SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

清明を過ぎて・・・

2006-04-10 13:35:59 | 
清明 
           杜牧

清明の時節 雨紛紛
路上の行人 魂を絶たんと欲す
借問す 酒家は何れの処にかある
牧童遥かに指さす 杏花の村



・・・・・・・・・・

折角の清明なのに
雨が舞うように降ってきた
ひやりと寒い
知らない土地
やりきれない思いで立ちつくす
飲まにゃ、やりきれん
俯いて歩いてきた子供におずおずと声を掛ける
子供は目もあわせず無視して逃げていった
その子供の走っていった角を曲がると
奇しくも酒屋があって
ふわりと杏の花びらが落ちてきた


渾沌

2006-04-10 09:11:11 | 
追いかけてもむだ
でも追いかけなきゃ見えないものもある

整理して考えようよ
整頓なんて後付けの屁理屈に過ぎない

理性が作動しないよ
なに言ってんだい、あるのは意志だけさ


自失への希求

2006-04-10 09:02:16 | 
心をほぐしてくれるあなた
緊張から解き放ってくれるの
気持ちは快活に
ふわりと雲の上、散歩
微笑みを呼ぶ
哄笑を誘う

あのことを
忘れさせてくれる

束の間の桃源

命の水
どこかへ連れてっておくれよ

春昼

2006-04-04 09:04:51 | 太宰
「あたし、桜を見ていると、蛙の卵の、あのかたまりを思い出して、――」家内は、無風流である。
「それは、いけないね。くるしいだろうね。」
「ええ、とても。困ってしまうの。なるべく思い出さないようにしているのですけれど。いちど、でも、あの卵のかたまりを見ちゃったので、――離れないの。」
「僕は、食塩の山を思い出すのだが。」これも、あまり風流とは、言えない。
「蛙の卵よりは、いいのね。」妹が意見を述べる。「あたしは、真白い半紙を思い出す。だって、桜には、においがちっとも無いのだもの。」


太宰治「春昼」


蛙の卵
食塩の山
半紙

くすくす。

私は、死に装束。

あなたは?