最近、電車を見てもちっとも興奮しない。それどころか「うざい、さっさと通り過ぎろ!」と思うようになった。
なぜだろう… 昔は電車が好きで好きでどうしようもなかった。街を歩いていようが車で通り掛かろうが、駅を発見すれば「でんしゃのりたい!」と親に必死になってせがんだり、本屋で電車本を見つけりゃ「かって!」と親に必死になってせがんだり、一人で車掌ごっこなんてやってたり、京成小岩駅前の田中眼科の窓からずーっと始発の三崎口行きを眺めていたり、それはそれは親も手が付けられないほどの電車好きであった。この世の交通機関は電車だけでいい、とさえ思っていた。もちろん当時の将来の夢は電車の運転手さん。
それが…なぜ?なぜこんなに嫌気がさしてきたのか…?
思うに最近の電車、特に民営化以降のJR東日本は金太郎アメ的に次から次へと同じような形の列車しか製造しないからではないか?それを言うなら国鉄だって同じ形ばっかりだったじゃないか、と反論が来そうだがそれは違うと思う。
確かに国鉄も同じ形ばかりであったが塗装ではっきりと路線の区別をしていたではないか!全面に塗装をかけて誰が見ても「あっ、まーるい緑の山手線だー」などと一目瞭然とすることで個性を出していたのではなかろうか。それが故に湘南色・横須賀色といった”塗装”にも愛称が生まれたのではないかと思う。それに国電時代、パッと見は黄色い総武線なのに真ん中の1~2両だけが中央線の朱い色、あるいは京浜東北線の青い色、はたまた山手線の黄緑色の車両が混ざっていた事もかなり強烈な記憶として残っている。自分はマニアじゃないから事情はよくわからないが、途中で色が変わるという異常さが電車に乗る楽しみを助長していた。あとは中間部と先頭部が連結していたこと。先頭部は非貫通なので中間部の扉を「これでもか!」というほど鎖でがんじがらめにしていたのもかなり感動的な光景であった。総武線以外でもそういうのあったんですかね?
ところが最近の総武線は、来る電車来る電車が横から見たってステンレスに筋一本でちっとも味気なく、前から見りゃシロテテナガザルのナナちゃんみたいな顔で非常にみっともない。私鉄もそういう傾向になりつつあるから余計に東京の電車はつまらなくなってきた。バカタレが。電光掲示の行き先もよせ。非常に見づらい。
ビジュアルだけではなくサウンドも最近はつまらなくなってきた。むかしは吊掛けだの103系だのなんだのとモーターがけたたましい音を出して、いかにも「電車だぞ」と自己主張していた。それが最近の新型車両は訳のわからない耳障りな電子音ばかりで実に不愉快。「車内での携帯電話は周りのご迷惑になりますのでご遠慮下さい」なんてアナウンスをよく聞くが、つまらない電子音を聴かせる電車のほうも自分にとってはかなり迷惑なので遠慮してくれ。反省してもらいたい。 そんなつまらない電車が次から次へと世に送り出されるなか、電子音を逆手にとったシーメンス社製インバーター搭載の「ファソラシ♭」列車はかなり独創的と言える。ドイツ人はやっぱり音を大切にするんだなぁ…ステンレス帯一本電車を製造ぜす、サウンドにもこだわる京浜急行はどこかひとあじ違うぞ。スリ・チカン・酔っ払いが多いことで有名な常磐線にも「ファソラシ♭」列車はあるが、ナナちゃん顔・ロングシート・ストリーム(実用号)より硬い座席のせいで乗る気ゼロ。そういや京急は他社に比べてシートもソフトで座り心地がいいんだよね。やはりどこか違う。
もはや京浜急行以外の個性無き電車とはもう付き合えない為、現在ではもっぱら車に夢中の今日この頃みなさまいかがお過ごしでしょうか。車・好き勝手論も追々登場することでしょう。今回はこれにて失礼します。
(2003年7月7日掲載)
なぜだろう… 昔は電車が好きで好きでどうしようもなかった。街を歩いていようが車で通り掛かろうが、駅を発見すれば「でんしゃのりたい!」と親に必死になってせがんだり、本屋で電車本を見つけりゃ「かって!」と親に必死になってせがんだり、一人で車掌ごっこなんてやってたり、京成小岩駅前の田中眼科の窓からずーっと始発の三崎口行きを眺めていたり、それはそれは親も手が付けられないほどの電車好きであった。この世の交通機関は電車だけでいい、とさえ思っていた。もちろん当時の将来の夢は電車の運転手さん。
それが…なぜ?なぜこんなに嫌気がさしてきたのか…?
思うに最近の電車、特に民営化以降のJR東日本は金太郎アメ的に次から次へと同じような形の列車しか製造しないからではないか?それを言うなら国鉄だって同じ形ばっかりだったじゃないか、と反論が来そうだがそれは違うと思う。
確かに国鉄も同じ形ばかりであったが塗装ではっきりと路線の区別をしていたではないか!全面に塗装をかけて誰が見ても「あっ、まーるい緑の山手線だー」などと一目瞭然とすることで個性を出していたのではなかろうか。それが故に湘南色・横須賀色といった”塗装”にも愛称が生まれたのではないかと思う。それに国電時代、パッと見は黄色い総武線なのに真ん中の1~2両だけが中央線の朱い色、あるいは京浜東北線の青い色、はたまた山手線の黄緑色の車両が混ざっていた事もかなり強烈な記憶として残っている。自分はマニアじゃないから事情はよくわからないが、途中で色が変わるという異常さが電車に乗る楽しみを助長していた。あとは中間部と先頭部が連結していたこと。先頭部は非貫通なので中間部の扉を「これでもか!」というほど鎖でがんじがらめにしていたのもかなり感動的な光景であった。総武線以外でもそういうのあったんですかね?
ところが最近の総武線は、来る電車来る電車が横から見たってステンレスに筋一本でちっとも味気なく、前から見りゃシロテテナガザルのナナちゃんみたいな顔で非常にみっともない。私鉄もそういう傾向になりつつあるから余計に東京の電車はつまらなくなってきた。バカタレが。電光掲示の行き先もよせ。非常に見づらい。
ビジュアルだけではなくサウンドも最近はつまらなくなってきた。むかしは吊掛けだの103系だのなんだのとモーターがけたたましい音を出して、いかにも「電車だぞ」と自己主張していた。それが最近の新型車両は訳のわからない耳障りな電子音ばかりで実に不愉快。「車内での携帯電話は周りのご迷惑になりますのでご遠慮下さい」なんてアナウンスをよく聞くが、つまらない電子音を聴かせる電車のほうも自分にとってはかなり迷惑なので遠慮してくれ。反省してもらいたい。 そんなつまらない電車が次から次へと世に送り出されるなか、電子音を逆手にとったシーメンス社製インバーター搭載の「ファソラシ♭」列車はかなり独創的と言える。ドイツ人はやっぱり音を大切にするんだなぁ…ステンレス帯一本電車を製造ぜす、サウンドにもこだわる京浜急行はどこかひとあじ違うぞ。スリ・チカン・酔っ払いが多いことで有名な常磐線にも「ファソラシ♭」列車はあるが、ナナちゃん顔・ロングシート・ストリーム(実用号)より硬い座席のせいで乗る気ゼロ。そういや京急は他社に比べてシートもソフトで座り心地がいいんだよね。やはりどこか違う。
もはや京浜急行以外の個性無き電車とはもう付き合えない為、現在ではもっぱら車に夢中の今日この頃みなさまいかがお過ごしでしょうか。車・好き勝手論も追々登場することでしょう。今回はこれにて失礼します。
(2003年7月7日掲載)
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