豆日記

小豆原一朗の日記

ライブスケジュール&『おい!音楽!』全曲解説

2022年11月29日 | 豆日記

あれ?11月後半ってこんなに暖かったっけ?
コタツを出すタイミングを見計らっています。

『おい!音楽!』リリースツアー、無事終了しました。
全4箇所、来場してくれた皆様ありがとうございました。
こうやってツアー終わって、なんとか今後もやってこれそうな資金は集まりつつあります…金の話!

バンドで4日間続けて演奏するってのもあまりなかったし、
なんならツアー前に弾き語りワンマンで体力的に心配なところもあったけど
上り調子で演奏よくなっていったのが嬉しかった。
「遊び心を忘れずに閃いたことをやってみる!」が今回の裏テーマでもあった。
連日アレンジやセトリに関してメンバーと話し合いながら試行錯誤した時間も楽しかったな。

ひとまずリリースツアーは終わったけど、当然まだまだライブはやりますよ。
良い音源やグッズを少しでも多くの人に買ってもらいたい…金の話!
以下、ライブスケジュールです。

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●11月30日(水)大久保ひかりのうま 奥山漂流歌劇団pre「僕の好きな場所」
小豆原一朗(19:00出演)
佐々木泰雅
村上リョーケン
佐古勇気
奥山漂流歌劇団(ひとり編成)
開場18:30/開演19:00
2000円+オーダー
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●12/09(金)浅草Goldsounds
MLE Music presents「MLE大博覧会」7days FESーDAY.5ー
HOST:HIGH BONE MUSCLE/(O.A:AYUKA)
クオーツ星
GA-HA-
飛太
ビリー宮野
佐藤優子
専用アドレス予約受付
hagamemomemo@gmail.com
詳細はこちら

●12月18日(日)高円寺ウーハ
しずくだうみ
小豆原一朗(20:00出演)
OA:sommeil sommeil
開場19:00/開演19:30
TICKET:3,000円(+ワンオーダー)
チケット予約はこちら

●12/21(水)西荻窪ARTRION
【持ってないもの持つ三人】
小豆原一朗(20:20出演)
聞間拓
ムラカミロキ
開場18:30/開演19:30
前売¥2500 当日¥3000 (+1drink)
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●12/23(金)池袋Adm
「終わってるおっさんのクリスマスイブイブ」
小豆原一朗/ニッタパン…他出演者多数(画像参照)
開場18:00/開演18:30(22:30終演)
前売¥2500+1D 食べ物持ち込みOK
飲み放題¥2000
ご予約
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●12/31(土) 池袋Adm
Myベストテープ
プピリットパロ
moll 
クオーツ星 
ハシグチカナデリヤ
HUMANDRIVE
銀幕一楼とTIMECAFE
SUNdals
ハカイアクト。
Jimisen
and more…
開場18:00/開演18:30
前売¥2800+1Drink
プレイガイド:e+ 11/12(土)10:00発売
ご予約 toumeinotuki@yahoo.co.jp


●1/4(水)大阪昭和町ノーユーノーミー
「詩と志と四都ツアー2023」
新世界ホシヲ
刹澤尚志
小豆原一朗
Nonsugar
黒谷ギューン
斧出拓也
ご予約 toumeinotuki@yahoo.co.jp

●1/5(木)名古屋新栄ローリングマン
「詩と志と四都ツアー2023」
新世界ホシヲ
刹澤尚志
小豆原一朗
にたないけん
and more
ご予約 toumeinotuki@yahoo.co.jp

●1/6(金)京都二条nano
「詩と志と四都ツアー2023」
新世界ホシヲ
刹澤尚志
小豆原一朗
にたないけん
Nonsugar
西島衛
ご予約 toumeinotuki@yahoo.co.jp

●1/7(土)岡山表町Buddah
「詩と志と四都ツアー2023」
新世界ホシヲ
刹澤尚志
小豆原一朗
にたないけん
Nonsugar
ファズモトヒロユキ
ご予約 toumeinotuki@yahoo.co.jp

●1/9(月・祝)新宿Marble
ハシグチカナデリヤ
ザ・マスミサイル
クオーツ星
開場18:30/開演19:00
¥3000(D別)
ご予約はこちら

●1/14(土)山梨笛吹市スコレーセンター『集会室』
「スコレーロックフェス」
ザ・ビートレス
クオーツ星(15:00出演)
スーパーズン
開場13:30/開演14:00
入場無料(入場整理券必要)
問い合わせ055-263-7959(笛吹市スコレーセンター)

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毎度恒例の楽曲解説を。
早速、曲順に沿っていきましょうー

 

1.「人間妖怪」

この曲には(サウンド面で)バンドの特徴が詰まってるなあと思ったのと、
この音源の方向性を決めるのにピッタリな1曲目だなと。
今回、「踊れる」曲が多いのだ。
前作のEPとは比べ物にならないくらい、リズム隊のグルーヴが素晴らしい。

あの有名アニメの「妖怪人間」は人間になりたい妖怪の歌。
「人間妖怪」は妖怪になりたい人間の歌。
歌謡曲ってくらいにメロは立ってるものにしたかったし、
バンドでリズムを弄り倒してサウンドはかっこいいものになったな。

もともとこの曲は池袋Admのイベント「無菌GIG」で出来た曲。
このイベントってのが「お客さんからのリクエストに沿って曲を作る」というもの。
自分にはない発想と短期間で曲作り、そしてYouTube公開というプレッシャー。
コロナ禍でライブハウスが起死回生で行ったイベントだけど、これが非常に作曲家としてためになった。
大変だったけど、やってよかった。

メインのアコギはWater Pump Studioにあった「Gibson gospel」を使用。
これはGibsonがMartinのギターを真似て作ったところ、全然Martinじゃない音になったというシロモノ。
このギターがめちゃくちゃ音気持ちよくて今回のレコーディング、だいぶ使わせてもらった。
僕の持ってるGibson J-45(1964年)は枯れた音だけど、gospelは力強くキラキラしてるイメージ。

ちなみに、冒頭のジャーンって音やコーラスは僕がミックスした「プリプロ」の音をそのまま使ってる。
エンジニアのカワバタさんが「俺にはこの変んてこなミックスできないわ」と褒められてるのかバカにされてるのかわからない理由で採用に。

 

2.「アダムと僕」Music Video


これも「無菌GIG」で出来た曲。

「初出演から現在まで、自身のこの10数年のAdmでの日々を講談のように劇的な歌物語にしてほしい。
バンド盛衰記、先輩やライバルとの戦記物、取り巻く様々な人物記、などなどやりやすい箇所を好きな視点で高速まめラップ織り交ぜて」

みたいな感じでお願いしますm(_ _)m」
(リクエスト原文)
 
という、難題。
完成まで一週間(しかも他に2曲作りながら)。。。
しかし、火事場の馬鹿力というか、金銭も発生してるというか(また金の話!)、なんとかやり遂げた。

バンドでやっていいものか、そもそも池袋Adm以外でやって受け入れられるのか、などと考えて1年以上も漬けていたけど、いざやってみたらお客さんの反応がすこぶる良く、福(プピリットパロ)にも「これはMVにした方がいいですね!」って言われた。
当時、MVにするなんて発想はなかったけど、レコーディングしてくうちに色々頭の中で画が浮かんで、それがMVの元になっていった。
ほぼラップミュージック。かと思いきやバラードにまで変身する組曲。
最近じゃtiktok(最近始めました)で最初の10秒とかでその曲の良し悪しが判断されてしまう時代。
「いやいや、音楽は止まるまで正体はわからんよ」という意味も込めて5分間の最強の楽曲になった。

メインのギターは自分のGibson J-45を使用。
エレキとか色々重ねてみたけど、結局いらないってことになり、ギターは一本のみ。
つまり、今時の邦楽では珍しいほど音は少ない。
音が少ないからこそ一つ一つの音の良さが際立つし、バンドのダイナミック感が伝わるというもの。
今時のJ-POPは隙間があれば耳にうるさいくらい音重ねてるものだらけ。
味が濃ければ美味いわけじゃないし、濃い味付けは素材本来の旨味と栄養を削いでしまう。
 
 
3.「インスタグラムハニー」
 
この曲も「無菌GIG」のリクエストで生まれたもの。
オーダー自体は「7月生まれの私の誕生日プレゼントに」という内容だったけど、
曲作りのヒントのためにその方のInstagramを見てたら、だんだんネットストーカーのような気持ちになってきて、
(軽めの)ネットストーカーの曲が出来ました。
 
最初はギターのカッティングから作っていったのだけど、
最終的にサウンド自体は80年代のシティーポップを意識したものになった。
(この音源の中で一番爽やかな曲が、ネットストーカーの曲。。。)

バンドに持っていく時は主に僕がボーカル、ギター、ドラム(打ち込み)のデモを作ってメンバーに渡してる。そこにニッタパンがベースを入れてくれる。
この曲のベースはこれでもか!ってくらいに隙間があり、サビになっても隙間だらけ。
ニッタパンはこういう毎回違ったアプローチの仕方(ただ奇を衒うのではなく、ちゃんと理にかなってる)をしてくれてメンバーとしてすごく刺激になる。
 
エンジニアのカワバタさんのアイデアでボーカルは小節ごとに分けて録音した。
SMAPとか嵐みたいなグループのようにキャラクター分けして歌ってみました。
「よく分かんなかったけど、良いテイク!」と言われ、結果オーライで。

ギターはGibson J-45を使用。軽快なこの曲にはピッタリ。
間奏やアウトロの重ねギターはWater Pump Studioにあったエレガットギター(メーカーと名前聞き忘れた)を使用。
アコギでは出せない魅力的な音よね。
 
 
4.「赤鼻じゃないトナカイ」
 
サマーソングの次はクリスマスソング。
これも無菌GIGで生まれた曲。もう、無菌GIGアルバムみたいになってますけども。
これも池袋Admのお陰でございます(ちょいちょい恩を述べていくスタイル)

リクエストは
「「赤鼻のトナカイ」で有名なルドルフくん以外のトナカイ達にも歌を作ってあげてください」というもの。
クリスマスソングというと、明るくてほのぼのしてるか、バラードものというのが定番だけど、
「尖ってて突き刺す」ものにしたかった。「赤鼻のトナカイ」とは真逆のシリアスな楽曲に。
 
テーマは「脇役」とか「裏側」
道を照らして先頭を走るルドルフくんの後ろにいるトナカイたち。
煌びやかなイルミネーションに誤魔化されてる世界の裏側にいる人たち。
ルドルフ以外の8頭の名前が「コメット、ダッシャー、キューピッド、プリッツェン、ドンダー、ヴィクセン、ブランサー、ダンサー」
並べてみたら音が気持ちよくてそのままサビに入れてみた。

あと、冒頭Aメロの小節の頭が分からなくなる仕掛けも歌詞とリンクしてて気に入ってる。
先頭のルドルフくんの後ろで思うところあるトナカイくんたち。みたいな。
歌詞だけじゃなく音でも物語を紡いでいるので注目して欲しいとこ。
2番からずーっと同じコード回しになり、ギターがベース音、ベースがエレキみたいな音でリードを弾いてる。
音的にも面白い仕掛けの多い曲。
 
メインのギターはgospelを使用。
ザクザク切っていくストロークにはピッタリだった。
後半の重ねギターはエレガットとJ-45を混ぜた(アウトロでは別々のフレーズを弾いてる)。
この音色が冬っぽくてグッとドラマチックになった。
 
 
5.「煙の冠」
 
やっと「無菌GIG」じゃない曲きました。
これは2年前の誕生日弾き語りワンマンで初披露した曲。
1ヶ月でどれだけ作れるかってことで5曲披露した中の1曲(他にも「プレゼント」「バスタブのバブル」など)。
 
「自分の作った音楽の中では俺は王様!けど、なんかこの音楽、嘘っぽいなあ」
というような内容。
とはいえ、ほとんど「音の気持ちよさ」を優先して作った。
あと椎名林檎に習って大好きなベンジー(Blankey Jet City)を登場させました。
本人に聞かれたら、ビビって逃げるでしょう。
あと、サビで番号を数えてるように
「夜道ひとり(1)ぼっち つ(2)りばしに み(3)たてたホワイトライン」と数を密かにカウントしてる。
こんな感じに歌詞に仕掛けが散らばってるので発見してもらえたら。
 
元ネタはずっと前にあったがうまくいかず、8年くらい寝かしてたのを引っ張り出し、当時は見えなかった問題点が見え整えてこの形に。
音源化する前から結構ライブでやってて、わりかしフロアーが盛り上がる攻撃的な曲。
特にニッタパンのベースすごいことになってる。ベースだけ聞いても飯食える。
 
メインのギターはgospelを使用。メインのリフはJ-45。
キャラクターが全く違うから同じ音域弾いても個々が消し合わない。
あと、今回初のバンジョーを弾いてみた。これもWater Pump Studioのもの(便利だなあー)。
レコーディング期間中に練習して、なんとかワンフレーズ弾けるようになった。
こういう変化球系楽器を今後もっと使えるようになりたい。
 
 
6.「左利きとプラネタリウムと霊媒師」
 
これは去年の誕生日らへんに出来た曲。
自転車で自分が出演するライブハウスに向かってる最中に。
メロディーもコードも今まで作ってきた曲とは一味違うものに出来た。
コード詳しい人が聞けばかなりギリギリを攻めた曲とわかると思う。
間奏あけのトニーのフリーなドラムも気持ち良い。

レコーディングでは歌かなり苦労した。音程もだけど、気持ちが。
カワバタさんのアドバイスもいただいて、細かいところまで組み立てていった。
「アダムと僕」みたいな早口ラップよりもこういう「歌もの」が一番苦労したりする。
 
ちなみに、生まれてこの方、幽霊はみたことない。
だからって存在を否定するでもなく、
歌ってたらいつか現れたりするかな〜なんて淡い期待もしてる。
 
メインはJ-45。重ねのギターはエレガットを使用。
サビの流れ星みたいなギターフレーズがお気に入り。
 
 
7.「笛吹きおじさん」
 
最後の曲は「無菌GIG」からの曲。
 
(原文引用)
「(中略)豆さんの言葉で、気候変動が訪れる前の四季になぞらえて、生活・人生の場面を歌ってください。
 一日の中に四季をはめ込んでもいいし、夢の中で季節を巡ってもいいし、出会う人の象徴にしてもいいです。」
 
というもので「季節」そのものをテーマにしてみた。
今回の収録曲にはサマーソングもクリスマスソングもあるし、
星の歌ってことでバンド名ともリンクしてるし、音楽についての歌でもあるし、
サビで「おーい」っていう言葉も再び出てくるしで、『おい!音楽!』を締め括るにはぴったりの曲。
それからリクエストしてくれたのがLife is a gasさんということで歌詞に「ガス」を入れたのと、
数え歌になってて、「や(8)わらかな く(9)らやみが おてん(10)とう(10)さま」まで随所に数入れて10まで数えてる。
はっここまで解説するのは、野暮か…
 
このバンドの演奏が非常に感情的で、泣ける。
いっせーのせ、で3人別々のブースで録音した。
AメロBメロだけのシンプル楽曲と見せかけて、
BPMは変わるし、ギリギリの転調もしてるし、でスリリングな曲。

「アイコンタクトもなしでなんで合ったんだろう」って思える場面が沢山あった。
そこら辺もライブで再現しているし、その日の感情でライブでは毎回違うものになってるので是非ともライブで見てもらいたい曲。
バシッと決まった瞬間、大袈裟じゃなく、メンバーだけじゃなく、エンジニアも、全員が音楽に触れてる気がした。

メインギターはJ-45を使用。
俺よりも年上のおじいちゃんギターの枯れてる音がピッタリ。
このギターもかなり長いこと使っててボディーも曲がってきてて、
メンテナンスではどうにもならないくらいになってきた。
次回作までには大工事をしないとならないかも、、、
 
プロのドラマーでもあるカワバタさんが
「クオーツ星のドラムはやりたくない」と言ってた。
(きっと褒め言葉だと信じてる)
 
そういえば、この曲は僕がアコギとボーカルのみ弾き語り状態で聞かせて、メンバーと1から作った。
僕の打ち込みでは出せないものだと思ったので。
結果アレンジの幅や解釈も膨らんで、このやり方ですすめて正解だった。
この3人じゃなきゃ出来ない曲だ。
 
 
まとめ
 
 
以上、全曲解説するに当たって歌詞カード見ながら音源と向き合ってみた。
 
全部の曲に共通しているのは
「幻」と「現」
 
妄想だけで終わらせたくなかったし、現実の出来事ってだけで終わらせたくなかった。
だって人間って1日の1/3は眠ってるわけで、人生の1/3は夢の中なわけで(ショートスリーパーは知らんけど)
0か100なんてものもなくて、僕らは異なるものの交差してる地点に立って生きてる。
 
どんな人間も、良いところもあれば、悪いところもある。
見る角度によっていつもの風景が幻想的になったりする。
音楽はそれを更に促進してくれる効果があると思ってる。
お伽話もメンヘラも厨二病もなんでもない日常も音楽の中では輝ける。
 
君がみてるこの世界ひとつじゃないかもよ?
こんな見方もあるけど、どう?
 
そんな感じで「幻」と「現」をいったりきたりしてもらったらこれ幸い。

そして忘れてはならないのが、歌詞カードの中身も漫画形式になってて面白い。
「名曲くん!(ジャケのキャラクター)が名曲を探して冒険する」というもの。
毎回、ハル君(アートワーク担当)のセンスには驚かされる。
 
そして、以上つらつらと書いてきたこと度外視しても音楽として間違いなくかっこいい。
聴いて、味わって、またライブハウスで会いましょう。
 

会場限定販売
クオーツ星1st mini album
『おい!音楽!』
1.人間妖怪
2.アダムと僕(MV曲)
3.インスタグラムハニー
4.赤鼻じゃないトナカイ
5.煙の冠
6.左利きとプラネタリウムと霊媒師
7.笛吹きおじさん

2,000円(税込み)


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