時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

遅々として進まない公共工事

2022年08月01日 | 時のつれづれ・葉月 

多摩爺の「時のつれづれ(葉月の27)」
遅々として進まない公共工事

私の住んでる町では・・・ いま、三つの公共事業(工事)が密かに進んでいる。
なんで密かなのかというと、事業の主体が三つともお役所だから、
予算の都合があって進捗が遅すぎ・・・ いつまで経っても完成しないのである。

「シャキッとやれよ!」なんて・・・ 思いもするが、
先立つものも必要だし、ここにきて人件費や、さまざまな部材が高騰しているようで、
さらに遅れる可能性があるかもしれない。

さらには・・・ 公共事業とはいえ、人の思いはいろいろあって、
そこに住んでる人、その界隈を利用している人、ほとんど利用しないが同じ自治体に住んでる人、
さらには当該自治体の思惑などもあって・・・ 皆が満足できるものにはならないようだ。

その一つ目は、駅前にあった銀行の営業所が近隣の支店に統合されて、
キャッシュディスペンサーが近くに残されたものの、建物の全てが撤去されてしまい、
家屋が1~2軒ぐらい建てられる空き地ができたことである。

場所的に公共性も高く、自治体が空き地を購入したまでは良かったが、
再開発するために、この界隈に住んでる人々と、駅を利用している人々にアンケートを取ったら、
桜の木を植えて、この界隈のシンボルにすることになってしまったようだ。

アンケート結果だから、それに文句を言うつもりはないが、
住んでる人から漏れ聞こえてくる声は、
駅の向こう側(目視できる距離)には大きな公園があって、桜の木がたくさんあるのに、
さらに桜の木を増やすことに・・・ なにやら、不満があるらしい。

花が咲いた後は虫は出てくるし、消毒の際は洗濯物が干せなくなるし、
人の目が家の方向に向けば、窓を閉めなきゃならないし、
枝が伸びて大きくなったら、日当たりが悪くなると、
住んでる人々の評判は散々で、桜の木に必ずしも好意的ではないようである。

なぜだ・・・ ?
景観よりも、実害がでることを嫌がる、そこに住んでる人々の声よりも、
朝夕合計でも10分弱程度、景観を愛でる、通りすがりの人々の声が大きかったのである。
24時間、365日、そこで生活している人々の声よりも大きかったのである。

アンケートを取ったから・・・ 公平に判断したと思いがちだが、
住んでる人の声に少し下駄を履かせ、駅を利用している人の声とバランスを取らないと、
駅を利用している人の方が多いはずだから、公平とはいえないかもしれない。

もう一つは、もうなん年も前から決まっている道路拡張工事で、
現行の街道(2車線)に並行して、新たな街道(2車線)を設置する工事である。

昔から道路建設の案はあって、淡々と進められていたが、公園内の雑木林の半分がなくなることや、
玉川上水緑道が、10メートルぐらい分断されたり、そこに住む多くの住人が移転を求められていて、
記憶が確かなら10年ぐらい前に、「再考をすべきでは?」との住民投票が行われている。

新たな街道を作るといった計画の、主たる目的は交通ネットワークを充実させることにあったが、
自然環境の維持を求める住民の声は、交通ネットワークよりも緑の確保に傾いていたが、
住民投票の前年か前々年に、東日本大震災が起こると、住民の思いは一変し、
災害時における緊急車両などの走行や、安全確保などが重視されるようになり、
再考を求める住民投票は、規定の50%に投票率が届かず、不成立(開票されない)で終わっている。

あれから・・・ 約10年経ち、住宅の立ち退きは、いくらか進んではいるものの、
工事は遅々として進まず・・・ 目に見える形での進捗があったとは思えない。

予算と相談しながらの公共工事ゆえに・・・ ある意味仕方のないことだ思いもするが、
住民の声を二分してまで、住民投票をやったこともさることながら、
コロナ禍に陥った昨今、朝昼晩に救急車のサイレンが聞こえる現状や、
頻繁に起こっている地震もあり、基幹道路の整備は急いでほしいと願ってやまない。

そして三つ目の公共事業は、駅前商店街の先にあったグラウンドを、
自治体が購入したあと、その再開発について、公園を作ることが決定したことだ。

近所に大きな公園があるにも拘わらず、二つ目の公園を作るということは、
おそらく、新たな街道を作ることで消滅する予定の、
雑木林や玉川上水緑道などの、代替にしたいんだと・・・ 推察することができる。

個人的には、孫を連れて遊びに行ける公園が増えることは嬉しいが、
進捗があまりに遅すぎて・・・ 完成したころには、孫は大きくなっていて、
もう私たち老夫婦と遊んでくれる年代を、少し過ぎているだろう。

それこそ「シャキッとやれよ!」だが、
一方で自治体の財政を考えてみたら、近くに大きな公園があるので、
本来なら、不動産業者の知恵を借りて、住宅にすれば住民を増やすことにもつながり、
町の活性化と、税収を確保の両方に実利があり、実はそれがベストだと思ったりもしている。

30戸超の家が建ち、多くの人々がそこに住めば、いったい幾らの税収になるのだろうか?
また、商店街に落ちるお金は、いったいどれくらいになるのだろうか?
残念ながら、それを試算する術がないので分らないが、
それが何年も続くのだから・・・ かなり損しているような気がしないでもない。

以上が私が住んでる町の近辺で、いま密かに進んでいる公共事業だが、
その裏で、だれかが、我慢を強いられていることも・・・ 忘れてはならないと思う。

公共事業とはいえ、なんらかの妥協しなけりゃならないことは・・・ 仕方ないことだと思うが、
その妥協が、この町に長く住んでこられた方々に、しわ寄せが行くことは、
なんとか避けてもらいたいとの思いもある。

三つの公共事業(工事)のうち、一番進んでいるのが駅前の桜の木で、
他の2件は、どうみても・・・ あと2~3年経っても完成することはないだろう。
物価も上がってるし、長引けば長引くほど、持ち出しになるんだから、
老婆心ながら・・・ 自治体の財政が心配になっている。

個人的には、老い先のことを考え、我が儘を言うつもりはなく、受け入れるつもりでいるが、
実害が大きくないことから、アンケート結果に納得できないまま、
渋々妥協させられた人々も居るようである。

自治体が施主になってる公共事業とはいえ、100点満点ではないし、
皆が満足する妙案がないのが現実であり、仮になんらかの対案が見つかったとしても、
再検討してアンケートを取り直せば、再び縺れるてしまうのは必至だから、
残念だが・・・ 結局的に、どこかの、だれかが、少しだけ我慢することになってしまうようである。

とはいえ、自治体のサイドに立って考えてみれば、
彼らもけっして「黙って見ておけ!」なんて、強権を発動してるわけでもないから、
こういった案件は・・・ 落としどころが難しい。

いろいろあるんだろうが・・・ 工事だけは、進捗と変化が目に見えて感じられるぐらい、
シャキッと進めてもらえないだろうか?

関心はあるが、見ているだけの、無責任な爺さんの我が儘な思いで、ホントに申し訳ないが、
私が元気で、車を運転しているうち(あと4~5年かな?)に、
また、キャッキャッ言いながら、孫と楽しく遊べるうち(あと4~5年かな?)に、
どちらの工事も、完成させてほしいと願っている。

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