先日ラッパーのECDが50代で亡くなった。
若い頃よく聴いていたが最近は全く聴いていなかったので
癌を患っていることは知らなかった。
自分が初めてECDのことを知ったのは、たしかスチャダラパーの
「タワーリングナンセンス」とかいうアルバムの中の一曲
「ロック雑誌」という曲で、高木完と共にフィーチャリング
されていたのでだったと思う。
短いパートだったが鋭いことを言う人だなと思った。
それ以来注目していたら、やがて「ホームシック」というアルバム
を出した。
ネタに井上陽水の「傘がない」を使ったりして、アルバムはバラエティに
富んで当時よく聴いた。
このアルバムでツイギーやユウザロックのことを知った自分は、どんどん
彼らの方を聴くようになっていった。
当時自分は20代半ばで彼らと歳が同じくらいだったのも共感した理由だ。
ECDはというとこの頃すでに40歳近くで1人だけ大人な印象だった。
96年にはそのECDが音頭をとり、日比谷で当時としては珍しいヒップホップ
だけのイベント「さんぴんキャンプ」を行う。
行けなかったがアルバムCDとビデオを買った。
今思えばこの時がシーンが最高に盛り上がっていたように思う。
このさんぴんキャンプ以降から自分はだんだんヒップホップに興味が
なくなっていってしまう。
アーティストの中にはやめた人も多いし違うジャンルへ行った人もいる。
ECDの新作のことも耳に入ってきたが、もう買う気はしなかった。
しかしほんの数年前に、何かの雑誌で小さな子供と一緒に載っていた
ECDを久しぶりに見る。
記事を読んでみると結婚し子供ができたことを知った。
ECDがアルコール中毒だったことも初めて知った。
その時音楽活動のほうが上手くいっていたかどうかは知らないが、
とにかくとても幸せそうに自分には見えた。