降りるということ 2006-04-20 23:59:46 | 文 どんなにぼんやりしてても 三鷹着くと、必ず気づく いつも降りたいと思う でもきっと降りないんだ 降りるときは きっと もう決めてしまっているんだ ふと、 とか なにかの拍子に、 なんて信じない 決める ということが 少しわかったような気がするんだよ
見えない敵を討て 2006-04-20 23:44:04 | 文 ミケはときどき虚空にむけて 必死で猫パンチを食らわしていることがある。 いつもは、のらりくらりと暮らして居るが、 このときだけは3倍速でパンチを繰り出す。 ぼくには、彼女の相手が見えない。 ミケのやつ、またやっていやがる。 とほくそ笑んでいるのだけれども、 自分の姿もまた、これと同じことかもしれないと思ったら、 可笑しいんだか、哀しいんだか、わからなくなってきた。 写真は 闘いを終えた興奮覚めやらぬミケ(控え室にて)
葉桜と魔笛 2006-04-20 23:12:31 | 創 葉桜の頃には、 かならず魔笛が聞こえる 去年もそうだったし 遡れば、胎内でも響いていたはずだ そして今年は 昨日 僕は落っこちそうになってた 日付の変わる頃 目黒川沿いのベンチに座って 街灯に透かされた葉桜を凝視していた すると、役目を終えた萼が狙いすましたように額に命中した 目覚めよ というように でも僕はこんなこともあるんだな というふうにしか感じなかった 相変わらず なま暖かいみどりを見つめていた ビールをするすると流し込みながら 対岸からだろうか 帰途を急ぐ人から漏れたのだろうか それとも 僕自身が吹いたのだろうか 口笛が 聞こえた それは短くて軽い、なんてことはない口笛 僕はそれに すっかりやられてしまったんだ やられてしまったんだよ あれは 誰の仕業だったんだろう