進路説明会にも学級懇談会にも全て出たし、ある程度受験と言うものが分かったつもりでいた。
高3になり、コースの方針により秋の推薦は全てスルーし、
1月のセンター試験の結果で
受ける大学を決める。
そういう解釈だった。
しかし私は無知だった。
他の保護者の方達は、色んな事を想定していた。
私達親子は何も想定していなかった。
センター試験がボロボロだった。
過去受けたどの模試よりも悪かった。
翌日自己採点して、バンザイシステムのリサーチで、どの大学にもバンザイしてくれなかった。
さぁそこから、ピングーは全てのやる気を無くしてしまった。
「どこも行くとこあらへん」
そう言って何もかも嫌になってしまった。
2次試験の出願や、私立の一般の出願。
何もしなかった。
本当に想定外だった。
最後の追い込みで、受験日で無い子は学校で各々赤本をしている。
ピングーは学校にすら行かなくなってしまった。
私はオロオロした。
ピングーが休み続けて、暫くして
担任の先生から電話を貰った。
とにかく一日で良いから顔を見せに来いと。
来なかったら、こっちから行くから、と。
ピングーはイヤイヤ登校した。
その日はししまるちゃんの、合格した高校の制服採寸の日だった。
3歳違いのw受験で、私も忙しくしていた。
ちょうど出先で、私の携帯に先生から電話がかかって来た。
「ピングー君と、2時間話しました。進路指導の先生も学年主任の先生も交えて。」
「彼の本当の気持ちを話してくれました。今から家に帰しますから、聴いてやって下さい」
と言われた。
春からの新入生とその保護者でごった返す、ししまるちゃんの入学する高校内で、私の返事はめちゃくちゃ大声だったんじゃないかな。
🐧
その夜ピングーが言ったのは
①、○○大学に行きたい。
その大学は今の実力では絶対無理だ。
一年浪人させてくれ。
②、今、自分がここなら行ってもいいと思える、実力に合った△△大学の後期試験を受けさせてくれ。
もし、そこに合格しても○○大学への気持ちが変わらなければ、行かないかも知れない。
この二点だった。
とにかく直ぐに△△大学にネット出願して、後期受験させた。
3月末、ギリギリに△△大学の合格通知が届いた。
ピングーは○○大学への思いが強く、△△大学は行かないと言った。
さて、そこで激怒したのが夫サムである。
自分は高卒で必死に働いているのに、
浮かった大学を蹴って、来年合格できるかどうか分からない大学の為に浪人するだと💢
ずっと進路説明会に出ていた私は、ピングーの言い分も分かる。
家庭内はものすごく悪い雰囲気が続いた。
🐧
ちなみに、ピングーは決して、おとなしい勉強ばかりする子では無く、中学生の時はヤンチャだった。
サムが単身赴任だったのもあり、随分やらかしてくれた。
先生からよく電話がかかってきた。夜の10時に先生が来たり、警察まで迎えに行った事もあった。
だから、その高校に進学すると言った時、周りは驚いた。
中学校の先生も、「あなたにはあの高校は合わない」と言い切った。
その高校のオープンキャンパスで、ピングーは服装や髪型を、高校の先生に注意されていた。
「きみ、うちの生徒をよく見てご覧」と。
その子が3年後、大学受験に真摯に向き合う姿を見て、私は応援しようと思った。
サムは相変わらず怒ってる。
ピングーは宅浪する、と意地になってる。
がんばって、予備校の費用、
私が稼ぐわ!
その数週間後、私はちょっと珍しい場所での仕事に付きました。