特権階級の戯言

多摩爺の「時のつれづれ（睦月の２）」
特権階級の戯言

大金持ちの特権階級なら、豊富な財力にものを言わせて・・・　なにをやってもいいのか？
１５億円という保釈金を捨て、２０億円超とも云われている逃亡資金を使い、
まんまと海外へ逃亡した輩がいる。

脅されて経由国で逃亡に関わったメンバーが、当事国で逮捕されたというのに、
のうのうとワインを飲んでる輩がいる。
金融商品取引法違反の他、会社法違反の特別背任で起訴され、
保釈中だった大手自動車メーカーの元会長だ。

挙句の果てに・・・　昨夜（１月８日）、逃亡地で開いた会見で、ほざいてくれるではないか。
「有罪が前提で差別が蔓延し、基本的人権が認められない、
　不正に操作された日本の司法制度の人質にはもうならない。」
「私は不正と政治的迫害から逃れたのであって、正義から逃れたのではない。」と
戯言（たわごと）をほざいた。

フランス政府の要請で、我が国の大手自動車メーカーを
フランスの大手自動車メーカーの子会社とすることを画策したら、
我が国の大手自動車メーカーはそれに反対し、
我が国の検察当局と組んで、自分を陥れたというのが彼の主張だった。

百歩譲って、ストーリーはそうだったとしても、
だからと言って不正に蓄財して良いというものではない。

起訴された金融証券取引法違反も特別背任も、その主たる罪状は不正蓄財である。
早い話、リストラで多くの社員の首を切っておきながら、
自分は正規の報酬以外のものを・・・　不正に蓄財したのである。

とうとうと自らの主張を述べた後、質疑応答で罪状についての認識を問われると、
話をすり替えて、我が国の司法制度への不満を述べ、問いと答えが全く噛み合わない。
さらに・・・　逃亡の方法を問われると、それについては答えず、
経由地で関わった人間が逮捕されたことを問うと、「気のどくだった。」の一言であとは何もない。

ネット情報によれば、元米軍のグリーンベレー（陸軍所属の特殊部隊）まで雇って綿密な計画を立て、
都内の自宅から楽器の箱に潜んで監視カメラの盲点をつき、
予め関空に用意していた自家用ジェットでトルコに逃げると、
そこからトルコ人の空港関係者を脅し、パイロットを買収して隣国のレバノンに逃げたらしい。

どこまでが本当かどうか、確かなことはいずれ分かるのだろうが、
現在レバノンに居ることだけは分かっている。

さらに今回の脱出劇をアメリカの映画会社に売り込んでいるというから、
冗談も休み休み言えじゃなかろうか。

私の時代で脱走映画といえば、やっぱりスティーブ・マックイーンだろう。
ドイツ軍の捕虜収容所からトンネルを掘って脱出した「大脱走」や、
ダスティン・ホフマンと共演して、絶海の孤島から脱出した「パピヨン」を思いだす。

もし映画にするなら、大晦日にやってのけた逃亡劇だけに、除夜の鐘に因んで「鐘と共に去りぬ」か、
大金を浪費したことにフォーカスすれば・・・　「金と共に去りぬ」だろう。
タイミングよく、丁度良い例えがあることにも、ホントに気分が悪くなってくる。

せめて、映画を撮る際には、我が国の空港は使わせることなく、
我が国での上映は拒否すべきだと思うが、
ネット社会だから、いくら拒否したとしても、
当時の間抜けな状況を確認させられるのは、悔しいが時間の問題になるだろう。

我が国政府も、舐められたまま、ほったらかしにしておくわけはいかない。
国際刑事警察機構（インターポール）に、
入出国管理法違反（不法出国）容疑で国際指名手配を要請し、
身柄拘束を求める赤手配書をレバノン政府に送ったが、それだけじゃ物足りない。
もう一つ、直ぐに手を打って欲しいのは、海外で彼が持っている資産の差し押さえじゃなかろうか。

レバノン政府は、自ら聴取すると云ってるが、
我が国から不法に持ち出したとはいえ正規のパスポートで、
正規の手続きを踏んで入国した者に対して、
いったいどういう容疑で、何を聴取するというのだろうか？　

仮に我が国での容疑について聴取したとしても、
レバノンのどういった法律で、どんな容疑で裁くのだろうか？
全く持って形だけで、胸糞り悪い聴取にしかならない。

そういった状況を踏まえると、レバノンから国外に出ない限り、捕まることはなくなってくる。
国際指名手配の「お尋ね者」だろうと、「ウォンテッド」であろうと屁の河童、
もはや、それがどうしたということである。

後は、西（中東の方角）の空に向かって、「バカヤロー」と叫ぶしかないのか。
我が国には「天網恢々疎にして漏らさず。」という言葉がある。
虚しいが、「良い死に方出来ない」などと、憎まれ口を叩きながら、
天の裁きを待つしかないのだろうか？

いくら常軌を逸した特権階級に属する大金持ちであったとしても、
ルールを無視した人間が、ルールの不備に対して、イチャモンつける資格などあって堪るか！
それにしても、あいつはいったい幾らお金を持ってるんだろう？
あぁぁぁ・・・　腹が立つ。