んでそうなのはスポーツクラブのセレブリティくらい。
そうそう「金持ち=セレブリティ」という“誤用”は1984年当時はまだなかったはず。

それにしても有閑マダム相手にフルコンタクトの格闘技って(笑)
体育大出のインストラクターや一介の婦人警官
小火器の知識はどこから?

84年といえば糸井重里や山田五郎が君臨し
“物欲”をせっせと“おしゃれ”でシュリンクラップしてた。
大学生が生意気だった毎日がバブル前夜祭な時代。
新宗教が生まれるには丁度よい土壌。
でも作品からはその臭いがほとんどしない。

せめて渋滞の中のセリカがXXだったらね。
その後ろにスネをかじり大学生カップルのソアラやスタリオンがいたら雰囲気でたのに。

センセーは当時からフツーに外車乗り回してたから中途半端な見栄っ張りの文化なんて知ったこっちゃない。

でもバックグラウンド・ノイズの中にさえロス五輪がないのはなぜだろう?

あくまで異界だから?

異界すぎるとすべてが軽く浅く薄く思えてしまう。
「オウム」も「ヤマギシ」も「連合赤軍」も「エホバの証人」も「イスラム原理主義」も「児童虐待」も

…そして命も…。

その割に性描写はしつこいよね
ただただしつこい。
登場人物がみんなセックスのこと考えすぎ。

睾丸、睾丸、睾丸…って。

社会現象的巨匠のおコトバなら、評論家が勝手に
「睾丸っていうのは●●のメタファーだ」
と解釈してくれそう(笑)

 雑誌でいくつか見たけた評論はまるで大喜利の三題噺。
『1Q84』を枕にどんだけ理屈こねられるか“おれってアタマいいだろ合戦”。
ただ便乗して自分の主義主張を披露してるセンセーもちらほら。

マニアはエヴァンゲリオン的謎解きを楽しんでるようだけど、こちらは無害。
でもあんなに売れたら読者の大半はおいらのようなシロウト。
読者は解説本を片手に読書するわけぢゃない。

原理主義を忌み嫌う青豆のはずが十字軍のように「敵」を殺しまくる。
でも「アタナは正しい」「アタナは正しい」「良心的殺人」と連呼するバアさんと青豆のコンビにカルトを感じさせるような演出はない。
むしろ感情移入してくれといわんばかり。

 リーダーを殺害するくだりでは葛藤すべき仕掛けがいくつくか見えた。
でもあっさりと殺しちゃった。
ライアン・シャペルを射殺したジャック・バウアーほどの葛藤さえなく。

命の質量は『螺旋』ではまだましだった

主人公が訪れたド田舎の村、赤ちゃんが生まれると木を植えるという習慣があるという設定。
実はそれって棺桶を作るため。
都会から来た主人公は、村人が木の世話をする光景を見て不気味に感じてしまう。
結局は死を非現実なものとして遠ざけている都会人の方がズレてるんだよな…って気づかされる。
都会的視点からは村全体がカルト集団のように映ったりと色んな示唆に富んでいた。
説明がしつこいところに「養老孟かっ!」とツッコミたくなったけど、女必殺仕置人のミョーな軽やかさと比べたら遙かにマシ。

『1Q84』のお陰でダメージだった『螺旋』が少し格上げされた(笑)

「死」といえば『屍鬼』というアニメに出てきたセリフがちょっといい。

室井というおっさんの

「若い人が死ぬことはひどいこととは思わないか?」

に対する沙子というゾンビ娘の返し

「死は誰にとってもひどいことなのよ。
若くても老いていても善人も悪人も同じ。
死は平等なの。
特別にひどい死はない。
だからこそ死は恐ろしい
日頃の行いとか個性とか、
お金持ちであるとか美人であるとか、
そんなモノは生きてる間しか意味を持たない
それを無にしてしまうから
どの死もひどいことなのよ」

 そう「死」は唯一の絶対的なもの

ここでさらに魔が差して村上春樹センセーのインタビューなんぞを探し当てた

「日本の量刑、遺族の怒りや悲しみを考えれば死刑は妥当なのだろうと思うが、基本的に僕は死刑制度に反対だし、判決が出た時は重苦しい気持ちだった。」

つまるとこ自分の立ち位置は保留ってこと。
死刑制度に反対だけど死刑は妥当?。
つまりヒトが死んでるのに自分は傍観者でよしとする。
あのエルサレム賞の受賞スピーチがよぎった。

佐野元春の番組に出てた桜井和寿もそんな姿勢だった。
「影響力の強い自分の作品が光だけでなく影もおとしてしまう可能性についてどう思う?」
という女学生の質問に
「無責任でいたい」
「考えないようにしてる」
と正直すぎるアンサー。

そして先日の千葉景子法相のこともオーバーラップ。
死刑制度に反対だけど、死刑制度存廃論議を提起するキッカケに2人処刑しましたという電通もビックリのキャンペーン。


死は絶対的なもの。
言い換えれば完全不可逆ってこと。
ならばこういうのは保留といわない。

ここで保留といえるのはすべての死刑を一時停止すること。

でも世論調査の存置賛成派は千葉的、ムラカミ的保留的派では?
もしくは青豆さん的原理主義。
言い換えればワイドショー的原理主義。

そう、ワイドショーでは悪を絶対化して犯罪者や政治家を叩く
視聴者も盛り上がる
精神鑑定なんて用語が出ようものならコブシを振り上げて「死刑」を叫ぶ
児童虐待には親をやっつけろと大合唱

北斗晶は児童虐待した親が刑期を終えて出来るのも許せないと言っていた。
これが評判の「主婦目線の意見」ってやつなのか?

精神疾患や児童虐待についてはいまだ理解が浅いようだ

 鶴瓶がホストを勤める「A-Studio」って番組。
少年隊の東山紀之がきたときのしめトーク。
「虐待を受けた経験のあるものは自分も虐待をしてしまうというのは単なる甘え」
と断言
オヤジが飲んだくれの荒くれモノだったのに東山がちゃんとした大人に育ったからというのが理屈。
さぞや反論が溢れてると思いきやネットには賛同と感動が。

イチローがゲストに来たら
「スランプで打てないって言ってるやつはみんな甘え」って言う?

問題なのは1つのサンプルを掲げて全体を語ろうとするインチキ統計学でもない。
そもそもヒガシには子供がいない。
結婚すらしていないってこと。
そんなシンプルなことにも気づかず鶴瓶に賛同している世論がこわい。

もうひとつ
「特上カバチ!!」で児童虐待を扱った回。
主人公は単純に親を子供から引き離そうと考える
でも虐待経験のある先輩・栄田がたしなめる
子供にとっては親を引き離すというのは最悪の最終手段
ベストな方策ではない…と。
子供にとって親は親。
だから子供は虐待を隠す
つまり虐待がなくなるのがあるべき解決だと。

「親引き離せばいい」の無責任さに気づいてないのがワイドショー的原理主義
罪を憎んで人はもっと憎むのがワイドショー的原理主義

ホットケーキのように売れた「1Q84」
エヴァ的謎解きを愉しんでるマニアは少数派
とりあえず買ってみたミーちゃんハーちゃんは短絡的に女仕置き人に感情移入してるかも。

たけしは映画の影響なんてありゃしないんだと言い放った
世界が平和になっていないことが証拠だと
だから暴力映画も問題なし…と

彼が間違っているのは「毒」と「薬」は全く同じ機序で作用するという前提にたってること。
ジョン・レノンが平和を勝ち取れなかったという証拠はある。
でも尾崎豊の歌で窓ガラスを壊したバカって証拠もあるんだぜ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紳助の偽善を一蹴したさんま... | トップ | 「歸國」倉本聰こそが戦後の病巣 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

◎ツッコミ思案neo」カテゴリの最新記事