今 夜
ウッラ アルシャド
日本語訳 加藤博美
今夜 数十億の星が燃えているのが 見える
多分 星は もっとある
幾千億 今夜の空には
私の視線の及ばないところに もっと 夥しい星々が…
私は 夜 家の傍に立っている
今 空の星を たった 一人で 見詰めている
私は この世で 沢山の星を見て来た
春の満月の夜 繰り返される闇の中で…
この人生のページから
幾つもの春が 去って行ってしまった
後 幾つ 春が 残っているのか
私は 知らない
今 人々は皆 眠っている
静寂の夜に 包まれていることさえ
彼らは 意識せずに
春の朝 人々は 鳥の声で 目覚める
新しい 一つの日が 始まり
その一日も 彼らが気付かぬうちに 過去になる
この頃 心の中に 一つの疑問が浮かぶ
この 大地の胸の上で 休めるのは 後 どれくらいか と
私は 来客として この世に 何日 憩えるのだろう
精神の目を凝らして 遠くを 眺める
光の速度でも摑めない 私の死の使いの 足取りを 捉えようとして…
朝になるまでには もう少しの 時間がある だが
そんな短い時間では 私の死の影は 私の視線に触れることはない
恐らく 今は 未だ そのときではないのだ と
自らの胸に 言い聞かせてみる
けれど 死の影
それは 突然 訪れる
明日 あるいは 明後日 次の日 又は もっと後の日なのかも知れない
私の魂が 目覚めていて 私の強烈な眼差しが 持続するのであれば
私は もしかしたら その影が 私の心臓を抉る直前に
その風を 頬に感じることが出来るのかも知れない
少し前に 東の空に 太陽が昇り始めた
私は 今 このときを呼吸する
今は 未だ 私の死ぬときではないらしい
ウッラ アルシャド
日本語訳 加藤博美
今夜 数十億の星が燃えているのが 見える
多分 星は もっとある
幾千億 今夜の空には
私の視線の及ばないところに もっと 夥しい星々が…
私は 夜 家の傍に立っている
今 空の星を たった 一人で 見詰めている
私は この世で 沢山の星を見て来た
春の満月の夜 繰り返される闇の中で…
この人生のページから
幾つもの春が 去って行ってしまった
後 幾つ 春が 残っているのか
私は 知らない
今 人々は皆 眠っている
静寂の夜に 包まれていることさえ
彼らは 意識せずに
春の朝 人々は 鳥の声で 目覚める
新しい 一つの日が 始まり
その一日も 彼らが気付かぬうちに 過去になる
この頃 心の中に 一つの疑問が浮かぶ
この 大地の胸の上で 休めるのは 後 どれくらいか と
私は 来客として この世に 何日 憩えるのだろう
精神の目を凝らして 遠くを 眺める
光の速度でも摑めない 私の死の使いの 足取りを 捉えようとして…
朝になるまでには もう少しの 時間がある だが
そんな短い時間では 私の死の影は 私の視線に触れることはない
恐らく 今は 未だ そのときではないのだ と
自らの胸に 言い聞かせてみる
けれど 死の影
それは 突然 訪れる
明日 あるいは 明後日 次の日 又は もっと後の日なのかも知れない
私の魂が 目覚めていて 私の強烈な眼差しが 持続するのであれば
私は もしかしたら その影が 私の心臓を抉る直前に
その風を 頬に感じることが出来るのかも知れない
少し前に 東の空に 太陽が昇り始めた
私は 今 このときを呼吸する
今は 未だ 私の死ぬときではないらしい