横浜物語

横浜の一角から色々な情報を発信します。

あっこちゃん

2008-05-29 22:39:11 | 仕事
彼女は昨年4月に我が社に入社しそして今年の3月に
退社していった。

生まれたときから大学卒業まで親元で育ちそれは穏やかな
大人しいそれでいて一生懸命な女性だった。
そんな彼女が昨年暮れに突然会社を辞めたいと言って
きたときにはビックリすると同時にそこまで悩んでいた
のを気づいてあげられなかったのを心底悔やんだものだ。

女性だが建築学部出身でどうしても接するのは工事現場の
人たち相手になる。可愛い女性が来ればからかいたくなる
事もあるだろう、相手は決して悪気があったのではないが
からかわれた本人はそれが苦痛になっていたようだ。
22年、地元にいたのでイントネーションが違うこともあり
それも気にしていたようである。
都会の子に比べて寡黙であったのもそんな理由があった
のかも知れない。

辞める意思が強かったので今後を建築部長たちと相談した時
地元に帰りたいという。地域格差はこの業界も同じこと。
特に建築関係に大学卒の女性が中途入社するということは
大変な事。東京に本社のある大手建設会社にお願いして
地場の大手を数社紹介していただく。
幸いなことに優秀な子であったので地元一番の建築会社に
再就職が決まり希望に燃えて故郷に戻っていった。

辞めた子とはいえ、その後が気になるのは在籍している子達
と変わらない。
2日前に建築部長と会いに行きましょうと話しがまとまり
あっ子ちゃんに会いに行った。
先方の社長さんが訪ねていった私達にわざわざ時間をとって
下さり昼食を立派な料理屋さんでご馳走になる。
こちらにいるときにはスーツに身を包んでいた彼女が会社に
行くと作業着をまといすっかり建築屋になっているのは
嬉しい事だった。
社長さん曰く「黙々と働く良い社員です。中央の風を会社に
吹き込んでくれて他の社員にもよい刺激になります。東京式
の仕事のやり方も参考になるし若い社員が学ぼうという気に
なってくれたのが一番の効果です」と言っていただいた。
あっ子ちゃんが笑いながら「会社の人がね、私に向かって
『なんが、東京弁はなしとるんだべ』って言うんですよ」
こんな屈託のないあっこちゃんの笑顔を見たのは何時以来
だろう。嬉しくてジーンとしてしまう。
歳のせいかこのごろは涙もろくて困ります。

往復11時間弱、滞在時間4時間と慌しい時間ではあったが
ずっと胸の片隅にくすぶっていたことが晴れ充実した1日
であった。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こちらまでポカポカ♪ (なこぽん)
2008-05-30 09:24:41
お久しぶりです。お元気ですか?
離れていった社員を思うYOKOHAMAさんの思いやりと、そうしたくなる彼女の人間性が同じ波長のように思えました。
なんかとっても良いお話で思わずコメントしちゃいました(^^)
返信する
お久しぶりです。 (YOKOHAMA)
2008-05-31 00:32:17
こちらこそご無沙汰しています。
お褒めに預かって恐縮してしまいます。

仰るように本当に良い子なんです。
そんな彼女を何時までも見守っていたいと
思っています。

ところで明日はレジェンド、良いですねーー。
8月のコンサートには伺いたいな。
又、広島駅まで送ってくださいね(笑)
返信する
ほんと、 (ふぁ~)
2008-05-31 22:25:54
暖かく見守っている気持ちが伝わってきますね。
返信する
 (YOKOHAMA)
2008-06-02 16:05:48
男の子しかいない私にとって会社の
女子社員はみんな娘のような存在です。

私が将来老人ホームに入った折には
みんながローテーションを組んで面会に
来てくれることになっています。
返信する

コメントを投稿