多摩爺の「時のつれづれ(如月の55)」
被害者だが犯罪加害者でもある。(ミャンマー国内での特殊詐欺)
中国政府が主導権を握る・・・ 「一帯一路」という経済圏を確立するため、
東南アジアの港湾地域や、山林などの未開の土地に、
巨額の資金を投入して開発を行い・・・ 利権を得ようとしていたことぐらい、
国際社会は薄々分かってはいたものの、見て見ぬふりをしてたら、とんでもないことになっていた。
タイからミャンマーの国境を越えたところに作られた、KKパークと呼ばれるリゾート地区に、
中国系犯罪組織が拠点を構え、在日の中国系半グレ集団チャイニーズドラゴンなどが加わり、
騙されて来たか、進んで来たかまでは分からないが、ネイティブな言葉を話す各国出身のかけ子が、
数1000名の規模でリクルートされ、夜中まで電話やネットを使った詐欺をさせていたらしい。
現地(ミャンマー)に住む少数民族の武装勢力が、恥をかかされた中国政府の圧力を受けて、
中国系犯罪組織の掃討に動いてくれたことは・・・ ありがたかったと思うものの、
元々は犯罪組織と結託して、美味い汁を吸ってた同根だから、
熱りが冷めれば、再び元に戻るのは明白であり、どこまで掃討できるのか不安がないわけでもない。
既にタイ当局に、日本人の幹部と目されるリクルーターが逮捕され、
高校生を含む、数名の日本人が救出されたとの情報があるが、
全貌が解明されたわけじゃないので、実際のところ何名のかけ子がいたのか、
日本人が何名関わっているのか、まだハッキリしてないんだから、恐ろしく闇が深いと思う。
ただ思うに・・・ テレビ報道によれば、監禁から救出されたという、この国の高校生は、
リクルーターに騙されて、拠点に連れて行かれたかのようなことを云ってたらしいが、
それについては・・・ 「ちょっと待ってくれ!」と申し上げたい。
SNSでの闇バイトには「用心せよ!」と、口を酸っぱくして云われ続けているこのご時世に、
いくらチケットを用意して貰ったとは云え、どんな仕事をするのか、その確認もしないまま、
のこのこ海外にまで、バイトにでかけるという・・・ あまりに稚拙な思考回路は、
自業自得とまでは言わないが、開いた口が塞がらないでいる。
それでも邦人保護の観点から、どんなことをしてでも助けなきゃならないと思うが、
彼らは騙されて海外にまで連れてこられた、哀れな被害者であるとともに、
一方では、この国に住む誰かを騙して不幸に陥れた、犯罪加害者であることも忘れてはならない。
例え、イヤイヤ従わざる得なかった実情があったとしても、
例え、脅された恐怖心から、従わざる得なかった実情があったとしても、
例え、ある程度は刑事責任が軽減される、未成年であったとしても、
見ず知らずの人を言葉巧みに騙し、大金を奪ったことへの責任から免れてはならない。
厳しくて申し訳ないが、犯してしまった犯罪に対しては、
可哀想だなんて情状酌量は、微塵もあってはならないと思っており、
帰国後は、この国の法律に則り、それ相応の罰を受けるべきだと思っている。
「罪を憎んで人を憎まず。」といった格言があり、心情的には理解できるものの、
犯してしまった罪は罪であって・・・ それ以上でも、それ以下でもなく、
国外の事件であろうと、国内の事件であろうと、相応にキッチリ償ってもらわないと、
人治国家ならいざ知らず、法治国家としては示しが付かない。
若くして付いてしまった前科者の汚点が、一生消せないことを知るのは、
もう少し先になると思うが・・・ まだまだ若く、やり直しが出来る年代なんで、
なんとしてでも立ち直ってほしいと、願ってやまない。
なんとなく・・・ 国内の闇バイト問題が、落ち着きを見せ始めていたこのタイミングで、
とんでもない爆弾が落とされてしまったようである。
しかも、相手は中国系の犯罪組織や、チャイニーズドラゴンによる治外法権からの攻撃であり、
この国の警察が自由に手出しができない遠方からの攻撃だから・・・ 始末が悪い。
中国政府による圧力に頼らざる得ないのが・・・ なんともはや癪に障るが、
場所が場所で、タイではなくミャンマーだということを直視すれば、
現時点では、それしか伝手がないのが腹立たしくて堪らない。
最後に・・・ 毎度毎度で恐縮だが、
本文はあくまでも、個人的な思いを綴ったものであり、
コメントを頂戴しても議論するつもりはないので、申し訳ないが了知願いたい。
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