時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

納得しない人は必ずいる。

2022年07月29日 | 時のつれづれ・文月 

多摩爺の「時のつれづれ(文月の36)」
納得しない人は必ずいる。(国葬について)

元総理が銃撃を受け、不幸にも命を落としてから三週間が経った。
ここにきて犯人の動機等から、野党と左派系のメディアは、
参院選挙の時は、あれほど「経済対策が最優先課題だ。」と、言っていたにも拘わらず、
政治と宗教が話題になると、矛先を変えて「国葬を止めろ。」と声高に主張を始めた。

この国のトップに長い間いたんだから・・・ その政治に功罪があることは否定しない。
とはいえ、亡くなって反論できない人の、拙かった部分だけにフォーカスして、
批判を繰り返し、国葬に反対だというのは・・・ 正直なところフェアだとは思わない。

アンケート調査による民意は、拮抗しているものの、
少し前の調査によれば、国葬に賛成する人々の方が上回っていたはずだ。

メディアなどで、国葬を批判することは構わないが、
批判をするのであれば、国葬に賛成するサイドの論客も加えて、
キチンとした形で、功と罪を比較しなければ、欠席裁判になってしまうだろう。

最も欠けていることは、メディアの論調は罪にはフォーカスするものの、
功については、全くもって触れないことである。
比較して罪が上回るのであれば、それはそれで致し方なく、国葬なんて止めれば良いが、
はたしてどうなんだろうか・・・ 私には感情が先にあるように見えて仕方がない。

また、民意、民意と・・・ 良く云われるが、
国葬に反対する人々は、なにがあっても反対であり、
選挙結果で答えがでているはずなのに「少数意見を無視するな。」と、
反対姿勢を崩すことは、まずもってあり得ない。

つい2~3週間前までは、コロナ禍で疲弊した、経済対策が最優先だと言ってた人々が、
風向きに変化がでてくると、政治と宗教が最優先だと言い出している。

おそらく、気を見て敏なんだろうが、あっという間にプライオリティが変わっているではないか?
あなた方の言ってた経済対策とは・・・ その程度のものだったのか?
これじゃ、気を見て敏ではなく、木を見て森を見ずと・・・ 言わざる得ない。

国葬の是非については、国会でキチンと議論して、決を採れば良いと思っているが、
どうやら・・・ その機会は、スケジュール的に8月は厳しそうだし、仮に議論したとしても、
昨秋の総選挙と、今夏の参院選挙の結果で・・・ その答えは見えているし、
国葬に反対する人々は、国葬の当日に外国要人を前にしても抗議するのだろうから、
議論して、決を採っても・・・ その採決は虚しいだけになるかもしれない。

いま問題視されている宗教法人については、法外な献金を強要することは明らかに違法だと思うが、
献金そのものが違法ではないし、政治活動の支援(ボランティア)なども問題とはいえない。
なにが問題で、なにが法に触れているのか、論点を整理して見極めないまま、
情報を垂れ流していると・・・ 坊主憎けりゃ、袈裟まで憎いになってしまうだろう。

この国では、信教の自由もあれば、結社の自由も認められている。
政治活動の支援(ボランティア)や、宗教活動でのメッセージや挨拶が問題になるのなら、
労働組合の支援(動員)や、各種イベントなどでのメッセージや挨拶も、当然問題になってくるし、
公務員の労働組合の支援に至っては、グレーどころか真っ黒だが、それには目を瞑っている。

また、政教分離について、多くの国民が勘違いしているようなので、これにも触れておきたい。
内閣法制局の見解で、明確にされているのは、
政教分離とは、戦前の国家神道のように、国が特定の宗教団体に対して、
政治的または経済的な特恵を与えたり、宗教教育や、宗教活動をしてはならないということであり、
宗教団体が政治活動したり、政党を支援することを禁じているわけではない。

そこんとこを勘違いして、宗教団体の政治活動を苦々しく思う人たちが、
特定の宗教団体を批判しているが、こういった批判は明らかに間違いであって、
国葬を無宗教で計画しているのも、
政教分離に抵触しないように配慮していることを・・・ 理解しておかねばならない。

そういったことから、戦後のこの国では、
言論の自由、信教の自由、結社の自由などが・・・ 憲法に定められ、
さまざまな自由が認められており、国が関与できないようになってしまったことから、
本件のような出来事に対して・・・ 対応が難しくなった側面もあると思っている。

さらに宗教法人に、課税しろといった意見も・・・ チラホラと出てきている。
課税するとすれば、法人税と固定資産税になると考えられるが、
法人税だけならまだしも、固定資産税がかかってしまうと、
都内の神社仏閣や、教会などの施設や敷地の立ち入りを、有料にしないと税金は払えないだろうし、
とてもじゃないが、資産の維持ができなくなり、まさかだが廃業する法人も出てくるだろう。

明治神宮や靖国神社、築地本願寺など、都内の一等地にある施設や敷地に、
入場料を払って散策したり、参拝することを想定してみたら良い。
菩提寺にあるお墓に参るのに、入場料を払わなければ入れないなんて・・・ 想像できるだろうか?

初詣や、結婚式、七五三、さらにはお祭りなどについても、
敷地内への立ち入りや、見物に入場料が必要になってくることも避けられなくなるだろう。
世界遺産でもある法隆寺でさえ、境内の修繕などの整備費が捻出できず、
クラウドファンディングに助けを求めたことを客観視すれば・・・ 分ることではなかろうか。

霊感商法も含めて、いま問題視されている宗教法人が行ってきたことは、全くもって論外だが、
だからといって・・・ 味噌糞一緒に議論する話しでもないだろう。

与野党を問わず、多くの国会議員や地方議会の議員、さらには自治体の長までもが、
この宗教法人と拘わっていたことが、次々と発覚しており、
そのことについて、批判する人たちは・・・ 「開き直ってる。」と、手厳しい声をあげている。

確かにそのとおりだと思いもするが、この国は基本的に性善説の国であり、
もらい事故があることも・・・ 忘れてはならない。
いままでのことは変えられないが、これから先は変えられる。
「そりゃ、あまいよ。」と言われるかもしれないが、いまとなっては、そう捉えるしかないだろう。

ちょっと話は変わるが・・・ 民主国家で民意と言えば、多数決になるが、
そこには1票の重みという、ウェイトが加味されており、
これをどう捉えるかという課題が・・・ 常に付き纏っている。

個人的には1票の格差は、無くさなくちゃならないと思うが、
一方で世界に目を向けると、国連では1国に1票しかなく、
人口比や、面積比で・・・ 票にウェイト付けがされているわけじゃないし、
ましてや、分担金の多寡によって、票が割り振られているわけでもない。

国連改革を持ち出し、中国やインドがこのことで議論をふっかけてきたらどうなるんだろうか?
分担金の支払い額や、海を含めた面積比なら・・・ 我が国に有利だが、
人口比になったら、中国とインドだけで議決権の60%超を持つことになってしまい、
議論をすることは無意味ではないが、現行の安全保障理事会のように無駄になる可能性もあるだろう。

そう捉えたら、民主主義と言っても・・・ 矛盾がないわけでもなく、
国葬について国会で議論することも、似たようなものといった捉え方もあり、
それ自体が無意味ではないものの、野党の期待には応えられないのだから、
結果的には・・・ 時間の無駄になるのかもしれない。

おそらく来月はじめに招集予定の臨時国会で、総理から国葬について説明があると思われるが、
野党がそれ以上のことを求めるということは、
功罪の功の部分を認めず、罪の部分だけにフォーカスしていることであり、
天秤に一方の分銅を置いただけで議論することになり・・・ 無意味なものになるだろう。

つまらぬ嫌みを言うつもりはないが、
国葬が嫌な人は、民意がどうであろうと納得しないのだから、
時間をかけて議論しても、纏まることは・・・ まずもってあり得ず、
けっして議会を疎かにするつもりはなく、反対意見は貴重な声として尊重して、議論するものの、
納得を得るまで議論を尽くす必要性は、見いだせないのではなかろうか?

野党や、左派系のメディアは旬な話題だから、政治と宗教にフォーカスして、
国会議員の粗探しに熱心だが、法に触れなければ、どこまで行っても想像と思い込みの世界である。
議員のスキャンダルめいた話しは、面白いと言っちゃ不謹慎だが、
それがコロナ対策や、経済対策のように、国民生活に役立つことはないだろう。

さまざま意見や思いがあることを、けっして否定するものではないが、
時間がそんなにあるわけでもないし、決着させねばならないときにきているようだ。

さて、どうなるのだろうか?
もし、与党第一党から「申し訳なかった。今後、あの宗教団体とは手を切る。」と、
頭を下げられたら・・・ 一気に攻め手をなくしてしまうが、それが分っているのだろうか?

あくまでも・・・ 想像の域内の話しだが、
政府も、与党第一党も・・・ おそらく、そのタイミングを図っているのではなかろうか?


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Unknown (angeloprotettoretoru)
2022-07-29 09:52:31
失礼します。
そもそも安倍さんの生前の業績そのものが戦後二人目の「国葬」にまで値するのかどうか、という出発点からこれは唐突過ぎる話だったと思います。しかも話が出た途端に、これはもう決定したことだからと日取りまで決まっていて。どうせ是非を国会で議論しても多数派が与党なのは明らかで結果は見えている。時間の浪費だということでしたら、もう国会は要りませんね。議会制民主主義の明確で根本的な否定です。民主主義を否定するのも思想の自由ではありますが。
それから、旧統一教会は普通の宗教団体ではありません。オカルトを利用した反社会的詐欺集団です。それは何十年も前に社会的評価が定まったものです。彼ら自身もそれをわかっているからこそ、19年間も名称変更にこだわって来たのです。社会性のある一般の宗教団体、と政治との関わりと一緒に語るのは全く間違いです。
しかも、日本は侵略者でサタンの国だから、日本人は罪を滅するために他国人よりも多く献金しろと言って、日本人会員にだけ過酷な献金をさせ、それを韓国にそのまま送金しているような団体です。それこそ、保守右派の方たちからしたら赦しがたい団体ではないでしょうか。
しかもKCIAとの繋がりが疑われてもいます。
そんな団体と、防衛大臣が「付き合いはある。みなさんに選挙の協力を頂いている」と告白し、国家公安委員長が関連団体のイベントの主催者に名を連ねるというのでは、それぞれ国防と治安維持に重大な懸念がありませんか?
政治家とこの団体の深い繋がりには、それほど重大な国家的危機が潜んでいるから、これほど騒がれているのです。
国葬というのは、会社に例えると「会社始まって以来の絶大な功績」がある社員だから表彰しよう、というようなことです。そこでこの社員に「実は業務を円滑に進めるために、裏で反社勢力と繋がっていた」という事実が発覚したら、ちょっと待て検討し直そうか…ということになるのは自然ではないでしょうか。
普通なら服務規程に照らして懲戒解雇ものの案件なのですから。
ちなみに私個人は、今現在、国会で喫緊に審議すべき案件が山のようにあると考えます。経済政策はもちろんですし、新型感染症対策、また現在、地検特捜部が盛んにガサ入れしている五輪を巡る違法な黒いカネの動きの問題、そして統一教会問題、等々。
8月の国会をたった3日の形式的なもので終わらせ、会期延長もせず、別の臨時国会の招集もしないという岸田内閣の方針は、有り得ない国民への裏切りです。
政権が多々ある緊急の政治課題を放り出して、穴の中に逃げ込むようなことを黙って見過ごすわけには行きません。
統一教会問題も、認めてきちんと謝罪した上で(与党だけでなく野党の中の保守系議員も関与しています)今後この反社団体と政治家の関係を排除するための施策を、公開の場で正面から話し合って決めるべきです。
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Unknown (多摩爺)
2022-07-29 10:21:34
angeloprotettoretoruさん、こんにちは

大変参考になるコメントを頂戴し、ありがとうございました。
また、私のブログの内容がお気に召さず、不愉快になられたとしたらお詫び申し上げます。
私自身は、思いや考えは人それぞれで良いと思っていて、他人の意見は意見として尊重しており、
自分の意見を押しつけるつもりは毛頭ありません。
よって、ブログの場で議論することは本意ではありませんので、勉強させていただいたと捉えております。
今後も気に入らないことを書くかもしれませんが、都度都度ご指摘をいただければと思います。
長文でのコメント、ありがとうございました。
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Unknown (angeloprotettoretoru)
2022-07-29 16:14:23
いえ、私の方こそ長文のコメント大変失礼致しました。さぞご不快であったと思います。どうかご容赦ください。
今回の元首相殺害事件は、カルト宗教の活動によって引き起こされた公安案件として、地下鉄サリン事件以来の重大なものであると思います。そして旧統一教会と政治家(野党含めてです)との関わりさえなければ引き起こされなかった悲劇です。
私は安倍氏を国葬にしてまで顕彰するよりも先に、今まず政治家たちがすべき事は、襟を正して、金銭や票の取りまとめと交換に、政治家を広告塔にしようとするカルトとの関係を絶つことだと思います。もちろん過去の関係を洗いざらい検証、総括し、反省した上でです。
こんな重大な公安事案を引き起こす元になった反社会的団体と、国家公安委員長が懇ろだなどという国では、国民は安心して暮らせません。是非とも国会をきちんと開き、他の政治課題と共に、カルトと政治の関わりを規制する法案を、腰を据えて審議しなければいけないと思います。
生前の評価が二分しており、結果、国民に分断を招きかねない人物の顕彰について検討するのは、その後であるべきと思います。
失礼致しました。
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Unknown (多摩爺)
2022-07-29 16:35:13
angeloprotettoretoruさん、正直に言います。

一瞬、なんだなんだと思って、少しだけムッとしましたが、
読み続けていると、真剣に考えていらっしゃる方なんだなと、私にはなかった視点を学ばせていただきました。
ブログの良いところは、お互いが対極の思考であっても、認め合えば違った視点を学べるところだと思っています。
本文には書きませんでしたが、拉致問題対策として、北朝鮮とのコネクションが必要で、繋がりを保っていたところ、
いつのまにやら軒先から母屋に入っていたのかも・・・ なんて思っています。
来週に68歳になる爺さんですが、まだまだ未熟者です。
気になるところがあったら、ご指摘いただけると幸甚です。
丁寧なご返信をいただきありがとうございました。
今後とも宜しくお願いいたします。
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