時のつれづれ(北多摩の爺さん)

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元総理の国葬が決まった。

2022年07月15日 | 時のつれづれ・文月 

多摩爺の「時のつれづれ(文月の31)」
元総理の国葬が決まった。


元総理が凶弾に倒れて一週間・・・ 第7波の拡大が著しく、
そろそろこの話題から離れて、現実の社会に目を向ける必要があると思われるが、
昨夕行われた、総理の記者会見により、
元総理の葬儀を、今秋に国葬で行うとの発表があったので、ちょっと思いを述べてみたい。

2年前に行われた、中曽根元総理の政府と自民党による合同葬では、約2億円かかったらしくて、
合同葬じゃなく、国葬ともなれば・・・ 海外から多くの要人が参列されることも想定され、
規模も、参列者も比べものにならないことから、倍とは行かなくても、
その費用が、2億円を大きく超えることは、おそらく間違いないだろう。

気になるのは・・・ 合同葬なら、折半と云うことになるのだろうが、
国葬であれば、その全額を国費(税金)で賄わねばならないことだ。

おそらく、野党やその支援者、さらには左派系のメディアなどからは、
「税金の無駄遣いだ。」と・・・ 批判の声が上がるだろうし、
アンチの人々や、◯◯ガーと名指しして、罵詈雑言を繰り広げた人々からも、批判の雨嵐だろう。

だからといって、仕事場であり、自宅もある東京で、
事件現場となった奈良で、さらには選挙区のある山口で行われた、葬儀や記帳の現場近くで、
批判を繰り広げる人は、居なかったようなので、
国葬の発表があったからといっても、反対のデモ行進などには至ることはないだろう。

この国は・・・ 民主国家なんだから、
賛否両論があって良いと思ってるし、
批判や非難があるのも、全くもって当然のことだと私は思う。

この国のトップを長年務めた為政者ゆえに、
その間の行動と発言に・・・ 功と罪、光と影があるのも承知している。
主義主張的に合わない人々は居ると思うし、
そういう人々は、なにがあっても嫌なんだから・・・ 説得することは無理というものである。

とはいえ・・・ 海外の対応に目を移せば、インドやブラジルは国として喪に服していたし、
イギリスの女王や、アメリカ大統領を含め、世界各国の多くの首脳が弔意を示しており、
極めつけは国連安保理で、全理事国が黙祷をしたことに対し、
国家として、なに一つ反応しないでは・・・ 三流国の誹りを受けてしまうのではなかろうか?

人間だから・・・ 好き嫌いは当然あるだろう。
嫌いな人は、嫌いなままで良いと思うが、
この国葬は、外交の場だとして・・・ 視点を変えてみたらどうだろう?

折しも、ロシアのウクライナ侵略が泥沼化するなか、
「暴力に反対し、暴力を否定する国」として、
その意を込めたメッセージを、世界に向けて発信する・・・ 絶好の機会だと捉えたらどうだろう?

国葬の実施について、反対する人々の声があることも分らんではない。
この国の法律では、国葬令は1947年に失効しており、
国葬を行う法的根拠はないのである。

1962年、功績を踏まえ例外として行われた、吉田茂元総理の国葬から、
60年ぶりに・・・ 功績のみならず、海外の反応などを踏まえ、
例外として、国葬が執り行われることになったのである。

この60年の間に、議論を尽くしてこなかったことは、明らかに国会議員の怠慢だと思うものの、
あくまでも個人的な主観になるが、こういったことは法律に定めるより、
故人の功績を客観視するとともに・・・ 故人に対する国民の思いに、海外の評価などを加味して、
時の政権が、例外とするか否かを判断すれば良いんじゃないかとも思っている。

なぜなら・・・ どう考えたって、
国民が納得できるような功績を、法律に明記することは不可能に近く、
仮に記したとしても、さまざまな解釈ができて、曖昧なものになることは必然であり、
そんな程度の法律を作るのなら、その都度都度に悩めば・・・ それで良いんじゃなかろうか?

法制化するという意見は正論だが、解釈の是非論でまた揉めるんだったら、
今のままの特例を認めるか否かで・・・ 私は良いと思っている。

「税金の無駄遣い」と、「外交による国益」を天秤にかけると、
とっても難しい判断になるが、この国を取り巻く世界の視点を俯瞰すれば、
後者の方に利があると・・・ 私は思っている。

例外があるから、そこに議論が生まれる。
異論があるならば・・・ 近々開かれる予定の国会で、問題視して議論を尽くせば良い。

法律を作るのが国会議員の仕事だが、
案件の根拠を明確にして議論を尽くし、その答えをだすのであれば、
法律に書かれてない例外が、認められるのもまた、
民主的な考え方の一つだと思うが・・・ 如何なものだろうか?

いくら議論しても、左派系の政党や支持者が納得することは、まずもってないだろうが、
どうしても嫌なら、国葬儀への参列を取りやめ、
自宅で静かに手を合わせればよいだけであって・・・ 外交の邪魔だけはしないでいただきたい。

こう言っちゃ、身も蓋もないが、
野党や支持者に、国葬をするか否かの権限があるわけではなく、
閣議で決めることが出来るらしいので・・・ 淡々と進めるしかないだろう。


追伸
穿った見方で恐縮だが、ひょっとしたら元総理が凶弾に倒れて1週間も経ってないなかで、
総理が、機先を制して国葬を発表したことが・・・ 喪に服す空気感と相まって、
税金の無駄遣いだとして、国葬に反対する声を封じ込めるような、
ちょっと重苦しい雰囲気を・・・ 作り出しているように見えて仕方がない。

個人的には、国葬については賛成であり、実施すべきと考えるが、
こういった重苦しい雰囲気は、一部の方々には評価され、支持を得るかもしれないが、
一方では・・・ 同調圧力とも取られかねないことから、
異論や反論を妨げ、封じ込めるようなことは、絶対にあってはならない。

ただ、今さらと言っちゃ申し訳ないが、
既になんども選挙で信を問うた・・・ モリカケ・サクラを、またまた持ち出して、
弔意を示した諸国から、笑われてしまうような、
レベルが低すぎる議論だけは・・・ 勘弁してほしいと願ってやまない。


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