60年ぶりスト 西武池袋が変わらないといけないこと
>地方の百貨店を取り巻く環境は昭和の終わりの頃から変わりつつあり、歴史ある百貨店も相次いで閉店を余儀なくされている。特に影響が大きいのは地方におけるモータリゼーションの進展だ。
>地方の大型商業施設の立地が、百貨店のある中心市街地から自家用車でのアクセスが容易な郊外の基幹道路沿いに変化している。地方では郊外の一戸建てに住む人が多い中、駐車場確保がままならず、駐車料が有料である中心市街地より、無料駐車場が多く用意される郊外の大型商業施設の方が利用しやすい。
>流通業界ではイオンなどの、何でもそろい、映画や食事なども楽しめる大型商業施設が郊外バイパス沿いに相次いで出店。ドラッグストア系の食品・生活雑貨中心の大型スーパーやファッション系が充実しているアウトレットモールの展開も進んでいる。一方で、Amazon(アマゾン)をはじめとするネット通販も利便性を高めている。
>百貨店の多くが立地する中心市街地の活性化が地方で難しいのは事業を担う経営者や行政の問題だけではないのは明らかだ。地方では人口減少が進む中、モータリゼーションの進展に歯止めがかからず、中心市街地は郊外との激しい競争にさらされているからだ。
>JR各線や東武東上線、西武池袋線は直通運転などにより東京都心や東京を飛び越えて神奈川県にまで延伸を進め、乗客の一部は確実に池袋で乗り換える機会が減っている。
>コロナ禍で大企業を中心に広がったリモートワークは特に東京圏の通勤客の減少につながっているのも懸念される。ターミナル駅に立地し、自ら経営する路線の住民を集客することで繁栄してきた電鉄系百貨店は、西武池袋以外でもこれまでのビジネスモデルの変革が求められているといえよう。
>大都市圏でも地方でも百貨店では近隣住民シフトが徐々に進んでいる。大都市圏でも今後の人口減少が避けられないことや、コロナ禍で人が住まない繁華街の脆弱性を明らかになったことを考えると、今後のまちづくりでは職住遊近接型のまちづくりが志向されよう。大都市圏に立地する百貨店もそのようなトレンドに沿った変革が求められている。
>生活していく中で、必要となる機会が多いのはブランド品よりも家電だろう。ヨドバシカメラが駅にあれば、消耗した家電部品を購入できるし、故障した時にすぐに相談ができる。また、池袋には、すでにビックカメラとヤマダ電機の大型店舗があり、「家電の街」の価格競争やサービス競争も期待できる。この3社は電化製品だけでなく、食品や雑貨などが比較的充実していることでも知られており、近隣の住民にとっては家電関連以外でも使い勝手が良い。
老害区長が現在の池袋を見てなかったことが良く判る