弟があのニュータウンの家に帰って行く日。
本当に辛かった。
その頃の私は絶望の中にいた。
希望が無いのでは無く
自分の人生に絶望していた。
それから何ヶ月か経ち、私達の生活が大きく変わる事になる。
かつて、父親、おかあさん、私、弟の4人で、幸せに暮らしていた、あの家。
知らないオヤコ4人に乗っ取られたあの家。
山を切り拓いてつくられた
ニュータウンのあの家。
それを処分して、父親が仕事で知り合った人と再婚する事になった。
中一の夏休み最後の日に飛び出して、とうとう戻ることが無かった。
幸せな日もあった。
あのお家にサヨナラもありがとうも言えなかった。
これからどうなるのだろう‥
弟が幸せになってくれたらそれで良い。
私はこの団地でおばあちゃんと一緒に住んでいく。
そう思っていた。