時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

嘘は偽りであって誤りではない。

2025年01月30日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の65)」
嘘は偽りであって誤りではない。

偽り(嘘)と誤りには、どちらも「間違い」という共通点があって見極めがややこしいが、
他人を騙す意図があったか、なかったかで・・・ 明解なボーダーラインがあって、
偽り(嘘)には予め騙す意図があるが、
誤りには間違っていたと気づくか、誤りを指摘されるまでは、
騙す意図はなかったとされている。

そんな偽りと誤りのボーダーラインが・・・ いま、コミュニケーションツールでもあるSNSや、
出版物などを取り扱うメディアの世界で、おかしなことになりつつあって、
偽りを発信することは、けっして悪いことではなく、
それを信じる者が悪いとされる風潮が・・・ いつの間にか一般化されようとしている。

そういった視点で、最近あったニュースに着目すると、
ある自治体の元議員が自死した件や、某テレビ局の社員が性的上納に関わったとされる件があり、
発信元はファクトが分かると、悪びれることなくも取りあえず謝罪するとともに、
体裁を整えるかのようにいずれも偽りを誤りだったと・・・ こそっと訂正していた。

これはもう確信犯と言っても良いと思うし、
確信犯であるがゆえに、危機管理対策は手慣れたもので、対策にも怠りがないんだから、
「このやろう。」であり、イラッとくるし・・・ 歯痒くて堪らない。

さらに発信元が、国政に議席を持つ政党のトップであったり、
社会に多大な影響力を持つ週刊誌だから、
例え偽りではなく・・・ 誤りであったとしても、
驚くほどの短期間に、広く印象づけた責任は極めて重たいと思うがどうだろう?

ある自治体では、SNSで発信された情報が元となって、自治体のトップを選ぶ選挙が歪められ、
偽りか誤りか区別が付かない情報を元に、1人の元議員が自死に至っているし、
某テレビ局では、偽りか誤りか区別が付かない週刊誌の記事に、私情が上乗せされて、
生産性のない堂々めぐりの記者会見が、深夜まで行われてしまった。

ひらたく言えば、SNSや週刊誌から発信された情報が・・・ 誤っていたにも拘わらず、
真実であってほしいとの願望(私情)が勝ってしまい、
本来あるべき認知(ファクト)を、著しく歪めてしまったと言って良いだろう。

偽った情報を発信した者に、責任はなかったのだろうか?
偽った情報を信じて闇雲に流れ弾を撃ち続けた者たちに、責任はなかったのだろうか?

SNSや週刊誌が人を裁き、社会から抹殺するような力を持つことは間違ってると、
だれにでも分かっているのに、

その一方で、偽った情報を発信した者や、拡散した者たちへ対するお咎めが、
SNSで拡散される私刑だけだというのは・・・ バランスが取れてなく、あまりにも情けない。

昨年から特に強く思うのは・・・ 表現の自由という権利が暴走していることである。
倫理と秩序というリミッターを振り切り、
それでなくても、判別に恣意が入ってしまうような、偽りと誤りの狭間にあるボーダーラインが、
ぼやけてしまっているんだから・・・ 堪ったもんじゃない。

だからといって、表現の自由に規制をかけろなんて、言うつもりはないが、
表現の自由に躍らされ、表現の自由に裏切られている現実を、
この国はいったい・・・ どう捉え、どう対処すべきなのだろうか、
対応策を立案し展開していくリーダーが、いまだに見えてこないのが残念で堪らない。

私のような年寄りには知恵がなく、若い方たちに託すことと、愚痴を溢すことしかできないが、
同盟国の新しい大統領は、SNSのファクトチェックがお気に召さないようだし、
要らぬ心配をしても仕方がないが・・・ 老婆心ながら心配が尽きない。

最後に、もう一度だけ記しておきたい。
嘘は・・・ 騙す意図を持った偽りそのものであって、けっして誤りなんぞではない。
火のないところに煙は立たないはずだが、
火を付けて炎上させられたら・・・ 堪ったもんじゃない。

「AC JAPAN」のCMで見るような、決めつけ刑事(デカ)が跋扈するのも問題だが、
間違った情報を信じ、騙されてしまう人が多数いることを踏まえれば、
アメリカの大統領が反対しようが、なにを言おうが、SNSのファクトチェックは必須であり、
さらなる高度化に、あらん限りの知恵を絞っていただきたいと願ってやまない。

なお、本文はあくまでも個人的な思いを綴ったもので、
コメントを頂戴しても議論するつもりはないので、申し訳ないが了知願いたい。


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2 コメント

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Unknown (なおとも)
2025-01-30 08:30:11
おはようございます!

全く同感です。誤った報道や出鱈目な発信が垂れ流されていて、訂正は有っても僅か。こんな事が罷り通れば、人や企業を思うがままに倒す事が出来ます。ファクトチェックは必須だと思います。先日の記者会見は質問する側の記者にお粗末な人が多い事に驚きました。色々考えてしまいます。 なおとも
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Unknown (多摩爺)
2025-01-30 13:09:49
なおともさん、こんにちは

仰るとおりで、情報過多を制限することが出来ないわけですし、
ジャーナリストのレベルにも問題ありですが、情報がおカネになるので、彼らの発言にもブレーキがかけられません。
よって消去法になりますが、ファクトチェックを厳しくするしかないでしょう。
あとは、詳しいことは分かりませんが、名誉毀損に関わる賠償金がたぶん安価なので、言い放題、書き放題になっていると思います。
もし司直の手を入れるなら、言論の自由に制限かけるよりも、行き過ぎた言論への罰則強化かもしれませんね。
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