SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

ひつじくんの名演-7

2005-10-22 04:00:05 | くじらねこ
すると、異様に遅いテンポで、「枯葉」が始まりました。私のココロを

見透かすように。

これほど名演の多い曲で、演り尽くされた感がありましたが、まだま

だ、こんな「枯葉」が散らずに残っていたのでした。

妖しく色づいた一葉一葉、枝から別れる瞬間の、声、死、離れ逝く切な

さ。

戻って往く感覚。輪廻りながら、落ちてゆく、悔いもない、恍惚。

そんな感覚が詰めこまれた演奏でございました。

誰ひとり声も出ず、指さえも動かさず、息を殺して、聴覚を、感覚を研

ぎ澄まして聞き入ってた。いや、ただひとり、ねこちゃんだけは、安ら

かな寝息を立てていた。

ねこちゃんには届いただろうか。全く届いてないかもしれない。でも、

もしかしたら届いているのだろうか。ひょっとしたら、ねこちゃんが、

一等、甘美な「枯葉」を眺めていたのかもしれないね。


ひつじくんの名演-2

2005-10-22 03:41:04 | くじらねこ
「やあ、陰気臭いなあ、ここに来たときくらい、明るい気持ちでいたい

ものだよねえ、ひつじくん」

と、くじらさんが、困ったような声で言うなり、待っていたかのよう

に、弾けるように躍動するイントロから、陽気でお道化たアレンジで、

「TAKE THE A TRAIN」

を弾き始めたひつじくんに、改めて、わたくしは、音楽というものの、

その場の空気を変える驚きの力に唖然、とさせられるのでございまし

た。

「こうでなくちゃあ、いけない、いいねえ、ひつじくんは、いいなあ、

くだらない、まるで命のこもってない言葉、安っぽい言葉、なんかよ

り、ずっと、偉いものだ」

くじらさんも、感服のようです。うんうん、私も首肯いたしました。