ヤンディーズ

現在闘病中で「病んでいる」ボーカル&ギタリスト、「太郎」の独り言

ジューダスプリースト 「運命の翼」 再考

2020年09月05日 | 音楽
台風10号通過予定の地域の皆様の安全をお祈りします。
そして、台風日本列島から外れてくれる事を願っております。

漸くステレオが修理から返ってきたのですが
配線するのに疲れ果ててしまいました。
漸くCD等聴ける状況になりまだまだ未知のCDを聴こうにも
体調が悪すぎて。気圧、コロナ鬱、介護鬱ですな。

と、主題は76年リリースのジューダスプリースト「運命の翼」です。
私自身、ヘビーメタルになる前のプリーストの名盤は?と聞かれたら
真っ先に、この作品を選ぶでしょう。「ステンドクラス」も捨てがたいですが。
この時代はこういう名作を出してもパンクブームでメタクソで
ホント食べれず、KKは政府の生活保障を得る寸前である現場の
見張りというかなんちゃって常駐警備の仕事を得たそうですな。
グレンはどうかわかりませんが、階級制度の強い労働階級出身のバンドですから。

ガルレコードというインディーのジャズレーベルから出したせいで
殆どレコード会社のサポートが得れず、次作「背信の門」で
本人達が語るのは「神の助けだ!」というメジャーのCBSに移り
作品を流通しましたが、私達の後追い世代に運命の翼とロッカローラは
ガルレコードの利権独占でCD化が非常に遅れ苦々しかったです。
たまたま、友人がこのアルバムのレコード盤を持っており
聴いて見ると、コレは素晴らしい!でした。
スピードメタルが主流になっていた頃、一曲目から
テンポ♩81位のスローペースで長尺の曲から始まると
確かに驚く時代だとは思いますが、既にライブ盤でこの曲を知っているので
素晴らしい出だしです。

Judas Priest - Victim Of Changes


75年にはプリプロやってレコーディング体勢に入っていたと思うのですが
ベースのイアンヒル曰く「コレこそ真のデビューアルバムだ!」と。
作品に全くブレが無い、完成され尽くしております。
KK主導だった曲造りに幅広い音楽性を持つ年長者グレンが積極的に
曲造りに関与してきた事も有りぐっーと幅も広くなります。
(そのグレンの独占ぶりが創始者KKとプリーストとの
埋められない溝が生まれてしまうのですが)

当時イギリスで若手三羽烏と呼ばれたUFO、シンリジー
そしてジューダスプリースト。
後にメタルゴッドの地位を確立する前のこの頃は
様式美、クイーンの後陣組みに扱われたのでしょうね。
実際、影がありながらもクラッシックの要素も含み
ヘビーなギターリフ、美しいツインリードを作り出しており
それが後々プリーストの看板となり、若手スラッシュメタル達に
影響を与え、プリーストも時代に同調していくのですから。

今、若い世代にも人気を得ているヘビーメタル。
ライブのハイライトで上の「ヴィクティムオブチェインジーズ」
(生贄)は凄くダルい!と不評を聞きます。
アグレッシブさを求めるには物足りないのでしょう。
逆に30年前「ペインキラー」が一世風靡していた頃
そのペインキラーをバイト先の友人に貸しても
イマイチな反応。が自分で買ってみたこの運命の翼を聴いて
「感動した!!!」と態度がコロっと変わり、毎日の様に
特に初期からのプリーストの作品を買い出していく光景が驚きでした。

このヘビー且つ美しいギターの厚みは
現ギタリストのリッチーフォクナーとヘルプのアンディースニープでは
出しきれておりません。やはりグレンとKKではないと。
特にKKのリズムギターの迫力ですね。
やはり年齢的に衰えたロブハルホードの歌は
現在69歳にて元祖伸び伸びハイトーンボーカルは絶好調で
本当に驚きます。若返り。
グレンは残念な事にパーキンソン病で戦線離脱しておりますが
長く生きて欲しいです。
ドラマーはよく変わったけど、ペインキラーから参加した
元レーサーXのスコットトラヴィスにはこのヴィクティムオブチェインジーズを
オーディションで叩かせたそう。
ポールギルバートという速弾きギタリストを中心におくスピード系バンド出身の
スコットにこの曲は相当難しかった様で、実際ペインキラーツアーでも
リズムのヨレが指摘されておりました。
私は純粋に熱狂していたのですが。
今は年齢を重ね体力面でも円熟味を出し、この曲も
何の違和感なく叩いております。
スピードナンバーと呼ばれるのは「タイラント」位ですが
「ジェノサイド」と続き教会の聖歌隊かの様な「エピタフ」への繋ぎは
最高です。
46年経った今、クラッシックハードロックアルバムで
改めて「名盤」として再々評価されて貰いたい作品です。

ペインキラーがリリースされた頃、燃えろ!誌の別冊
「メタリオン」だったかな?の「運命の翼」の再レコード評で
異例的な「オールA」だった事に当時驚きました。
オリジナルのレコード盤のライナーノーツは大貫憲章さんでしたな。

ササっと短文で終わらすつもりが長文になってしまいました。
13年程前に一度、記事にしてはいるのですが。

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4 コメント

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Unknown (サイコチキン)
2020-09-05 07:42:24
太郎さ~ん🎸。。。ブリティッシュハードロックから流れ、流れてきたロートルには、このムダの無いベビーさが…たまらんのですよ✌
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サイコチキンさん (太郎)
2020-09-05 22:56:12
この作品は完璧ですよね。
歌詞の内容を除けば、音楽的に精度の高いコンセプトアルバムみたいです。
当時のサバスの怖いリフとは違い攻撃的なヘビーメタルリフです。
返信する
Unknown (KANA)
2020-09-05 23:36:59
メタルに目覚めたきっかけはFreeWheel Burningでしたが、最初に手に入れたPreastのアルバムは本作でした。
個人的にはA面の構成が見事です。Dreamer DeceiverからDeceiverへの流れは今聴いても痺れます!独裁者(Tyrant)、夢想家(DreamerDeceiver)、裏切り者の歌(Deceiver)等邦題もカッコ良し!
返信する
KANAさん (太郎)
2020-09-06 00:45:10
あらま、そうだったんですか!KANAさんのメタルの入り口がフリーウィールバーニングだったとは。
私もメタルを決定させたのは同曲でした。
A面の構成もホント見事ですよね。あの二曲続けて聴くこと意義が有るという位。
生贄、切り裂きジャック、独裁者、虐殺、墓碑銘と邦題が頭に残ります。
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