愛の戦争
アルシャド ウッラ
日本語訳 加藤博美
明け方近く 闇の中で 寄り添う 若い男女
ふたりの笑顔は 金星のように 若さで耀く
満月の夜 男は 女に 一輪の薔薇を差し出し
将来の夢を 愛に満ちた言葉で 語った
金星は 彼らの証人のようだった
彼らは 夜 確かに 約束をした
新しい愛が 彼らの中に 芽生えた
その夜以来 男は 毎日 一輪の薔薇を 女に届けに来た
夏の焼けた 一筋の道を通って
彼が 彼女に 薔薇を与えるとき
彼女の微笑みが 彼の疲れを すっかり 消し去った
幾つかの春が巡る間 薔薇は 彼らの命の中で 枯れずに 咲き続けていた
今朝 無数の朝露が光る 草深い 一筋の道を 裸足の女が 独り 歩いていく
一体 何故なのか 誰にも分かりはしない
駅に続く 一筋の冷たい道を 彼女は 裸足で 歩いていく
彼女は 愛の戦争に 敗れてしまった
アルシャド ウッラ
日本語訳 加藤博美
明け方近く 闇の中で 寄り添う 若い男女
ふたりの笑顔は 金星のように 若さで耀く
満月の夜 男は 女に 一輪の薔薇を差し出し
将来の夢を 愛に満ちた言葉で 語った
金星は 彼らの証人のようだった
彼らは 夜 確かに 約束をした
新しい愛が 彼らの中に 芽生えた
その夜以来 男は 毎日 一輪の薔薇を 女に届けに来た
夏の焼けた 一筋の道を通って
彼が 彼女に 薔薇を与えるとき
彼女の微笑みが 彼の疲れを すっかり 消し去った
幾つかの春が巡る間 薔薇は 彼らの命の中で 枯れずに 咲き続けていた
今朝 無数の朝露が光る 草深い 一筋の道を 裸足の女が 独り 歩いていく
一体 何故なのか 誰にも分かりはしない
駅に続く 一筋の冷たい道を 彼女は 裸足で 歩いていく
彼女は 愛の戦争に 敗れてしまった