インドネシア:選挙批判者を釈放し、暴力を捜査せよ
アチェとパプアでの逮捕や問題は選挙前期間を台無しにしている
(ニューヨーク2009年4月8日)-インドネシア政府は選挙前暴力を公平に捜査するべきであるし、2009年4月9日の国会議員選挙までの期間に逮捕された、全ての非暴力批判者を釈放しなければならない、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。
44政党が、国会議員、地方議会議員、州議会議員、地域議会議員の議席を求めて全国で行なわれる選挙で競い合う予定である。この内38政党が全国政党であり、残りの6政党は、2005年8月インドネシア政府と自由アチェ運動(Free Aceh Movement)の間で調印されたヘルシンキ和平合意の後、設立されたスマトラ北部アチェにある地域政党だ。
「証拠がどこに結びつこうとも関係なく、政府は選挙前暴力に対して厳重な捜査を行なうべきである。」と、ブラッド・アダムス、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アジア局長は述べた。「インドネシアは大きく不安定な国なので、選挙にまつわる暴力は不可避である、などという事を誰も容認するべきではないし、言ってはならない。不可避な人権侵害などない。」
1月以来、自由アチェ運動の政党であるアチェ党の政治家5名が殺害されている。最近の事件は、4月4日にラングサ(Langsa)の町で、アチェ党党首ムハマド・ジャミル(Muhamad Jamil)正体不明の者たちによって胸を銃撃されたというもの。複数の党事務所が爆破され、インドネシア兵によって党の旗が下ろされた。
パプアでは学生が、ナビレ(Nabire)とジャヤプラ(Jayapura)での選挙に反対し、国連主催の将来のパプアに関しての住民投票を求める、平和的な集会を開催した。4月6日、ナビレ(Nabire)でインドネシア警察はデモ隊に向かって発砲、学生4名に重傷を負わせた。4月3日に同じくインドネシア警察がジャヤプラ(Jayapura)のパプア慣例評議会(Papua Customary Council)の構内に手入れを行い、そこに居た学生15名とジャヤプラ(Jayapura)港にいた2名を逮捕した。又ワメナ(Wamena)の学生3名も逮捕された。学生たちは2008年11月からパプア慣例評議会(Papua Customary Council)の構内でキャンプをしていた。
警察はジャヤプラ(Jayapura)の学生の内ムサ・タブニ(Musa Tabuni)、セラフィン・ディアズ(Serafin Diaz)、ヤンス・モッテ(Yance Motte)の3名を反逆罪容疑及び扇動罪容疑で起訴した。3名は最悪で終身刑に処される可能性がある。
「インドネシア政府は平和的な批判者及び活動家を釈放するべきである。」とアダムスは述べた。「選挙を批判する人々を投獄するのは民主主義を愚弄する行為である。」