多摩爺の「スポーツ観戦(その41)」
夢は正夢 頑張れ! 侍ジャパン (2023WBC・1次ラウンド)
WBCの1次ラウンド(プールB)を、圧巻の全勝で勝ち上がった侍ジャパン
いよいよこれからは、負けたら終わりの・・・ トーナメント戦(準々決勝)に突入する。
対戦相手は、混戦となったプールAを2位で勝ち上がったイタリアに決まった。
かつて、この国から渡米し、メジャーリーガーの先駆けとなった野茂投手とバッテリーを組んだ、
イタリア系アメリカ人の、ピアザ捕手が監督を務め、
プールAの本命と見られていた、キューバやオランダを破っての勝ち上がりだけに侮れない。
まずは勝って兜の緒を締めて・・・ イタリアを撃破し、
アメリカのマイアミで行われる、ファイナルラウンドに進んで欲しいと、願ってやまない。
閑話休題
さて、これはあくまでも個人的な思いだが、この国のプロ野球というか日本野球機構(NPB)は、
どちらかといえば、この国特有の旧態依然とした、古い思い込み(原理原則)に、
コミットし続けているように思っていたが・・・ そこに一石を投じたのが、
今回、侍ジャパンを率いた、栗山英樹監督(61歳)だと思うが・・・ 如何なものだろうか?
侍ジャパン初の投打二刀流選手や、侍ジャパン初の日系人選手の選出など、
結果的には良いことづくめで・・・ 話題に事欠かないが、
栗山監督自身にフォーカスすれば、歴代の侍ジャパンを率いた監督のように、
選手時代に輝かしい成績を残したOBではなかった。
なにが言いたいのかというと、
良い選手ではあったものの、球史にその名を残すような、名プレーヤーではなかったOBに、
あろうことかNPBは・・・ 世界一を懸けて戦うWBCの、全権を託したのである。
彼の出身地が、私の地元でもある、都心から電車で約30分の北多摩にあり、
武蔵野台地を国分寺市から小平市を経て、東村山市、所沢市(埼玉県)に向けて南北に走る、
西武鉄道の沿線にある文教地域だということは、あまり知られていない。
西武鉄道「小川駅」南の、小平第二中学(明治学院中学・高校の南)から、
西武鉄道「鷹の台駅」西の、創価高校(武蔵野美大の東、津田塾大の西、一橋大の北)に進み、
西武鉄道「国分寺駅」北の、東京学芸大学(早稲田実業の北、中央大付属中学・高校の西)を経て、
ドラフト外(テスト生)で、ヤクルトスワローズに入団した元プロ野球選手で、
二十歳過ぎまでの生活圏は、直線距離にして約2キロ圏内にあり・・・ 我が町北多摩であった。
大学時代の成績を調べてみると、投手として25勝8敗、投げないときは野手として打率.395
身長174㎝、体重72㎏の小さな選手で、50㍍を6秒フラット、遠投120㍍の強肩だったが、
注目度の低いリーグに所属していたことから・・・ 全国的には、無名の選手であり、
すでに社会人野球チームを持つ、大手の生保に就職が内定していたらしい。
ところが・・・ プロ野球への思いが断ちきれず、西武とヤクルトの入団テストを受けると、
ヤクルトに合格したことから、今日に至る歯車が動き始めている。
彼の座右の銘は「夢は正夢」だから、まさに有言実行の人生のようにも思えるが、
だからといって、プロ野球選手として輝かしい実績が残せたわけでもない。
努力の甲斐あって、センターのレギュラーポジションを獲得したものの、
メニエール病に罹患すると、順調だった歯車に急ブレーキがかかり、
調子を落としてしまい、短い選手生命を終えている。
プロでの成績は、7年間で・・・ 打率は.279(336安打、67打点)だから、
そこそこの成績を残しはしたが、彼の見せ場はなんてたって守備だった。
俊足で守備範囲が広く、今大会のヌートバー選手のように、
鮮やかなダイビングキャッチの名手であり、
当時人気番組だった深夜の「プロ野球ニュース」では、なんども取り上げられたことから、
記録よりも記憶に残る・・・ 涼しい眼差しが、キラリと光る選手だった。
現役を引退した後は、スポーツキャスターや、大学の教員を経て、
指導者の経験がないまま、北海道日本ハムファイターズの招聘を受けると、大抜擢で監督を務め、
私が応援している広島東洋カープを破って、日本一になっている。
当時は、カープファンという悔しさもあったが、
北多摩出身という親近感もあって、
ちょっと年下の近所のオッチャンだと、勝手に思い込んで、勝手に応援していた。
そんな、ご近所出身のオッチャンが、
なんと、なんと・・・ 日本代表チーム「侍ジャパン」を率いているのである。
夢は見るものではなく、叶えるものである。
いままさに、有言実行で正夢に挑む、ご近所出身のオッチャンを応援せずにはいられない。
WBC優勝に向けて・・・ ガンバレ! 栗山ジャパン
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2023年 3月 9日(木)~13日(月) 東京ドーム
第5回 ワールドベースボールクラシック 1次ラウンド(プールB)
JPN KOR AUS CHN CZE 勝ち 負け 得点 失点 順位
日本 - ◯ ◯ ◯ ◯ 4 0 38 8 1
韓国 X - X ◯ ◯ 2 2 40 26 3
オーストラリア X ◯ - ◯ ◯ 3 1 29 19 2
中国 X X X - X 0 4 10 50 5
チェコ X X X ◯ - 1 3 16 30 4
1位の日本、2位のオーストラリアは、決勝ラウンド(準々決勝)に進出し、
日本はイタリアと、オーストラリアはキューバと対戦することが決まった。
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第1戦 3月 9日(木)
中 国 000 001 000 = 1
日 本 100 200 14X = 8
[投 手]大谷(4)、戸郷(3)、湯浅(1)、伊藤(1)
[本塁打]牧 [三塁打] [二塁打]大谷、甲斐
・開幕初戦の緊張感と、相手投手の制球難に狙い球が絞りきれず、中盤まではストレスが堪る展開、
投手陣のピンチは、二番手戸郷が6回に一発浴びると、7回には一死12塁とされたが、
ここを気迫の二者連続三振で凌いだことが大きかった。
直後の7回には牧のホームラン、8回には山田、甲斐のタイムリーで突き放したが、
7回を凌いだ戸郷のピッチングが、このゲームのターニングポイントだったかもしれない。
二刀流の大谷選手は、投げては4回を被安打1本無四球で圧巻のピッチング、
打っては3回の一死13塁のチャンスに低めのボールを、フェンスを直撃するタイムリー二塁打し
解説者は、まだまだ8分程度の仕上がりとはいうものの・・・ 期待通りの活躍をみせてくれた。
それにしても、中国代表チームの投手が出した17の四死球は・・・ 正直、勘弁してほしい。
的を絞らせない作戦かもしれないが、時間がかかるだけで、観客の負担は大きいし、
集中力の持続の面から捉えたら・・・ 怪我が怖ろしいし、(試合時間は3時間41分)
国際大会だから、もう少しコントロールの精度を上げないと・・・ 見ている方も疲れてしまう。
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第2戦 3月10日(金)
韓 国 003 001 000 = 4
日 本 004 025 20X = 13
[投 手]ダルビッシュ(3)、今永(3)、宇田川(1)、松井(1)、高橋宏(1)
[本塁打]近藤 [三塁打]中野 [二塁打]近藤、大谷
・上々の立ち上がりだったダルビッシュ投手に思わぬ落とし穴があった。
あまく入った変化球を捉えられてツーランを浴びたあと、エラーが絡んで3回に想定外の3失点
いきなり追いかける展開となったが、ダルビッシュに黒星がつけられない打線が直ぐさま奮起する。
8番の源田と9番の中村が粘って歩き無死12塁から、日系人初の代表ヌートバーと近藤が
連続タイムリー、大谷が歩いたあと吉田にタイムリーがでて一気に逆転、
さらに5回には近藤の一発、6回には長短打を浴びせてビックイニングとし突き放す。
守っては二番手の今永が一発を浴びたものの、3回を1失点で凌ぐと、
7回からは宇田川、松井、高橋がパーフェクトリリーフで付け入る隙を与えず完勝
3失点したときはヒヤッとしたが、それもまたご愛敬で、宿命の日韓戦を勝ちきった。
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第3戦 3月11日(土)
チェコ 100 010 000 = 2
日 本 003 410 02X = 10
[投 手]佐々木(3.2/3)、宇田川(1/3)、宮城(5)
[本塁打]牧 [三塁打] [二塁打]近藤2、吉田、大谷
・12年前に東日本大震災があった日、先発マウンドに上がったのは岩手県出身の佐々木投手
立ち上がりにショート中野のエラーから1失点したものの、うなりを上げる剛速球と、
落差の鋭い高速フォークで、球数制限で交代したが3イングと2/3を8奪三振のピッチング
一方で打線は緩いボールにタイミングがあわず、一巡するまでは手こずったが、
二巡目に入った3回、吉田と山田のタイムリーであっさり逆転すると、
4回にはヌートバー、近藤、大谷の連続長短打に、吉田の犠牲フライで4得点
守っては4回二死1塁から佐々木の後を受け、マウンドに上がった宇田川が三球三振で凌ぐと、
5回からは三番手の宮城が1失点したものの、使用エネ投球で5回をスイスイ
1次リーグの突破は、明日に持ち越しとなったが・・・ 3連勝で、勝ち抜けがほぼ見えてきた。
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第4戦 3月12日(日)
日 本 320 110 000 = 7
オーストラリア 000 000 001 = 1
[投 手]山本(4)、高橋奎(2)、大勢(1)、湯浅(1)、高橋宏(1)
[本塁打]大谷 [三塁打] [二塁打]近藤、中村2
・初回の攻撃が始まって・・・ 約5分、
3番バッター大谷の衝撃的な一発が、外野スタンド奥の看板に突き刺さり、いきなり3点を先制
そして2回にはヌートバーと近藤の連続タイムリーだから、
約プレーボールから30分で勝負ありとなった。
守っては、満を持して登板した、2年連続沢村賞のNPBのエース山本が4回をピシャリ、
5回からは第2先発を託された高橋奎が2イニングをピシャリ、
その後は大勢から湯浅、高橋宏と繋いで危なげなし。
序盤で勝負が決まったことから、中盤以降の攻めに緊張感を欠いたように見えたが、
怪我なく終えており結果オーライだったと思う。
カープの栗林投手が体調(体のハリ)を崩して、戦線離脱となってしまったことが残念だったが、
ファイナルラウンドに向けて、全員が無事にゲームに出ることができており、
次戦まで中三日、しっかり休養を取って、体のケアに努めてもらいたいと願ってやまない。
興味深く読ませていただきました。
私も何といっても栗山監督の先見の目、許容力が大きいと思います。
大谷選手が世界の大谷になったのも
今回大活躍のヌートバー選手を抜擢したのも
源田選手の怪我は残念でしたが、全員でフォローして
優勝を勝ち取ってほしいです。
北多摩のオッチャン、ホントに頑張ってますね。
北多摩のジイサンも、メッチャ嬉しくてたまりません。
勝負事ですから、勝ち負けはありますが、楽しく爽やかに良い試合を見せて欲しいですね。
桜の開花宣言よりも前に、春を運んできたくれた侍ジャパンに・・・ 今夜も晩酌がすすみそうです。