花火大会
配役：
スイート
芸人として成功を夢見る女の子。まだ幼い感じが残る。
向海
スイートの担当マネージャー。真面目な性格で、スイートを一番理解している人。
場面転換：
終始明転
場所設定：
季節は夏。
時刻は19:30頃、辺りは既に暗くなっている。
営業の帰り道、花火大会の河川敷ををスイートと向海が歩いて通り過ぎようとしている。
(開演)
向海 ：(舞台袖より２人で入場)温泉旅館さんの営業どうだった？
スイート；ん・・・。最初は右側前列３番目の人の反応が良かったんだけど。
向海 ：細かく見てるね。
スイート；当たり前じゃん！お客さんの反応見るのも、あたし達の仕事だし。でも、後はそれぞれでお酒飲んで勝手に喋って、こっちの話聞いてくれないし。今日のお客さん最低。
向海 ：また人のせいにする。だいたいさぁ、人の反応を見すぎなんだよ。何時も言ってるけど、スイートって・・・（ガミガミ、ガミガミ向海のお説教が始まる。アドリブでセリフが入るとベスト）
スイート：ごめんなさい、ごめんなさい。あー、もう。今日最低・・・。あっ！見て向海さん。花火、きれい。
向海 ：だな。ここの河川敷って、今日花火大会だったな。
（型物（リング・輪）花火が打ち上がる）ヒュ～～～、ドカーン。
スイート：あ、あの花火って、近所のハゲおやじに似てる。
向海 ：え？
スイート：だって、形がキモイもん。なんかカッパみたいだしぃ。
向海 ：ぶっｗ。
（千輪（センリン）花火が打ち上がる）ヒュ～～～、ドカーン。
スイート：あれ？なんか失敗ぽくない？あー。遅れてお花が一杯咲いてる。ちょーきれい。
向海 ：だな。スイートも一杯、お笑いの花を咲かせてな。
（２発続けて花火が打ち上がる）ヒュ～～～、ヒュ～～～、ドカーン。
スイート：あの花火ってあたし達みたい。
向海 ：どこが？
スイート：だって、大きな愛で包んでくれる向海さんと、寄り添ってるあたし。向海さんとあたしみたいじゃない？
向海 ：大きな愛ｗ？ スイートを俺が包んでるｗ？
スイート：（向海に寄り添う）向海さんと、ずーっとこうしていたい。
向海 ：え？ あははｗ。
（特大花火 八重芯（ヤシエン）が打ち上がる）ヒュ～～～・・・。
スイート：あー、あの大きいのは、あたしの花火。いっけー、いけいけ、テポドン花火ぃ！テポドン、ドカーーーン！！！
向海 ：ちょｗ。ちょｗ。声が大きすぎるよ。ロマンチックも何もあったもんじゃない！河川敷のお客さん、こっち見てるし。でもさ、なんか輝いてて、いいよ。
スイート：よーっし！でっかい花火、咲かせてやるぞ！
(暗転)
