前回はおいらも音楽好きなので思わず坂本龍一“教授”にエールを送ってしまった。でも、このPSE問題でビンテージ楽器に気をとられてるともっと大事なことを見失ってしまう恐れがあるってコトに気が付いた。
つまり、いまのところ何らかの改善が期待できそうなのは、実は坂本龍一らの呼びかけたビンテージ楽器の保護という部分だけだということ。
最悪の場合は何も変わらず法律は粛々と執行されていくわけだが、その場合でも比較的高額で取引されるビンテージ(オーディオ機器も含む)機器類は自主検査による“PSEマーク取得”という選択肢でなんとか生き残っていくだろう。
つまりそういう選択肢があることを盾に論議されてしまうことを考えると、余計に、この法律施行はビクともしない可能性のほうがはるかに大きい。
結局のところ自主検査などしていたら採算のとれない一般中古家電のほうはどう転んでも生き残る道はないのだ。
今回の電気用品安全法の一件もまた最近のトレンドである強きを助け、弱きを切り捨てる規制緩和政策”“、小さな政府の現実をよく表している。
え?規制緩和ぢゃなくって規制強化ぢゃないの?って思っちゃう人もあるかもしれないけど、通産省がやってた規格管理を企業に委ねてるってことだから、結局はこれも小さな政府への加速のひとつ
規制緩和ってのは大企業へのしばりが軽減され、結果として弱者は逆に手も足も出なくなり追いつめられてしまうってこと。
たとえば“修理”という側面から考えても普段あまりリサイクルショップを利用しない人にまでその影響はおよぶだろう
今現在、後生大事に使っている冷蔵庫や洗濯機がブチ壊れた時に修理を断られるなんてケースも出てくるからだ。
(実はおいらは最近ネズミに壊された冷蔵庫を修理したばかりなんで、たまに聞こえるネズミの足音を聞きながらビクビクしている。)
聞いたところによると電気用品安全法では部品の最低保有期間の規定がない(そもそも元々が“指導”であってあくまで企業単位の“自主規制”だったというハナシも)というから、PSEマークがついている製品でさえ数年で修理不能になってしまうかもしれない。
なにしろソニータイマーもどきの“時限装置”を製品に埋め込むなてハナシもあるくらいだ。
いちばん近い将来の社会的懸念としては、このまま世間が予測しているように中古業者が次々に倒れていくと不法投棄が続出するんぢゃないかってこと。
倒産するのに処分する金なんてないよ…と文字通り自暴自棄なる業者(というか廃業者)が急増しそうだからだ。
(捨てるところを教えてくれたらいくつか拾いたいものはあるんだけどね)
フツーだったら、心の片隅に残っているような
「そうはいってもやっぱり人に迷惑かけちゃいけないよね、立つ鳥あとを濁さず…ってか」
…てな庶民の小さな常識をも吹き飛ばしてしまいそうなくらい強引な行政の非常識
いへ、別に不法投棄を奨励してるわけではありませんよ。
ただ、行政にしてやられた…なんて不信感を持っている人が多いんぢゃないかということ。
で、なんでビンテージ楽器にこだわるのがヤバいかっていうと、それによって家電への注目が薄れる可能性があるからだ。
それぞれの職業の人たちが、それぞれの立場でモノを言うっていうのは一見、正常なる社会の役割分担のようだけど、ちょっと醒めた目で見直してみると、せっかく影響力のあるセレブレティたちが、庶民はとりあえずハジっこにのけといて、自分たちの領域だけを守ろうとしてるみたいで
「これってなんかちょっと違うんぢゃねーか?」
って思えてしまうのだ。
“共倒れ”になるよりはピンポイントで得意分野を攻めたほうが脈アリ…とみたのかもしれないけど、ファアトレードの推進なんてよその国の弱きを助ける活動までしてるハズの坂本龍一氏が同じ法律でリンクしている自国の庶民の切実な状況をさしおいて、なんであえて音楽家の立場でのみ、つまり楽器類に限定して署名を集めているのかわからないってこと。
中古家電屋のおっちゃんの生活や、小さな古い冷蔵庫よりも、教授のプロフェットが奏でるフレーズのほうが崇高だなんて比較はできないはずだ。
それでもあえて天秤にかけるんだったら、むしろ優先されるのは生存権なはず。
「ふるやのもり」ってはなしがある。この世でいちばんこわいのは、泥棒でもオオカミでもなく、“古家の漏り”、つまりボロ家の雨漏りなんだっていうハナシ。地震などの被災者の心境などはこれの最たるモノだろうが、冷蔵庫の修理を断られたが、経済的な都合ですぐには新品を買えない状況というのもけっこうつらいものだ。真冬の暖房器具とかね。
万が一、行政が楽器類に対しては手心を加えるなんてことになったら彼らは、そこで“勝利宣言”でもして、一段落してしまうんだろうか?
『MOTTAINAI』って曲を作ったさだまさし氏はどんな考えでこの状況を見つめているんだろうか?
なんか社会的な活動に関わっているなんていってると公言しているアーチストたちが信用できなくなってきたなぁ。結局は売名、よくって名貸しってトコ?、なんかなぁ。
なんとかバンドみたいに単なるオシャレだったりして。
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【3月24日追記】
あの坂本龍一とかいうおっさんは、いまさら庶民の味方みたいなツラさげて会見だと…。
「楽器を除外すればミュージシャンが黙るだろうという意図がみえみえだ」
…って、とりあえず自分のまわりだけは、よさげになったんで、ここはひと芝居打って、シモジモの者どもにもいい人と思わとこう…っていう世界の音楽家の意図もみえみえだ。
「自分で使うモノは勝手に使わせろ」
っていうラディカルな?表現がいかにもウケを狙ってるぜ。っていうか、たしかにPSEは矛盾だらけの悪法だけどこの表現もおかしいだろ。中古業者だって別に「家電に規制はいらない」とまでは言ってないっつーの。
そもそもヤツらが最初っから楽器に特化なんてしてなかったら、こういうややこしい展開になってなかったっつーの。
まさに、このエントリーで最初に懸念した事態になったってことぢゃねーか。
現在、拙ブログは休止中だけど、アホなヒーリング・ミュージックファンがピントはずれの反論書き込まないように追記した。
いいスか?ヤツは当初は楽器のことしか言ってなかったんスからね。
まったく、坂本龍一っておっさんは生けるホワイトバンドか…っつーの。
ブログ見てまわってたら、坂本龍一の好感度が上がったなんていうイタいエントリーがうなってた。そりゃホワイトバンドも売れちゃうわな。
坂本さんは、非戦という本を読んでもわかるとおり、パフェシック(平和主義)な人だから、自分の都合が悪いところだけしか訴えないんじゃないの?9.11も自分の住んでたニューヨークで起きたからで、自分に関係ないアラブアフリカ一帯なら、訴えないだろうし。(本当はマクロ的に関係してるけど)
話が脱線しちゃいましたね。
話を元に戻すと、木村カエラとPSE問題は切り離した方がいい。ホワイトバンドと同じ、アーティストが代弁という形での売名行為だよ。からくりにきずいたらだまされたとわかるはず。
冒頭の疑問はどちらの記事にコメントをつければいいかということでしょうか?
だとするとこちらでよかったと思います。(ちがっていたらすみません)
なるほど坂本氏のことがなんとなく見えてきましたが、フェアトレードなどはもろアフリカも含んでいたりするのでいままで私だけでなく“誤解”していた人は多いんじゃないかと思います。
私のようなアホYMO世代も事実を見失い勝ちですが、音楽はよく知らないけど、フェアトレードなどのイベントで彼の名前をよく見かけたなんて人も少なからずいるはずです。
で、後半は
「木村カエラとPSE問題は切り離した方がいい。」
で一度切れて
「ホワイトバンドと同じ…売名行為だよ」以降はまた坂本氏にかかっているのでしょうか?(これまた違ってたらすみません)
カエラの文に関してはこの文が投稿された今となっては主張としてはある意味無効になっているのですがコメントがついてしまったこともあり残してありました。(コメントに買いてあることは今の考えですが…とはなしがややこしいですが)
というか、ぶっちゃけカエラの文に関してはかなりおちゃらけて書いたモノだったのですが、おのれの色々“ミス”が重なって結果としてそうは受け取られなかったというのが事実です。自分だけはそんなつもりだったので、どちらかというと、もしもアクセスがあるならこっちの文に反論が押し寄せるかと思ってましたので少し困惑しました。
レスを見に来るかもしれないという猶予を考慮してとりあえず本文だけ差し替えてありますが、そこらへんの経緯の説明を織り込みもう一回だけ本文を差し替えてのちに全体を非表示にしようと思っています。その言い訳に非難のコメントがよせられるまた機会を逸してしまいそうですが。