今朝は本当に寒かったですね。布団から出るのに、かなりの勇気が必要でした。曇っていた空に、やっと日が差し始めたと思った
ら、また薄曇りに・・・。今日はこんな天気が続くのでしょう。風がないだけ、ましですかね(笑)。
さて、今回は、第20回の「白衣観音(びゃくえかんのん)立像」(六寸)に引き続き、「聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)
立像」(七寸)を紹介させていただきます。2017年一月に拝刀を開始し、同年八月に拝刀を完了したものです。
写真右下の「白衣観音立像」と比べ、先ず、大きさが六寸から七寸へと一回り大きくなりました。纏っている衣の襞や頭部の彫り、
手に持っている蓮も複雑化します。そして、何よりも大きな違いは「腕」と「手」が現れたことです。
「腕」の制作では、全体の形は勿論ですが、体とのバランスや肘・手首の位置、指の長さなど、多くの課題があって、なかなかに
難しいものでした(下がっている右手の指の長さが短く、手全体の形もいびつ)。
ところで、「観音」とは「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」の略ですが、時代を経るにしたがって、十一面観音や千手観音、馬
頭観音、如意輪観音など(三十三身)多くの姿に変化しているため、今回のような作品は一番もとの観音という意味で、特に「聖
観音」「正観音」と呼ばれます。
また、観音菩薩の「観音」は「音を観る」と書きますが、仏教では「観る=聞く」、併せて、「音」には「人々の苦しみ」という
意味が込められており、「観音菩薩」とは、人々の苦しみの声を聞き、救いを施す菩薩ということになります。そのため、「観音
菩薩」は、自分の心を自在にコントロールし、世間のありのままを観察できる 十通りの力(① 寿自在 ② 心自在 ③ 財自在 ④ 業
自在 ⑤ 生自在 ⑥ 勝解自在 ⑦ 願自在 ⑧ 神力自在 ⑨ 智自在 ⑩ 法自在)を獲得しており、「観自在菩薩」と称されることもあ
ります。
「観音菩薩」のご利益は「七難を免れること」で、 七難とは、① 火難(かなん):火による災難 ② 水難(すいなん):水によ
る災難 ③ 羅刹難(らせつなん):悪い鬼による災難 ④ 刀杖難(とうじょうなん):武器による災難 ⑤ 鬼難(きなん):死
んだ物の霊による災難 ⑥ 伽鎖難(かさなん):投獄される災難 ⑦ 怨賊難(おんぞくなん):悪人による災難 を意味していま
す。
因みに、私のための『女難』がありませんが・・・(笑)。
〇 やさしさの まなこの奥に 十自在秘め
〇 わざわいを 取り除き給うや 南無観世音
〇 ありがたや かんのんさまの すくと立つ
訪問感謝。ではまた次回に。 合掌